司馬遷―史記の世界 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061975880

感想・レビュー・書評

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  • 中国古典へ読書領域を広げたいと考えているのだが、あまりにも知識的に無防備すぎる。若干なりとも武装をする上で、何がよいかと選んだのが、武田泰淳「司馬遷ー史記の世界」。

    いくつかの英雄列伝のエピソードを知っている程度という、悲しいほど知識のない私に対して、「史記」の世界を全的に紐解いてくれる本であるわけだが、何でしょう、この読後の感覚。

    未知の書物を解説されて、そこに感動がある、という現象。たとえば知らない映画の解説を聞いて興味を持つことはあったとしても、感動にまで至るか?

    「史記」という領域の広大さ奥深さが故なのか、武田泰淳の一世一代の作であるが故なのか。ひとまず中国古典のイニシエーションは無難に済んだ(それが甘いのかどうかは、いまに分かる)。

  • 司馬遷がどんな姿勢で歴史と向き合ったのか。また、歴史書を記すことに並々ならぬ情念を傾けていたであろうことがわかる。歴史とは何か?を考えさせられる一冊でもある。

  • 「史記」は、武帝より屈辱的な刑罰を受けた司馬遷が、世の中への憤りと諦観をもって纏めた歴史書であることが理解できた。解説を読むと、その情念は著者にも共通するものとのこと。
    内容的にはやや哲学的でした。

  • 「史記」は、黄帝から前漢の武帝までの歴史を記した本です。この本の作者は、司馬遷です。彼は「史記」を完成するために宮刑に処せられる屈辱を我慢しました。”人固有一死,或重于泰山,或轻于鸿毛”という精神後代の人を絶えず激励しています。私も自分の生命もっと意味があるように、頑張ります。

  • 読み途中。やはりこういう、小説じゃない読み物は進みが遅い・・・これに合わせて史記も大人買いしたものの、全然読めてない。恥ずかしい。

著者プロフィール

武田泰淳
一九一二(明治四十五)年、東京・本郷の潮泉寺住職大島泰信の息子として生まれる。旧制浦和高校を経て東大支那文学科を中退。僧侶としての体験、左翼運動、戦時下における中国体験が、思想的重量感を持つ作品群の起動点となった。四三(昭和十八)年『司馬遷』を刊行、四六年以後、戦後文学の代表的旗手としてかずかずの創作を発表し、不滅の足跡を残した。七六(昭和五十一)年十月没。七三年『快楽』により日本文学大賞、七六年『目まいのする散歩』により野間文芸賞を受賞。『武田泰淳全集』全十八巻、別巻三巻の他、絶筆『上海の蛍』がある。

「2022年 『貴族の階段』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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