- Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062154963
作品紹介・あらすじ
重松清が満を持して挑む、初の母親小説! 昭和の母から平成の母、強い母からどこまでも優しい母……第一章から第八章まで連鎖するストーリーとともに登場するかあちゃんたちが胸と涙腺を揺さぶる一冊!
感想・レビュー・書評
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とても感情移入しやすい作品だった。章が変わるごとに人物の目線も変わっていってあのときの場面ではこんなことを思っていたんだなどと思った。特にドロップがよかった。
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なんともいえないくらい、感動する話で、重松清ワールド炸裂でした。背負うことの重みを考えさせられたと同時に、母親の強さをずしっと感じさせられた素晴らしい一冊でした。
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『感想』
〇人は繋がって生きているんだなと感じた。それぞれが影響しあって生きている。
〇つらいことがあったとして、それを乗り越えることで人は成長できる。
〇忘れないことはただの重荷ではなく、その時の気持ちを振り返り、止まってしまいそうな成長をまた加速させる宝なのかとも感じた。
『フレーズ』
・謝ることとと償うことって、違うよね。『謝る』は相手にゆるしてもらえないと意味がないけど、『償う』は、たとえ相手にゆるす手もらえなくても……っていうか、ゆるしてもらえないことだから、ずっと償っていかなきゃいけないと思うの。(p.347)
・おふくろが背負ってきた重荷は、捨て去って消えるのではない。背中の荷物を体の前に回して、いとおしそうに抱きしめることで、静かに溶けて、消えて、胸に染み込んでいくのだと思う。(p.410) -
夫の過失交通事故を償うために、笑うこと幸せでいることを禁じた母、いじめにより自殺未遂をした同級生への気持ちと向き合うと決めた中学生達の話。
私は母親であり娘でもあります。
そんな自分でも、お母さんという響きには、胸がキュンとします。
生まれてきた誰にでも母親はいる、当たり前のことだけど、そこには複雑なドラマもあって。
第一章から、罪を償い続けたヒロシの母の姿に涙か止まりませんでした。
そして、その姿を知った中学生達が、自分達の罪を『忘れない』という形で償っていくと決めたことに、グッときました。
ひとつではないテーマの中で、色々なことを考えさせてくれる作品。
今の私は、親を大切にしよう、子供達の母でいることに自信を持とうという気持ちです。 -
2011.07.18読了。
疾走の次だったから、暗い話じゃなきゃいいなと思いながら読んだ。
予想以上に素敵なお話だった。
ある母親が倒れたのをきっかけに物語は動き出す。
その母親から息子へ、そして事故の巻き添えで亡くなった方の遺族へ。
どんどん広がっていき、それぞれが家族や母親の愛を知っていく。
いろんな母と子が出てきたけど、どの母親も子どもを思う気持ちは愛情に溢れていた。
特に千葉家のこたつの話と福田先生と母親のエピソード好きだなぁ。
なんか無性に田舎に帰って母親に会いたくなった。
そして罪を背負うこと。
これって難しい。
誰かを傷つけたり、何か罪を犯したとき、自己嫌悪になって逃げ出したり、忘れようとすることが多いと思う。
罪を背負い、ずっとお墓参りをして続けた母親。
私にはさすがにそこまでできないと思う。
でも謝ることならできる。
許してもらえなかったとしても、自分のした事を反省し、忘れずに生きていくことはできる。
当たり前のことなんだけど、この本を読んで改めて考えられて良かった。 -
著者の作品は、割と読んでいます。今回、久しぶりに読みました。読み始めて直ぐに著者の世界にはまり込んでしまいました。一つの物語で、各章ごとに主人公が変わる。過去にも、そのようなストーリー展開は見てきましたが、とても巧みです。何ヶ所か涙が出そうになりました。いつも、著者の本を読んで思うのは、子供の心を描くのが巧みだと言うことです。今の子供達は、もっともっと複雑かもしれませんが。
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一つの舞台で、それぞれの登場人物の母親を軸としたストーリーが展開される。
いじめや、家庭崩壊、離婚、不登校など、ほぼ毎日ニュースで聞くようなことが題材となっている。
「償う」ということは「忘れない」こと。
「信じる」ということ。
それぞれの「母親」の強さや弱さ。
ストーリーを説明するより、大人も子供も是非読んで欲しい作品です。 -
相変わらずの読みやすく心打たれる重松作品。それぞれの登場人物の感情を深く追求されていて、作品の中に読者が入り込んでしまった感覚になりました。是非映像化を。