徳川家康(21) (山岡荘八歴史文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061950436

作品紹介・あらすじ

着々と国内統治を進める一方で、家康は海外貿易に情熱を見せる。と、ここにもまた一つの矛盾が生じた。紅毛人対南蛮人の確執。それは世界の海に野望をもやす大久保長安の奇怪な夢を煽り、伊達政宗、松平忠輝をもふしぎな野心の渦に捲きこんだ。さらに切支丹勢力の画策!家康の理想は危機に瀕する。

感想・レビュー・書評

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  • 新教国のイギリス出身であるアダムス(三浦按針)が家康に厚遇されたことで、先に宣教師が入っていた旧教国のポルトガル等が大久保長安や伊達政宗に近づいて巻き返しの工作を始める。

    この巻ではまだ大阪と江戸幕府の間は好意的。大阪の陣はまだまだ先のようです。

    18巻の関ヶ原以降に大きな出来事がなく、根回しが多くてちょっと長く感じる。

  • この巻では、江戸と大阪の様子は小休止。交易や外交の話が中心で、あまり知らない話が多かったです。君主って内政に外交に、ほんとたいへん。そこで、この巻の主役ともいうべき大久保長安が気になって、架空の人物なのか、実在の人物なのか、思わず調べました。なんと実在!今まで知りませんでした。この巻の最後の方を見てる限りでは、豊臣家が滅ぼされるなんて嘘のよう。これからどんな展開を見せるのか。残り5巻!

  • 大久保長安が海外貿易に燃やす情熱、そこに絡んでくる西洋の新教国旧教国の対立や日本の切支丹に伊達政宗や松平忠輝。大坂の動向、淀の方の軟化。

  • キリスト教の新旧やヨーロッパの国々の争いが、江戸時代の日本に持ち込まれていたとは、認識不足だった。年老いても、相手が若くても、きちんと学ぼうとする家康の姿勢は尊敬する。「全部聖人に作りかえてやろうと思うても、せいぜい何人かの義人しか作れぬもの…それを始めから投げてかかって何と致しまする。それでは教学に情熱ひとつ湧きますまい。情熱の伴わぬ教育などは、腐った魚と同様で、中毒こそすれ、何の栄養にもなりませぬ」

  • この巻は、政治と宗教が中心になっている。
    海外貿易に目を向ける家康。
    その中で暗躍する伊達政宗と大久保長安。
    一方、大坂では淀君の態度が徐々に軟化していく。
    家康の宗教観、切支丹勢力の対立、政宗と長安の野心。
    色々なものが渦巻き、家康は泰平を確固としたものにできるのであろうか。

  • 海外との関わりに多くを割かれており、また、大久保長安が本巻では重要人物の一人となっている。

    家康をクローズアップした小説で、海外貿易についてここまで詳細に書かれているものはおそらく他にない。著者が江戸時代の基礎を築いたものの一つが貿易にあると考えただろう。

    一方で、新たな紛争の種が芽生えるようなこともキッチリ書いている点はいかにもこの著者らしい。

  • 2016/2/7

  • 人が死にまくる戦争から、頭脳戦の闘争へ。いくらトップが太平の世を目指していても野心というものは次から次へと湧いて出てくる。
    それをどうさばいていくかが、トップの力量であり、家康の大きさなのであろう。
    宗教がらみは日本人には理解しにくい面もあるが、この時代もよくわからなかったのだろうな。

  • 大権現様が海外の問題を堪え忍ぶ21巻。

    カトリックとプロテスタントの対立に
    大久保長安が絡んでくるが、
    海千山千の大権現様には
    そんな企みは通用しなかった。
    あっさり露と消える長安の野心。

    ここに来て少し丸くなる淀殿と、
    その淀殿の妹だけあって、
    勝ち気だったが、大権現様の影響で、
    堪え忍ぶことの素晴らしさを知るお江の方。
    於大の方から伝えられた堪忍が、
    連綿と受け継がれているようで感動した。

  • 関ヶ原の戦いが終わり、泰平の世に進みつつある中、眼が海外に向けられる。キリスト教の新教旧教の争い、英蘭とイスパニアとの争い。淀の方が家康に理解を示す。12.12.22

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著者プロフィール

明治四十年(1907年)新潟県に生まれる。十四歳で上京し、博文館印刷所に文選工として働く。長谷川伸に師事、山岡荘八の筆名を用いる。昭和二十五年(1950年)より、北海道新聞に『徳川家康』を連載開始。昭和二十八年(1953年)単行本の刊行が始まり、ベストセラーとなる、『徳川家康』により、第二回吉川英治文学賞を受賞。以後、歴史小説を中心に創作する。昭和五十三年(1978年)七十一歳で亡くなる。

「2023年 『水戸黄門 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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