獣の奏者 II 王獣編

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062137010

感想・レビュー・書評

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  • エリンがセイミアとシュナンを結びつけ、真の大国を築くのか。 王獣と闘蛇はどうなるのか?

  • 一巻の闘蛇編から二巻の王獣編まで、貪るように読み耽りました。ページを繰る手が止まらない!
    エリンが王獣リランとの絆を深めていく一方で、人と獣の間には超えられない一線があり、エリン自身も深く傷付く……
    でも、彼女が王獣に向ける眼差しは、蜂飼いジョウンのもとで蜂の営みを観察していたのと同じ、深い洞察に満ちていて、だからこそリランと心通わすことができたのだなぁと感じ入りました。
    作品全体に、生命や自然の造形への畏怖が散りばめられていて、とても清々しかったです。

  • 国と人、国がなす構図やそこにある欲深い人の愚かさ。
    エリンとリラン、二人の間には一体どういった関係が成り立っていたのか。
    最初から最後まで考えさせられた。
    エリンがどんどん深い沼にはまっていくようで辛かったが、それでも我を曲げる事なく、強く進んでいく姿が印象深かった。

    上橋菜穂子先生はこの物語はここで終わらせるつもりだったらしいので、昔見たアニメも完結となってしまったのでどこか虚しさの残る最後で悶々としていた記憶があった。
    ここからの続きがまだあるとう事がワクワクして先が気になる。

  • 運命に翻弄される少女の成長物語、というのは簡単だが、相変わらず上橋さんは人の葛藤を描くのがうまいなぁと思う。これまで守られてきた伝統的な考えと、自分の正義との葛藤。自分の外と内の葛藤を乗り越えて人は成長するのである、という感じか。まぁ普通はその乗り越え方はこれほど過激なわけではないんだろうが。

  • 完結まで読み終わってみれば、この二巻が一番良かった。
    作者はここまでで終わりだったらしいけれど、ここで終わったら疑問が山積みのままで、終わらなくてよかったけれど。
    主人公にも惹かれるけれど、やはり、活躍が見たいのは王獣なんだと思った。

  • おもしろいんだけど、読んでいて胸が締め付けられる。
    成長してるとはいえ、まだそんな重責を背負えるほど大人ではない。
    なのにどこまで1人で頑張っちゃうつもりなんだろう、と。
    イアルがいるけど、彼は結局王の盾だからエリンを最優先で守れるわけじゃないし…。
    むしろイアルもなんか1人で頑張ってて殺されそうになってるし。
    ハラハラするから読んでてちょっと疲れるかな。爽快なとこもあるけど。

  • ページを!捲る手が!止まらないッ!
    涙を!拭うティッシュが!足りないッ!

  • すっげえ強え動物を兵器として飼いならしている国にうまれた少女が、幾多の試練のなかで、もっとすっげえ強え動物や、やさしいヒトたちに出会いながら強く生きていくハナシで、まあ、オモシロかったです。
    主たる物語は少女の成長のハナシなのですが、主人公が身をおくどの環境でも、大なり小なりオトナの政治的な思惑による諍いが絶えず、どちらかといえばそっちのほうが読んでてたのしみだったので、それだけに、ところどころで伏線を張ってたワリに、そこんトコロが尻切れトンボでおわっちゃってたのが残念でした。

    異世界のハナシということで、固有名詞とかに創作したコトバが用いられていたり、世界観を表現するタメか、あえて常用ではない漢字を多用していたりするのですが、それでも読みやすかったのは、児童文学の作家さんということもあってか、各場面の状況がていねいに描写されているからだと思います。

    http://blueskyblog.blog3.fc2.com/blog-entry-1544.html

  • 王獣リランと心を通わせ始めたエリン。しかし人に決して馴れない、しかし「国の権威の象徴」である王獣を馴らす方法の存在は、国を大きく揺るがすことに。人の作る権威や権力のために大自然の賜である獣を利用する人間、もしくはその集団の歪んだ意識が胸を痛ませます。力を欲する醜さ無情さは心を通わす優しさ美しさに見向きもしない。人と獣の壁。その不条理、あるいは真理にエリンは対峙します。一気読みでした。エリンを守るためのリランのこの巻最後の行動に胸が熱くなります。セィミヤ陛下もよく決心した!それでこそ真王!

  • 話が進んで面白くなってきました。筋はあらかた予想通りですが、ストーリーテリングが巧みで楽しく読めます。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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