国境の南、太陽の西

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062060813

感想・レビュー・書評

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  • 「ノルウェイの森」の中年バージョンか、という印象。有紀子が緑かな。あらすじをかいつまんで語ろうとしたらとても陳腐な内容になってしまいそうですが、あのときからずっと・・・となるとまた二人の関係にわかったようなことは言えなくなってしまう。ただ、私は迷っているような人を有紀子のようには受け入れられない。読み手によってはパンドラの箱を開けてしまったような気分になるかも。しばらく「僕」の精神状態になってしまうかもしれないのでご用心!

  • ハジメくんと島本さん、から始まり、イズミと会い、その従兄弟と抱き合い、由紀子と結婚する、正しくありたいと思い続けながら、人を傷つけ、でも、ひとにも自分にも正直である。ねじまき鳥のクロニアルの第一部としてかかれたモチーフを切り出して書かれた小説

  • ひとりの男の少年時代から中年になるまでを、いくつかの恋愛遍歴を通して描かれる。

    少年時代の淡い恋愛。
    思春期の情熱を持て余した恋愛
    結婚してからの妻との満ち足りた生活。

    平穏な生活に突然訪れる、遠い時間へ過ぎ去った恋愛との邂逅。
    物語は、主人公の男が恋愛を通じて、自分の中にあった心の飢えと乾きに気づき、それを満たすように過去の恋愛へと引き戻されて行く。。。

    現在と失った時間や、日常と非日常。
    これらを対比させることで、行き場のない彷徨う心の問題を取り扱っている。

    ただ、主人公がのめり込む恋愛対象の女性には、正直魅力を感じませんでした。
    ミステリアスで陰がある女性といった人物造形なのだが、一緒にいると疲れるタイプにしか感じませんでした。
    また、主人公もワガママすぎて(作品冒頭も自己申告している)感情移入しずらくもありました。
    家庭と恋愛で揺れ動く男の迷いを率直に描いているものの、率直すぎて人を傷つけすぎ!といった感じです。

    印象に残ったところでいくと、終盤である性描写があるのですが、これがかなり滑稽で、笑ってしまいました。
    引っ張って、引っ張っての性描写だけに、脱力でした。

    いろいろとノレない部分はあったものの、作品自体の背後にある深遠な意図を感じさせる、主人公が恋愛対象の女性に言った文章があったので、掲載します。

    「君を見ていると、ときどき遠い星を見ているような気がすることがある」と僕は言った。「それはとても明るく見える。でもその光は何万年か前に送りだされた光なんだ。それはもう今では存在しない天体の光かもしれないんだ。でもそれはあるときには、どんなものよりリアルに見える」

    村上春樹は、恋愛を通して世界の理を表現したり、世界の理を恋愛を通じて感じさせようとしているのかもしれないと感じさせてくれた一文でした。

  • 島本さんは結局、どうして姿を消したのか。それが気になって仕方ない。ハジメくんと島本さんの空気感がスカイクロラの函南と草薙に似てる。

  • 読み終えて主人公ハジメに対して抱いたのは"反発"。
    理由は今の自分が置かれている状況のせいかもしれないし、村上春樹ファンの友人に若干無理やりに読むように勧められたからかもしれない。
    いずれにせよ主人公の内省の記述が多くて、長ったらしくて、ネチネチとしていて鬱陶しかった。どうも自分には受け入れがたい。

    ああいう描写に美的なものを見出す人(この本を貸してくれた友人のように)もいるけど、自分には相容れない。

    最後の「誰か」とか誰?

    自分には重松清のスタイルタが合う、そう思った。

  • 1999年5月読了。

  • たぶん男なら誰にでも忘れられへん女性っているんじゃないかな。
    主人公に関わる女性が主に3人いるねんけど、
    1人目が上記の女性、2人目は高校時代の元カノ、3人目が結婚相手。
    話は主人公とその3人の女性とともに進んでいきます。
    女性からすると勝手やん!!って言われるかもしれへんけど、
    男としては共感できちゃいます。

  • 友達に薦められた1冊だが、私にはこの本の面白さが理解し兼ねる。主人公、島本さんとイズミ、こんなわけ分からん人たちに振り回された経験がないからかも。心の描写は好きだけど、別にこの本でなくても村上春樹であれば味わえる。

  • 一気読み。ノリノリで読めます。
    島本さんとハジメ君 青豆と天吾 のプロトタイプ??
    しかし有紀子さんは偉大だなあ
    有紀子さんのおかげで一応ハッピーエンドを予感出来ます 

    今読み返してみると作家って進化するのね~~と つくづく思います

  • 久しぶりに読み返した。 村上さんでした。
    印象的な文は覚えてて、これに書いてあったのかって思いました。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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