- Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062632973
作品紹介・あらすじ
首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。
感想・レビュー・書評
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これはまた…新しい空気。
とても好みな作品です(♥ω♥*)
私の大好きな「黒死館殺人事件」テイストの世界観。
言葉使いも詩的なやりとりも、雰囲気が独特。
ヨーロッパの血を引く血族達と探偵や刑事が見守る中で次々と起こる事件。
これは「推理小説」や「探偵」小説が大好きな人たちが陥る「先入観」を巧みに利用した傑作だと思いました。
なんて言えばいいんだろう…とにかくクセが強い。笑
これはこの世界ではアリなんだなと納得せざるを得ない、摩耶ワールド全開。
遊び心満載で凄くいい!
好みが分かれるかと思いますが、私、大好きです。
続編も是非読みたい!❀.(*´▽`*)❀.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
'23年6月12日、Amazon audibleで、聴き終えました。麻耶雄嵩さんの「メルカトル鮎」シリーズ、初です。
何度もアタックして、挫けてましたが…「蛍」読了を機会に、ようやく。
正直、「何だこりゃあ!」でした。だってさ…(눈‸눈)
以下、ちょっと「ネタバレ」になるかも…ご注意ください。
①まず、メルカトル君!本作における、存在意義。ねーだろ?
②あと、木更津探偵が解き明かす、密室トリックのタネ!そりゃ、無理だって(ヘ・_・)ヘ┳━┳
③他にも、言いたいことは、あります…エピローグ、でっけえ風呂敷広げたなぁ、とか…シリーズ二作目、どう繋ぐの?とか(まさか、『彼』が、メルカトルに?)。
発表当時の衝撃度とか評価とかは、知りません。一歩間違えると、「バカミス」まっしぐら!ですよね( ・ั﹏・ั)
でも…
少なくとも僕にとって、本作は、とても面白かったです!「バカミス」スレスレの、この「どーにもならない」感じ!とても魅力的でした!アッパレ!笑いながら、感心(个_个)ウオアハハ(☞゚∀゚)☞
レビューによると、シリーズ二作目は、さらにガチャガチャな問題作、らしく…楽しみです! -
著者のデビュー作ながら、既に麻耶ワールドというものをこれでもかと見せつけられる怪作。
アンチミステリであり、多重解決ものでもあるのですが、それぞれの推理がもはやコメディの領域で、あまりにもぶっ飛びすぎて読んでて笑ってしまいましたw(とくに3つ目のアレ)
そして最後に明かされる衝撃の真実も驚愕の一言!
いやぁ凄いのを読んだなぁ(しみじみ)
あとこの作品は、日本三大奇書のひとつである「黒死館殺人事件」のオマージュが各所に散りばめられていて、読んでいてニヤッとした(ラストなんかそのまんまだし) -
先に他のメルカトル作品を読んでいたので、それに比べるとやや劣るが、なかなか面白かった。「メルカトル鮎最後の事件」っていうほど本人は登場しないよな。
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探偵の元に届いた脅迫状めいた手紙、赴いた怪しげな館では既に密室の中で2つの首無し死体が発見され、さらに探偵の目の前で繰り返される殺人と物語の材料だけ挙げてみればオーソドックスなミステリーなのに、ここまで異色の話に仕上がるのかと驚いた。
作中で語られるペダントリーは虚実ないまぜになっていて、それもこの小説の異質さに寄与している。
タイトルにある名前からして既に常人でない気配が漂うメルカトル鮎が登場するのは話がかなり進んでからで、それまで探偵役だった木更津はどう退場するのかと思っていたらなんと木更津は自らの推理とまったく違う現実を目の当たりにし、山に籠るため(山に籠るって!)に館を去ってしまった。入れ替わるように現れたメルカトルはエキセントリックな言動にとどまらず、木更津を犯人に指名したかと思えば首を切られた死体として発見される。このあたりからの展開のダイナミックさと解決編の破天荒さはなかなか味わえるものではない。
山籠りから帰ってきた木更津の提示する推理に対して、それは本気で言っているのか!?とツッコミを入れながら読んでいたら最終章でそれまで語り手に徹していた香月がすべてをさらっていく展開にはもう笑うしかなかった。
合う合わないはともかくとして、ミステリーという枠そのものに対して挑戦したいわゆる古典的作品(まあこれも30年くらい前の作品なのだけど)にない刺激は間違いなく得ることができる類の作品だと思う。 -
麻耶雄嵩さんデビュー作。
新本格派を堪能しました。
登場人物のキャラクターも楽しめました。
シリーズ楽しみます。