- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062616522
感想・レビュー・書評
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本の装丁も大事だなと思った一冊。悪くはないのだけど、タイトルと表紙を見て、私はなんとなく、アメリカンネイティブのシャーマニズムの伝承に関係した話だと思い込んでしまっていた。
全然違いました。
前半はSF〜ホラーチックで、ありがちな設定なのだけれど、後半の展開が素晴らしい! 記憶は力、生きる力の源なんだよね。私を前へ進ませてくれるもの、苦しい時に私の心を温めてくれるものは、記憶、思い出、そこから生まれる力なんだよね。そのことに気付かされたときにすごい衝撃を感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
考えさせてくれます
行き過ぎた平等とは
管理社会とは
統制されるとは
家族とは
コミュニティーとは
自由とは
色があるとは
空があるとは
大地があるとは
生き物たちがいるとは
生きるとは
愛とは
人間とは
読んでいる間
読んだ後も
いろんなことを
抱かせてくれる
一冊です -
英単語を推測しながら原作を読んだ時のことを、日本語で読み進めながら思い出した。コミュニティ や ユニット、リリース という、日本語に訳さず無機質に感じさせるカタカナが、さらにこの「平和」な世界の恐ろしさを表現していると思う。特に、子どもは読んでいくうちに意味がわかってくる感覚かも。中学生向け。
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一番多感な時期に読んだせいか、この物語の世界観にすごく引きずられて生きている自覚がすごくある。それくらい影響を受けた本。世界の捉え方というか、幸福についての考え方を一番最初に意識したのかな、と。
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selected by NeiNei (US)
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人生を国のトップに決められている国に住んでる少年がギバーという役職に選ばれて、いろいろなことを体験して自分住んでいる国がおかしいと思い逃げ出すところがハラハラしました。
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きのう読了。ロイス・ローリーは読んだことあったかしら。
設定と主張はまあわかる、けれど、それほど作り込まれている感じはしなかった。〈記憶を伝える者〉と〈記憶を受けつぐ者〉以外の職のことがそれほど描き込まれず、コミュニティ全体がどう機能しているかが曖昧だったせいかも。「色」とか「音楽」のことは錠剤がキーなんだろうと思うけど、肝心の「記憶」はどういうシステムになってるんだろう。喪われた大切なものとして「家族」と「愛」を無批判に称揚するのは、ちょっとなぁと思う。
終わり方も、オープンエンドというよりは作りの粗さのせいな気がしてしまった。もうちょっと丁寧に書いてほしかったな…。