- Amazon.co.jp ・本 (650ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062162524
作品紹介・あらすじ
鶴田謙二氏、推薦図書。
「これは本物のメイド大全です。階級社会だった時代背景や彼女達の仕事や生活が余すところなく網羅されています。知りたかった事も、知りたくなかった事も。『ごっこ』はもう卒業でしょう。」
ハウスメイドから執事まで、英国家事使用人の本当の姿を丁寧に追った、一家に1冊のメイド事典。
メイドには、恋をしているヒマなんてありません。
365日、主人のために働いた実在の人々の、本当のはなし。
本書を読むと分かる意外な事実……?
●メイドは転職を繰り返していた。
●皿洗いしかさせてもらえないメイドがいた。
●おしろいを髪に塗って仕事をする男性使用人がいた。
感想・レビュー・書評
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英国ヴィクトリア朝についての資料本です。
もともと同人誌発行されていた本の、商業誌版。
同人誌の時点でも相当クオリティ高く、多くの情報が掲載されていたのですが商業誌版ということで、さらにクオリティ高く、分かりやすく編集されています!!
タイトルにあるメイドに留まらず、男性使用人についても詳細に書かれています。
とにかく情報量が多い!!
メイド、とひとくちに言ってもハウスメイドやパーラーメイド・・・などなど、仕事内容によって細分化されるのですが。
それらのメイドたちそれぞれの生活や仕事の内容などなど、当時の資料や、実際に働いていた人間達の声も多く引用しつつ、わかり易く説明されています。
基本的には使用人中心ですが、彼らの生活から貴族の生活、そしてヴィクトリア朝の生活など広く見えてくる気がします。
本当に凄い本です・・・!!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
同人誌にて長らく展開してきた作者のメイド解説本の主体性。オタクカルチャーとしてのメイドではなく、かつてガチに存在していたメイドという職業を紹介・分析している研究本。
コミケカタログのような分厚さはちゃんとそれだけ必要であるからこその分厚さである。
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メイドをはじめとした、英国の使用人について体系的に記された本。
一通り読んで、ロマンと幻想に覆われた使用人の世界もフィルターを通せば一介の勤め人にすぎないという現実を思い知らされた。
いくら最高位・執事クラスの高給取りでも高齢になってからの失職、結婚の難しさなど、常に将来への不安を抱いており、アルコール依存症になる人が続出するのも頷ける。現代の社会保障の偉大さを感じた。
しかし、数多くの労苦を経てもなお職業としての誇りを抱く人々がいる、いたことに、今も創作の題材とされ続ける理由があるのだろうか。 -
w
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最初はその分厚さに驚きましたがそれも納得の内容でした。
タイトルにメイドとありますが執事も紹介されています。
女性使用人と男性使用人のそれぞれの仕事内容から服装、その辛さや苦労、私生活まで書かれています。
写真や図まであってわかりやすいです。
でももう少し写真が欲しかったかな?
主人によって私生活まできっちり管理される仕事なのは大変そう。
その分衣食住を保証され貯金もできる。
けれどやはり主人の経済状況によって変わるから一生そうなわけじゃない。
それでもなれる職業があまりなれず自立もままならない女性には魅力的だったんでしょう。
出会いの場にもなるし。
また読みたいです。 -
いわゆるメイドに限らず、屋敷の使用人全般を分類・解説。それぞれの特徴や仕事内容の他に、給与や将来、使用人同士の関係まで言及していて、使用人世界の全体像を掴むのにいいですね。
元は同人誌だそうで、研究書といってもかなり読みやすい。各項目の扉イラストはいらないので、参考写真がもっと多いと良かったです。
固有名詞が英語表記・日本語表記混在で法則がはっきりせず読みにくかったり、意味の取りづらい文がたまにあったりするのが惜しい。 -
「階上」「階下」という言葉に見える厳然とした階級差に胸がときめいた人は読むべき。
階下の使用人の待遇や給金、人生設計が役割別に解説され、実例も示されている。
雇い主と目も合わせてはいけない「空気のような存在」であるハウスメイドや、皿洗いからコックに成長しようと日々努力するキッチンメイドなどなど…貴人の華やかな生活を支える人々の内面が見えてくる本。 -
『活字倶楽部』に載ってて気になったので、図書館で借りてみた。分厚い。
メイドや使用人が、今まで自分が持っていたイメージとは全然違って驚いた。
「私の家は代々○○家に仕えていて・・・」っていうのはないんだね。 -
買っても絶対に損はない本だと思います!!!
ぶ厚くて読みごたえもたっぷり。
昔のメイドさん(使用人)の大変さ、文化、貧富の差などがよくわかります。
文化研究のためにも良い本です。 -
衝動買い…。
既に持っている「図説メイド」にそのあと買った「エマ・ヴィクトリアンガイド」、だったらこの本もどうしても持っておきたいと思ったもので。
ひと通り読みはしましたが、持っていることで安心したので熟読するのはまだまだ先のような気がします。
ずっと疑問に思っていることなのですが、私も含めて「メイド喫茶」前夜のメイドさん好きは、どこで何を見てメイドさんに惹かれたんでしょう?(訊かれても)