あの日

著者 :
  • 講談社
3.45
  • (57)
  • (134)
  • (152)
  • (40)
  • (14)
本棚登録 : 1205
感想 : 200
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200127

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この方の最初のニュースの時
    おーーすごいねぇ~~
    最近は 綺麗な人も 科学者になるんだぁ~
    なんて 思っていたら 
    捏造?!
    ニュース見ていて 憤りを感じました。
    自分も卒論を書いたので 論文というのは
    一人では書けないというのに 
    彼女だけ バッシングされていて 不思議でした。

    だから どうして こういう経緯になったのか 解明できるのかな?
    と 思って期待して読みました。

    しかし、、必要なんだろうけど
    最初の方は 科学のお話。彼女の研究内容や 
    どんな風に 他の先生と関わってきたのかという事が書かれていました。
    科学の内容は 読んだというより 見たという 感じです。

    この本は 彼女の方からの 話なので
    反対の話も読まなくては 捏造うんぬんに 関しては なんとも言えませんが
    取材している人達の行動は ひどすぎますね。。。
    他の本でも そうでしたけど
    取材に対して きちんと対応しているのに
    ある 部分だけ 切り取って 情報や 映像を出して
    (メディアなどが)悪者と決めたら徹底的に その線の情報しか出さない。
    できれば メディアの感情を入れないで 
    中立に情報を 公開して欲しいと思いました。

    • コルベットさん
      scentさん、おはようございます。私も、取材と報道の在り方が酷いとあらためて感じました。週刊誌はともかく、テレビや雑誌は、自分たちの影響力...
      scentさん、おはようございます。私も、取材と報道の在り方が酷いとあらためて感じました。週刊誌はともかく、テレビや雑誌は、自分たちの影響力の大きさや社会的な責任をもっと自覚して、感情を入れない中立な情報公開を心掛けてほしいと思います。
      2023/12/28
  • 読み物としては、どうかと思いますが。これを読んでいて芥川龍之介の「藪の中」を思い出しました。結局、STAP細胞騒動はなんだったのかは、50年過ぎて歴史を振り返ってみたときしか解らないんでしょうね・

  • 過剰報道に影響されず、フラットな気持ちで読みたかった本。図書館で目にしたので、今なら読めるなと思った。
    読んでいて辛い。

    研究は問題がなくても微妙なパワーバランスで成り立っている世界だから、綻び始めたら最後、止められなかったんだろう。

    厳しい局面が続く中で、彼女を支え続けた周囲の人々のように自分は行動できるだろうか。
    真実を求めることと、感情と、仁義と、信じることと。
    それらを混同せず、どれかひとつに飲み込まれることもなく粛々と行動していく強さを、周囲の人から感じた。



  • 前半は結構文章が稚拙というか科学者らしからぬ主観的な感想や子供っぽい表現が多く、著者が本当に悪気がなくスケープ・ゴートにされたことが真実としても大変伝わりづらく感じる。

    せっかく書籍化という形で世に発言できるのに大変もったいない。

    寝る間も惜しんで実験を続けたと何度も書く割には家にケーブルテレビを引いたり(見るんかい)、上司に指示されなかった実験を探求心のためこっそり進める割には『追実験すべきだと思ったが反対されたのでそういうものかと思いしなかった』みたいな(事件化する前なのでやろうと思えばやっても良かった時期)

    逆にそれを隠さないところに著者の素直さというか悪気のなさが伝わるんだがちょっとダブスタやん?とも感じる。

    ところが後半は文章が淡々としてきて内容もかなり同情でき、サスペンス展開の内容もあってすっげー面白い!

    別の人が書いたんかと思うくらいだが、ちょいちょい育ちの良い物言い(『お手紙』とか『お化粧』とか)が出てくるのでまあ本人かな。前半の『お母さんマウス』には失笑した。

    普段言うのは良いけど文章化するなよと。良くも悪くも裏表のないお嬢さんなんでしょうね。

  • STAP細胞の有無はともかくとして、マスコミの姿勢と権力者の保身の体質がよく伝わってくる。

  • 情緒的な文章の波。読み進めて行くうちにだんだんと「小保方ワールド」に取り込まれかけたが、読了後に残ったのは不信感だった。
    百歩譲って恣意的にデータ改ざんをしたのでないにしてもやはりデータによる裏付けの重要性を理解できてなかったことになる。
    また例の「200回」については本書で200回キメラマウスまで作ったように誤解されたとあるが、では結局何回できたのか。そこについては書かれていない。
    そもそも200回ってどこからでてきた数字なのか。手順どおりにやってできるなら、200回も繰り返しデータを出さずとも、極端な話、5回でも10回でも良いのでは?
    ハーバードに行く経緯にしても、STAP細胞の発表にしても、書かれている事をそのまま受け取るなら余りにも本人も周囲も曖昧であり密室的で、どのみちおかしな話。
    味方になってくれた人には申し訳ない気持ちを表し、そうじゃない人をやり玉にあげる。いったいこの本は誰のために書いたのだろうか。

    ある一人の人物のこれまでの生き様としては「色々経験をされましたね、お疲れ様。一日も早く健康を取り戻しこれからの人生を大切に」と願うが、ある一人の化学者として、また社会人としては未熟であり(読む限り)結局自覚がないままなんだと残念に思った。
    またそしてそれを利用した周囲がいたのも事実で各々猛省は必要であろう。むろんそれに踊らされた我々も。

