- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062196987
作品紹介・あらすじ
土矢小学校に通っていたのに、小学校卒業があと間近というタイミングで、親が、いま住んでいるアパートから、ほんのちょっと離れたところに念願のマイホームを建てたものだから、親友の小谷や菱田といっしょに土矢中学校に進学できず、瀬谷中学校に通うことになってしまった成田鉄男=ナリタテツオ。
超アウェイの状況でスタートした中学校生活、テツオはなんとかクラスで「広報委員」というポジションを確保し、委員として、いろいろな部活をデジカメを回しながら視察し、記事を書くという大役をおおせつかる。が、「肝心のお前はどうすんねん!」とツッコまれても仕方ない、変わらぬヘタレっぷりで、いっしょに制服を採寸した仲の杏里も、ややあきれ顔。
あーあ、杏里はどこの部活に入るんかいな――と気になってみたりしながら、初めて数学、英語という「学問」に触れて、その凄みを知ったりして、ちょっと頼りないけれど、初めて尽くしの「中学生」稼業を、よろよろと進行しているのであった!
感想・レビュー・書評
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なりたて中学生三部作2冊目。
中学での”自分の立ち位置”を探ってゆく成田鉄男。
広報委員に入り学校の紹介をすることになった鉄男は、インタビューに持ち歩いたデジカメと録音セットの自分の考えも吹き込んでいく。みんなが部活動を決める中自分は決められなくて、とりあえずは中学ってものを考えてみる。
先生が授業ごとに違う意味は?社会科って何をするの?苦手教科を克服するか得意教科を伸ばすか?
悩める鉄男の目線で、中学校ってなんだろう?をわかりやすく書かれている本。
先生たちもわかりやすく”中学”を教えてくれるし、生徒たちは入御中にも遠慮なく先生にツッコミまくる、先輩たちは学校でやりたいことをみつけている。
鉄男は広報委員に入るのだけれど、広報委員と新聞部の違いはなんだろうとか、委員の意見ってどこまで入れていいのかとか、どのくらいの人が読んでくれているのか、読者が知りたいのはなにかなどを先生や保護者たちとも一緒に会議したり、かなり積極的な委員会活動をしていますね。
中学生ってこんなにしっかり”自分の立ち位置”を考えるのかーと思いながら読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
瀬谷中学の一年生になった成田テツオ。
友だちはまだいない。
二巻なので、これから色んな事件が起きたりして、友達がだんだん出来ていくんだろうなと思っていたら、そうでもなかった。思ってたんと違った。けれど私はこの展開好きだ。
アンリの推薦で広報委員になったテツオは、広報委員の活動を通して、中学生活を客観的に観察していくことになる。部活動の様子、初めての体育祭。
行事を通して、テツオの中で、漠然と感じていたことが、思考となり、言葉となって出て行く。菱田や小谷が少しずつ変わったように見えるように、テツオ自身も小学生の頃とは少しずつ変わっていくのだろう。
やっぱり後藤君が気になるな。中級編ではやっぱり友だちになれていないけれど、上級編ではそれらしきものにはなっててほしい。 -
「なじまん!」
ー成田
中学に入学して初めての中間テストや体育祭。
テツオは不器用なりによく観察できてると思う! -
まずまずの秀作。成田が書いたレポートが本当に中学生っぽくて面白い。
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引越しのため親友と別れ隣の学区の中学校に進学したテツオ
広報委員を引き受けて部活や体育祭を取材することになる
いっしょに登校するアンリの夏服にドキドキし
小学校以来いわくのある後藤に部活を紹介し
隣のクラスのかわいい高野と同じ広報委員になって...
不安と戸惑いのなか入学した中学校で
まわりを観察して記録する立場が気に入ったテツオは
同級生や先輩との距離感と中学校生活の違和感をつづっていく
へたれテツオの1学期を描く関西弁の少年小説、3部作の第2作 -
読書記録です。まだの人は読まないでね。
初級編がおもしろかったので、読みました。
そっかー、こういうふうに考えてるものなのか〜と^^;
中学生って、もうオトナみたいな思考力を持つ子もいれば、主人公のようにド天然で素直すぎる子もいる混在した小さな社会だったんだと改めて思いました。
先にオトナになっちゃう同級生は、疲れちゃうしかわいそうかも。
主人公のようにゆっくり成長していくことが許される環境って、とても恵まれているんだと思います… -
「土矢小学校に通っていたのに、小学校卒業があと間近というタイミングで、親が、いま住んでいるアパートから、ほんのちょっと離れたところに念願のマイホームを建てたものだから、親友の小谷や菱田といっしょに土矢中学校に進学できず、瀬谷中学校に通うことになってしまった成田鉄男=ナリタテツオ。
超アウェイの状況でスタートした中学校生活、テツオはなんとかクラスで「広報委員」というポジションを確保し、委員として、いろいろな部活をデジカメを回しながら視察し、記事を書くという大役をおおせつかる。が、「肝心のお前はどうすんねん!」とツッコまれても仕方ない、変わらぬヘタレっぷりで、いっしょに制服を採寸した仲の杏里も、ややあきれ顔。あーあ、杏里はどこの部活に入るんかいな――と気になってみたりしながら、初めて数学、英語という「学問」に触れて、その凄みを知ったりして、ちょっと頼りないけれど、初めて尽くしの「中学生」稼業を、よろよろと進行しているのであった!」 -
図書館で目にした中級編。ブクログの記録を確かめたら中級編だけ記録がない。初級編も上級編も記録にはあるけれど記憶にない。テツオは中学を「観察」して過ごしている。感想はあるが感情を言葉にできないでいる。体育祭の棒引きの最中に実況を録音してしまうほどの、テツオの「観察」して過ごす姿勢に違和感があるが、そのことを一番感じているのはテツオ本人だろう。
かわいい高野さんに「気軽に話しやすい男子」「アンリだけやなく、どんな女子も成田の彼女にはならない」と断言され、「おそらく友達もできない」とダメ押しされる。「アンリは、成田が友達もできずに一人で登校しているのを見かねて、一緒に登校してくれている」のセリフは強烈だ。
広報委員会の三年の荒木に、話をしてくれていて理解している高野さんと後藤がいること、体操着が汚れるくらいは参加していることを指摘され、「それで十分」と言われ、泣いてしまうテツオ。そして、広報の記事の「体育祭は苦手です」でとは違うと後藤に言われ「なじまん!」だと言うテツオ。
テツオの抱えている中学生活での違和感はもっている中学生は多いと思うが、それに気づかないようにしているのかもしれない。
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「それでええやん。何か問題?」
色んなことに疑問をもてるって
素敵なことだなあ。 -
観察する成田、観察されまくり。