三国志(3)(吉川英治歴史時代文庫 35)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061965355

感想・レビュー・書評

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  • 劉備、張飛、関羽が離散し、各々が互いの行方を案じる。
    いよいよ関羽の忠義が試され、証明される。
    再開の項には思わず涙が滲む。

    1,2巻と読んで劉備の徳に心惹かれていたけれど、ここにきて”奸雄”曹操の、大人物は誰彼問わず受け容れる大きさに清々しさを覚えた。

    でも、やっぱりその裏には自己の権力の誇大、欲望が見え見えなので、やっぱり私は劉備が好きだなあ。

    というか、3巻はまさに関羽のための巻であるなあ!
    と、しみじみ。


    四巻は遂に、孔明が現る。
    早楽しみ。

  • 「閑話休題」と書いて「それはさておき」と読む。
    やはり陳宮が好きである。呂布は曹操と比べ馬鹿で粗暴であるがそれでも正直で好感が持て貴様よりはマシだ。そんな下りがあるが、もし曹操と劉備を比べたらどうだろうか。まだ曹操の方が人間味があるのではないかなとか思う。基本的に劉備を善人とすることに無理があるんではなかろうかと思えてならない。
    引き続き、陳父子がうざい。相当にうざい。

  • 名場面を一つに絞るには、惜しい。
    第三巻では、中原を舞台にありとあらゆる人物の駆引きがいよいよ凄さを増す。


    三国志、総勢一千人以上。-君、誰になぞるも好し。


    三国志の醍醐味は、この巻でも発揮される。
    軍師と豪傑。

  • 曹操が強くなってきた
    劉備は弱すぎ

  • 3巻のメモ
    陳珪・・・徐州の名士で高官、息子は陳登
         病気療養中で普段は家で寝ている、という記述がよく出てくるが、自分や息子が危なくなると、
          サッと出てきて素早く策をめぐらし、難をのがれる。ほんとに病気なのか?と疑いたくなるような活躍ぶり。


    3巻の適当なあらすじ
    陳珪&陳登父子の活躍により、
    ついに曹操は呂布に勝利。呂布&陳宮は処刑される。

    劉備も活躍。
    その後一瞬だけ曹操が劉備にべったりな時期があった。
    都にいるとき、劉備は皇帝にお目通りを許され、昔の王様の子孫→今の皇帝とも親戚
    ということが皇帝にも知れる。
    以降劉備は「劉皇叔」と呼ばれることになる。
    皇帝は大層喜ぶが、曹操は・・・?

    曹操の勢いはとどまるところを知らず、
    ひそかに「(後)漢王朝終わらせて、自分が皇帝になってやる!」という野望をいだく。
    漢の皇帝は完全にお飾り。

    皇帝は曹操暗殺計画を立てるが、失敗。
    暗殺計画のメンバーに劉備もいた。
    曹操は劉備を攻撃。

    戦力が全然違うので、劉備は敗北。
    関羽・張飛とも、妻子ともはぐれ、一人なんとか逃げて袁紹を頼る。

    関羽は劉備の妻子を守ってたから逃げるわけにもいかず。
    「これでさいごか?!」と玉砕覚悟で戦おうとするが、
    張遼の説得である条件と引き換えに一時曹操の元へ。

    実は曹操は関羽の武勇と忠義心に篤いところに惚れて、自分の家臣にしようと思っていた。
    あの手この手で関羽の気を引こうとする曹操。
    金銀財宝をあげたり、
    美人に取り囲ませたり(関羽も美人は好きらしいが、結局劉備の妻たちの召し使いにしてしまう)
    呂布から奪った赤兎馬をあげたり。
    皇帝から官位を贈らせたり・・・

    それでも関羽はなびかない。
    曹操はがっかりしつつ、「そこがいいよね」とか言ったりする。
    もう恋だよこれ。

    一応関羽も恩義は感じてて、
    劉備を見つけたらすぐに飛んでいくっていう条件を提示してたけど、
    何か曹操の役に立って恩を返してから行こうと思っていた。

    そんな折、曹操は袁紹と戦うことになった。
    「これはチャンス!!」ってことで、
    関羽は袁紹側の猛将、顔良・文醜を倒す。

    そして、都の家をきれいに掃除して、
    劉備の妻たちとわずかな召使をつれて一路劉備の元へ・・・

    家には曹操の贈ったプレゼントが赤兎馬以外、全て残っていたという。


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    個人的な感想だけど、最期の場面では呂布よりも陳宮の方が、
    潔くかっこいい死にざまだったなーと思った。


    そして、この巻読んで曹操がますます好きになった。
    三国志の主役が誰かって聞かれると、今までは劉備だと思ってたけど、
    吉川英治のこの話の主役は曹操だと思う。
    それくらい魅力的に書かれてる。

  • 2010.6.22~2010.7.20

  • 三国志といえば、芳川英治の三国志!必読書ですよ!

  • 関羽が曹操に捕らわれる。
    でも、その状況下でも劉備への忠誠心を忘れないで、かつ、曹操への礼儀も忘れない。
    殺さないで置いてくれたお礼に袁紹との戦いに曹操側で功を立てたり、劉備のところへ戻るのにわざわざ曹操に挨拶しに行こうとしたり…。

    義理と信念のかたまりみたいな人物だと思った。
    こんなふうに生きられたらかっこいいなぁ。

  • 関羽が曹操に捕らわれる。
    でも、その状況下でも劉備への忠誠心を忘れないで、かつ、曹操への礼儀も忘れない。
    殺さないで置いてくれたお礼に袁紹との戦いに曹操側で功を立てたり、劉備のところへ戻るのにわざわざ曹操に挨拶しに行こうとしたり…。

    義理と信念のかたまりみたいな人物だと思った。
    こんなふうに生きられたらかっこいいなぁ。

  • 三国志を読み進めて、3巻目。

    ここから、出版社が講談社→六興出版に変わりました。笑
    (後輩からの借りもんだし、是非もなく)

    で、全6巻だったのが全10巻になって、結構かぶってるとこが多くて。
    まぁそんなこともありつつだったけど、結果として楽しめてるしいいかなと。

    なんか、だんだん登場人物が成長してってたり、仲間が離れてまたくっついたり、磐石と思われても親子の世代での争いでそこにつけ込むスキが出てきたり、長編だからこそ出てくる時間の流れが徐々に出てきて、人生っておもしろいよなぁとかしみじみ感じてました。

    義を通した地道な努力を続ける人物がいれば、「早く着くことが全て」とする人物もいる。
    才能も大事だけど、視野も大事だし頼れる人に頼ることも大事だなと。
    人間模様からいろんなことを学びますわ。

    経営者は歴史小説が好き、とはよく言ったもんで、歴史小説から学んだ人が淘汰される中で残ってってるんじゃないかな、なんて思います。
    普通におもしろいし、生き方・考え方・攻め守り・タイミングの見極めとかとか今に活かせることいっぱいあるし、なんか視座が変わってくのがわかる。

    まだまだ成長の余地はありまくりですね。
    「リングの上なら、お前死んでんな」って言われたことがあるけど、ここが戦場でも多分俺知らないことありすぎて、できてないこと多すぎて死んでますわ。
    自分に降りかかる災難くらい自分で払えるように、自分の家族や仲間を自信持って「守れる」って言えるくらいに、自分を取り巻く世界の動きが見えるようにならなきゃです。そんで、見えた世界に対応できる力を身につけておかないとです。

    先は長いけど悠長にしてる時間はない。
    もうちっと早く読んでおくべきだったかもなぁ。

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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