  • 読まずに批判するのも如何なものかと思ったので、読んでみました。

    最初の率直な感想は「ポエム」。既に取り消しにはなってしまっているが、嘗ては、博士号を持っていた人物の文章とは思えない、情緒的な文章である。自分が行ってきた実験に関しての説明も、理系であってもその分野を知らない素人や、そもそも全くの文系の人などを対象としたものとは思えず、わかりにくい。

    しかし、この本の対象が、この実験に関係していた人物たちを対象としていたものと考えると、この様な内容であることは理解できる。嘗て自分が行ってきた実験の内容を、あたかも時系列を追うがごとく、且つ、何をどう行ったかなどを細かく説明する事などは、まさにそう(嘗て実験と共に行ってきていたステークホルダーが対象)なのではないかと思えば、納得である。

    前半の(と言っていいだろう)、ハーバード大留学までの件は、時間が経っていることもあってか、自分の記憶を掘り起こして書かれたような雰囲気であり、抒情的ですら有る。しかし、理研に移り、今回の騒動の舞台となった若山研に参画したあたりから、比較的最近のことであり、またあまりにも強烈な体験で深く記憶に刻み込まれている事もあってか、文章に鋭さを帯びてくる。そしてそこには、当事者に寄る文章であるので、どこまで客観的に事実を記しているかは神のみぞ知るが、報道で伝えられていた事以外のことも記されている。

    著者は、正直わたしレベルの知識でも科学者としては未熟としか思えない。本当に博士号に値する人物なのかと言うと、はっきり言ってそれは疑問である。論文執筆における不注意さは、学部の学生実験以下である。しかしそれでも、著者が本書で記している後半の事柄が、事実なのであるとすれば、本書の著者の責任は免れるわけではないが、他にも責任を追うべき人物が居たのではないかと思わずにはいられない。

    日本の科学技術の発展のためにも、また、この事件の過程で世界的研究者の命が失われてしまったということにおいても、本当の真相が知りたいと思うのは、私だけでは無いと思う。それが明らかになる時が来るのかは・・・

    著者が科学者としては未熟で、世の中に騒動を巻き起こしてしまったのは、残念ながら取り消すことは出来ないが、それでも一人の人間としての尊厳を否定されて良い訳はない。著者が、いつの日か健康を取り戻し、元気になる日が来れば良いなと思った。

  • この本を読むまでは、どうせ弁解に終始した本なんだろなと思って半ば、野次馬的に手にとって読んだのが正直なところ。
    とにかくこの騒動になるまではまさに順風満帆でハーバード大にも研究生として留学し、若山教授にも今まで教えた中で一番優秀とまで言われ輝かしい科学者になる道筋だったのに。
    著者も言ってるようにどの時点で道を誤ったのだろう…

    小保方氏はこの本を書くことによって少しは若山氏に矢をはなったことに溜飲が下がったのだろうか。
    笹井氏のこと。お隠れになったとあった。
    でも間違いなくこの出会いがなければ、笹井氏は自殺することはなかったであろう。
    この事実の重さ。
    マスコミからの容赦ない攻撃、早稲田大からの博士号の剥奪…。
    ほんとに常人では耐えられないほどの辛苦を味わっていると思う。
    ”身からでた錆”といってしまえばそれまでだけど、この本を読んだらやはり、同情的になってしまうのである。

  • 読了。まぁ、小保方さんサイドの一冊。フィクションだったら最高に面白いけど。

  • 専門外でよく理解できてないところもあるけれど、おそらくこの人は雑ではあるが実験自体は一生懸命やっていたのだろう。体細胞では細胞質中に分化状態を維持する因子が含まれていて、細胞質が減少すると幹細胞化するという仮説をバカンティ教授と共に組み立て、検証しようとしていたのだろう。ただ、Oct4を発現しているように見えたのはやはり自家蛍光では。赤色蛍光のフィルターを使ったり、直接スペクトルを解析する方法などについても触れられているが自分で確認していないような書きぶりだし。

    彼女の見つけたSTAP現象(おそらくは自家蛍光)を示す細胞塊が誰かの手によってES細胞にすり替えられ、新しい万能細胞として脚光を浴びることになった。すり替えたのは誰なのか、本書では若山照彦が犯人だと言わんばかりの筆致ではあるのだけれど既に死人もでた以上、真相はこれからも藪の中だろう。あるいは誰かの遺書という形で暴露されるか。

    一番印象に残ったのはやはり笹井芳樹という人の優秀さだ。ネイチャーには何度も通っているけどここ数年はリジェクトされたことがない、載るだけでなくカバーを取れないとちょっと悔しい、というのはちょっと次元が違うというか、一度ぐらいこんなことを言ってみたいものだとも思う。政治的なことなどドロドロしたことも多いようだが理研は理研、さすがの人材が揃っている

著者プロフィール

千葉県生まれ。早稲田大学、同大学大学院、東京女子医科大学先端生命科学研究所、ハーバード大学医学大学院、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)で研究に従事。2014年12月、理化学研究所を退職。著書に『あの日』がある。

「2018年 『小保方晴子日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小保方晴子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×