- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062177054
感想・レビュー・書評
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津村さんご自身が後書きでおっしゃるように、このエッセイの大部分はどうでもいいことかもしれない。でもそのどうでもいい話が何より好きな私にはぴったりで、本当に楽しかった。日常の小さなこと些細なことからあれこれと思考を巡らせていく津村さんが面白くてとても好きになった。
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よかった編
・イケア体操。(You tube見に行ってしまった。思考停止になりそうなユルい曲だけど、言ってることは「現状を数値で把握せよ!」「必要と言えないのなら排除!」って結構スパルタだと思う。)
・孤独耐性。確かに人によって違うので、友達いなくても本人は傍から見るより平気なこともある。というか友達作って維持していく根性がなくなってきてえるのもあると思う。(友達でも気を遣う場面とか踏み込みラインの見極めとか、聞いてほしかったのに聞き役にされちゃったりとか)。
面白いのと面白くないのとが混ざった、かたつむりみたいなエッセイ。時制が前後したりダブり気味のネタもあるので整理して厳選すればもっと光ったかもしれない。小説の方も読んだことがないので一度読んでみようかなと思った。でももっと濃いエッセイの方が好みかも。 -
笑えると聞いて借りてきたけれど、あまり笑えませんでした。好みの問題かな。
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これこそユルいっていうのか。
でも、とても、地に足をつけて生きている、毎日を「生活」してる感じが、羨ましい。
強い印象はないけれどスッと文章が入ってきて、息をついて、楽になる瞬間があります。
メモを書いて切り取って貼る。できることを積み重ねて小説を書く。常に確信はない、というのが興味深くもあり好ましかった。この1冊しか読んでないけど、すごくこの方らしいなあと思った。 -
へらっと笑えるエッセイ。一編は2〜5ページだが、4年分は多すぎる。
ぬるめのスープに、ゴロッとしたじゃがいも、やわらかい玉ねぎに、たまにピリッとするコショウという感じ。
「美味しいんだけど、量が多いかな…あ、この食感はイケる、いやでもやっぱりぬるいし…」と逡巡してたら食べ終わった気分。
テーマごとに三部に分けられてるのはいいとして、その中で時系列ではないことが少し残念。
年齢に触れている文章も、31歳→32歳→31歳など 「あれっ?」となるときがある。
特に問題はないのだけれど気になった。 -
タイトルの通りゆるいエッセイ。
ノートが好きで集めてもミスコピーの裏紙を使ってしまったり、ハーブがたくさんあってももったいなくてお風呂に使えなかったり可愛らしい。
小説も読んでみようと思った。 -
津村記久子さんのエッセイ集。
読んだ小説があまりにもツボにはまってしまったので、ついついエッセイにまで手を伸ばしてしまいました。
案の定というか、予想通りというか、小ネタを仕入れるとか雑学の知識を得るとかいうようなものではないけれど、小説と同じような独特の気怠いゆるさがあって、なかなか味わい深いエッセイでした。
津村さんというのは、やはりこういう人柄なんだろうな、というのがよく分かります。
「生まれてきてすみません」はたまた「生きていてすみません」或いは「こんな私が芥川賞など受賞して申し訳ない」みたいな自虐的雰囲気がそこかしこに表れていて、こんな腰の低い人がいるのかなあ、と心配になります。
思えば、彼女の作品の主人公も、いつも自分に自信がなく、何か行動を起こそうとすると逡巡するような人ばかり(まだ三作しか読んでいませんが)
その葛藤の仕方、考え、発想がちょっと呆けていて面白いのです。
関西人独特のユーモアセンスも至る所で活かされているし。
津村さんの小説の書き方のヒントが、膨大な裏紙にしたためたメモにあるというのも、発見できました。
今後も彼女の作品は欠かさず読んでいくつもりなのであります。 -
最後まで読めませんでしたが
始めのほうで爆笑しました。
やはり好きです、津村さん -
息抜きにちょうどよい。ドラクエの話は笑えた。
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ありきたりな日常も津村さんの目を通せば捨てたもんじゃないなと思える。
この人の書く小説の好きな理由がそこかしこに。
ただやはりエッセイより小説で輝くひとだと改めて実感。
人生を面白いものにする力に長けてらっしゃると思ったのは、
「いっそ妖精ということで」に書いてある。
なんだこいつと思う相手は、妖精か妖怪だと思ってしまえば確かに楽。
ひとがストレスに感じることをストレスだと素直に負の感情にすることなく、すり替えてプラスの感情にしているところは見習いたい。
吉本の小籔千豊と親交があるのか、たまたま、か。
小籔がツイッター上で津村さんの小説を褒めていたなあという記憶も新しい中で、津村さんはエッセイ上に、小籔が芥川賞をとってそれがこんな作品でという夢を見たと書かれていたのが面白かった。
距離感的に知り合いではなさそうだから、偶然か?偶然だったらいいな。
小説の書き方についてもすこしお披露目している。
こういうエッセイの類は持ち運びのできる「ポメラ」という文庫サイズの筆記機械で、会社を出てから帰宅までに、もしくは外で書いている。
小説は夜中にパソコンで書いている。
いまはもうその生活スタイルも変わったのだろうな。
会社勤めはしていないだろうから、いまのスタイルをまた改めてエッセイで読みたいとおもう。