木曜日は曲がりくねった先にある

著者 :
  • 講談社
3.19
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本棚登録 : 66
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062184069

作品紹介・あらすじ

私はみんなと違う。
そうやってみんなと一線を引きながら、都合が悪くなると線を消す。
ずるい。卑怯。矛盾だらけだ。

中学生になったら本当の人生がはじまるはずだったのに……、私は今も仮の人生を生きている。
佐藤瑞紀(さとうみずき)は、中学受験に失敗し、公立の中学へ通うことになった。学力試験は通ったのに、抽選で落ちた。その事実に苦しむミズキは、中学三年間を冬眠してすごそうと決意する。最小限のエネルギーで、最低限の消費活動をしてすごそう、と。
しかし、体育祭での三人四脚や、理科部からの勧誘、そして小学校のころ気になっていた竹内奏斗(たけうちかなと)との再会によって、なにも感じないはずの心は波立っていく……。

感想・レビュー・書評

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  • 中学生のミズキと同級生カナト達を描いた物語。
    思春期の揺れやすい感情、受験失敗での傷…主人公が少しずつ変わっていく様子が良かった。
    共感覚って詳しく知らないけど、この本を読む限りでは楽しそうに感じた。実際はプラス、マイナスどっちに捉えられるものなんだろう。

  • つまらない。

  • きのう読了。
    前半の間は、カナトの話を、あーなんかわかるなぁこういう感覚、と思って読んでいたら、後半まさかの共感覚の話になっていって、そういうことなのか…と妙に納得してしまった。もしかすると、わたしの気にする奇妙さは共感覚が由来なのかしら。
    装丁の穏やかなポップさが好き。

  • そんなに重要ではないと感じても、他の人にとっては秘密にしておきたいことなのかもしれない。
    共感覚に関する本って最近よく見かけるなぁ(といっても2冊目?)。色とか味覚とか音とか不思議。

  • 中学受験に失敗したミズキは、今の自分を認めることができないでいた。
    入学式も休んだし、授業中も寝ていることが多く、休み時間にクラスメイトと
    しゃべるのも避けていた。

    体育の授業で仕方なく三人四脚のグループを作った富永さんと鳥羽さんとは、
    一緒にいることが多くなった。
    ある日三人でいるときに、理科部に入らないかと声をかけられ、見学のつもりで
    行ったら、流れで入部してしまった。

    そこには、小学校3年生までいっしょだったカナトもいた。
    夕ぐれの公園を二人で駆け回った楽しい思い出があったけれど、今はカナトも
    何があったのか表情が固いし、ミズキも以前の自分には戻れなかった。

  • ★★★★☆
    少女の成長物語と淡い恋のお話として、よかった。
    ただ、一つだけでもドラマになりそうなテーマというか題材を三つ四つ放り込んでいて、ちょっともったいない感が。
    鉱物クラブ、女の子の友情、中学受験、男の子の秘密、母娘の葛藤。
    あと、女の子たちの一人称「ウチ」が気になった。主人公たちは大阪弁ではないし、ギャル語でもないし。関東では一般生徒でも「ウチ」定着してんのかな?
    (まっきー)

  • 中学受験に失敗した少女と、特別な感覚を持った少年の物語。

    共感覚で文字に色を感じるとかは知ってたけど、音に手触りを感じるっていうのは初めて聞いた。
    例えば赤ちゃんの泣き声は「バカデカいハンドクリームに手をつっこんだ」感触とか、ボウリングのピンが倒れた音は「ファスナーのギザギザ」の感触とか。単純に面白いというか、彼らが見て聞く世界はどんななんだろうと興味が沸く。まあ当人にとっては周りからの理解がなかなか得られなくて、大変なんだろうけど。

    あと共感覚とは関係ないけど、読んでて気になった事。
    最近の若い女の子の一人称は「ウチ」が定着しつつあるのか?

  • 思春期の女子の話は好き。
    自意識の檻からそんなに簡単に抜け出せるわけないけど、そこでもがいたり諦めたり…とにかく頑張る姿は素敵だ。
    しかし、この男の子の特徴は放っておいて大丈夫なんだろうか…?

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著者プロフィール

1971年、東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。構成作家として主にNHK Eテレの子ども番組の制作に携わる。2006年、「タイドプール」で講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、同作にてデビュー。21年、『サンドイッチクラブ』(岩波書店)で第68回産経児童出版文化賞〔フジテレビ賞〕を受賞。ほかの作品に『ハンナの記憶 I may forgive you』『木曜日は曲がりくねった先にある』『百年後、ぼくらはここにいないけど』(以上、講談社)、「NHK オトナヘノベル」シリーズ(共著、金の星社)などがある。

「2022年 『ぼくのちぃぱっぱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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