ブラック・ドッグ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 212
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200158

感想・レビュー・書評

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  • 極端に儲けるためにペットを’生産’する【アヌビス】。動物愛護を大義として得体のしれない動物を操りテロを起こす【DOG】。ストーリーは閉鎖された会場で、襲い来る巨大な犬のような動物から逃げ惑う(グロい)パニックホラーです。背景をしっかり持った登場人物が多すぎて、メッセージとしてたくさんのことを詰め込みすぎたような気がしますが、いろいろなことを考えながら一気に最後まで読まされてしまいました。いわゆる「動物」と「人間」との間に引かれた線について、人として生まれたからにはもっと考えなければいけないのでしょう。

  • 犬好きにはショッキングな内容ではないでしょうか。人間に作り出され愛玩される為の犬を全否定する本なので、現在進行形で飼っている人は精神的に削られます。繁殖させられて、規格にそぐわないと弾かれる子犬というのは想像するだけで悲しいです。でもそれが現実なんですよね・・・。

    所謂動物愛護団体の過激な部分を抽出したような組織が、人間社会自体をぶっ壊そうとする話ですので、よくある社会派アクションのようなカタルシスはありません。こりゃ死なないだろうと思う重要と思われるキャラクターもバンバン死にます。相当えぐいので合わない人はホント合わないだろうなと思います。

  • 面白かった。続くのかな?でもそれはもういいかな。ここで終わりで。

  • 環境テロリストによる、殺戮を描く。
    パニックサスペンス。

    プロローグで動物倫理的な考えと、現代商業的な一般論がディベートを交わすが、本編始まったらそんな思想的なテーマを訴えることは多くなく、少し肩透かし。

    パニックものにしても惨殺が描かれるものの、爽快なカタルシスも少なく読後感はよくは無いかな。

  • 記述トリック手法は禁じ手とするスタンスなので腹も立ったし、ラストの収束はあんまりだとも思ったが、ペット問題の現状にあまりにタイムリーで、かつ、アベンジャーズインフィニティウォーなど、やけにエンタメでテーマ化されがちな功利主義をそのまま持ってきてるところがよくて、まあビュンビュン読めた。ピーター・シンガーは既知。いつか誰かが小説化すると思ってた。

  • 遺棄動物の譲渡会とペット販売のイベントに集まった、隆平、栞、結愛と拓人たち。過激な動物愛護団体<DOG>によって会場に閉じ込められた彼らは、謎の黒い獣に襲われ、逃走を開始するが…。

    密室で謎の動物に襲われるパニック小説。誰がどこにいるか位置関係がわかり辛く、全体的に冗長という感じ。通勤時間をつぶすにはいいけれど、それほど面白くはなかった。
    (Ⅾ)

  • 種差別の根絶を目指す団体が起こすテロの話。
    物語的には「お前だったのか」的な展開があったり、生死をかけた避難劇の中での葛藤があったりしてまあ良い。
    ただ、犬の生態学的に納得いかない部分が多々あって楽しめなかった。

  • 『絶叫』『ロストケア』に続いて読んだ葉真中顕氏の作品だが、今回も期待を裏切らないストーリーだ。最後まで、出てくる登場人物がほぼ全て、殺されてしまう。女性だろうが男性だろうが、子供だろうが、赤ちゃんだろうが…。そして最後に残ったのは…。実際にはあり得ないとは思うが、本当にそうだろか?とふと心配になってしまったが、それにしても余りにも簡単に人を殺し過ぎだと思うのだが。

  • ハードカバーで読みましたが、どんどん惹き込まれて一気読みしちゃいました。
    設定は非常に面白いが、若干描写がグロい。
    可愛らしいエンジェルテリアってあの犬のことかなぁとか思いつつ、実は身の回りでもそんなことが起こっているのではと少し怖くなりました。
    ロスト・ケアでもものすごくリサーチされる作家さんだなと思っていましたが、今回はもっと幅広い領域で且つかなり深掘りをされていました。
    自分に当てはめてみると、どっちの立場にいるんだろうと考えさせられるが、きっと都合よく解釈しつつ、うまく自分自身を納得させるんだろうな。
    自分だけ良ければという考えは、絶対にあかん。でも家族だけはなんて風に利己的に考えちゃうんだろう。
    人間ってやっぱり弱いんだな。

  • 導入部分は良かったけど、中盤以降は混沌としてしまった感じです。

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著者プロフィール

葉真中顕

1976年東京都生まれ。2013年『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー。2019年『凍てつく太陽』で第21回大藪春彦賞、第72回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。

「2022年 『ロング・アフタヌーン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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