住友銀行秘史

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著者 : 國重惇史
  • 講談社 (2016年10月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201308

住友銀行秘史の感想・レビュー・書評

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  •  住友銀行の取締役から、楽天証券を経て、楽天をセクハラで追い出されという波乱万丈人生。人事抗争の姿を実名とメモで明かす暴露本。読んでいて、本当にこういうモラルのない、自己正当化してしまう人物に大企業の経営を任せなくてよかったなと思ってしまう。メモを効果的に使って、ドラマティックな仕上げ方をしているが、実際のところはこんなもんではない。メモを作ったのも、やめる前提だったことさえ匂わしているが、取締役に同期トップでなったとか、自画自賛の文章が並ぶ。物書きなら、こんなことは絶対ないだろうけれど、最後までついてきてくれる人、慕ってくれる人がいないことを暴露しているようなものだ。
     人事をめぐる戦いという意味で、真実があるとすれば、内部告発をマスコミにしたのは私だ。というところだろうか。なぜ告発という手に打って出たのか。イトマン事件の背後にあるのが、住友銀行の頭取とイトマンに繋がる不正であったとするなら、やはり腐っていると言わざるを得ない。なぜ取り込まれるのか、悪の道とは頭取という5万人のトップでさえも抗えない力を持っているということだ。気品にあふれと高潔であること、語学も堪能で、明晰な頭脳と判断する勇気を持っていること、ビジネスにおいても公明正大、まっすぐにやる、逃げないというメッセージが心に響くこともある。それくらい、まっすぐに立つということが難しい時代なんだろう。

  • 1990年、バブル真っ只中の日本金融界で起こったイトマン事件。本事件は経営不振のイトマンを立て直すために住友銀行から派遣された河村社長による不正経理事件だ。莫大な負債を隠すために絵画取引を利用するなど、当時としてはその意外な手段が注目された。

    一躍時の悪役となったイトマンのメインバンク住友銀行はこの事件をどのように片付けたのか。著者は当時の住友銀行員でありながら、銀行を守るためにその事件を匿名で世間に暴露し、事件解決に奔走した。それから20年以上を経て、著者は当時の詳細な業務メモをもとに事件の真相を語る。

    本書の多くは断片的なメモを並べているだけで、正直、読み物としてはおもしろくない。すぐれたゴーストライターを付けてほしかった。また、「住友銀行秘史」と言いながら、結局イトマン事件のことしか触れないって、どうなの。

    とはいえ、住友銀行によるイトマンへの会社更生法適用失敗から、XデーならぬZデーのイトマン取締役会での社長退任動議のクライマックスは読み応えがある。

  • 読んで後悔。事件のことより「自他共に認める10年に1人の逸材」だの「上司や会社のためではなくただ真実を知りたいだけ」「俺が動かなければ被害は5000億で済まなかっただろう」といった自慢フレーズが頻発。「秘史」というからには根拠や証言を示してもらいたいがそれはなく、あるのは自分のメモだけ。自己陶酔をベースに都合良い部分を激動の経済ドラマ風に書き起こしたものであり、がっかり。

  • 住友銀行当事者の一人によるイトマン事件の内幕。ずるずると闇の勢力に食い物にされてく銀行の体たらくが描かれる。
    備忘録のメモと70才のお爺ちゃんの記憶に基づくものなので、かなりとっちらかってる。イトマン事件の概要を他の本で掴んでないと読むの厳しい。

  • 住友銀行で取締役まで勤めた著者が若かりし頃のメモをもとに書き起こしたイトマン事件ノンフィクション・ドキュメンタリー。イトマン事件自体は、僕の記憶にも明確に残っているのだが、なにぶん世間を知らない年頃だったため「なにが何だかよく判らない事件」という印象しかなかった。そのせいもあってか、いまさらその内情を暴露されてもさほどの感銘はない。著者の筆も、ノンフィクション向きではなく、まあ 70の爺さんが書いた雑文という印象。

    しかし、住友銀行という巨大企業が一会長、一副頭取の私物として喰いものにされ、シテ筋や地上げ屋が公然と日本ビジネスの登場人物となり、株主総会と言えばヤクザが仕切るのが当然とされていた時代背景は生き生きと描かれており、ただただ唖然とするばかりだ。日本の金融業界は、当時と比べれば遥かに透明性があり、一般投資家保護の仕組があり、暴力団組織との縁も薄くなってはいるが、しかし、その本質は何も変わっていないのではないかと思うことも時折あり、背筋が寒くなることもしばしば。

  • とても興味深く読めた。一流大学を出て、一流企業に勤めても欲と保身の塊である事が良くわかる。日経新聞の記事が企業や官庁の意向によって、記事として掲載されたり、されなかったり、癒着ではないかと思った。

  • 90年5月に日系新聞がスクープしたイトマン事件
    当時の住友銀行の部長がイトマン社員ふりをした内部告発がきっかけ。目黒雅叙園と全く関係のない雅叙園観光を使った単純な詐欺。住友が店舗拡大の為の平和相互銀行の買収
    住銀の天皇である会長。頭取争いレースで多額の数千億の負債処理がないがしろ。
    イトマン事件のあと、筆者は大阪(本店)へ転勤
    そのまま東京には戻らず
    頭取になるには、何もしないことだ
    それは、自分はいやだった

  • イトマンと住友銀行の疑獄事件のメモ。権力を持つと腐敗するか。

  • 読みにくかった。20年以上前の経済疑獄事件の記録。著者が本業そっちのけで記録し続けたメモを再構成。腐った会社のどうしようもないおっさん達の悪あがき記録。バブルの腐臭。

  • 図書館で借りた本。著者の自己顕示欲とエリート意識が散りばめられてるが、内部資料として読むのには良いのかも。銀行も派閥争いから出世の道が左右されてしまうのは昔からだなぁとしみじみ。という所から始まり、イトマン事件を住友銀行側から見た内容。不動産絡みにいる裏社会の人間達。金貸し業はそういう人間とも絡まなきゃいけないのは仕方ない部分もあるのではと思う。

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住友銀行秘史の作品紹介

大蔵省とマスコミに「内部告発状」を送ったのは私だ。
実力会長を退陣に追い込み、上層部を動かし、
わが住友銀行は生き延びた。
そのなかで、行内の人間関係が露になり、
誰が本物のバンカーなのかもわかってきた。
いま明らかになる「イトマン事件」の真実、闇社会の勢力との闘い、銀行内の激しい人事抗争ーー。
四半世紀の時を経て、すべてを綴った手帳を初公開する。

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