- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062633499
作品紹介・あらすじ
図書館を訪れた「私」は、いつの間にか別世界に迷い込み、探偵天下一になっていた。次々起こる怪事件。だが何かがおかしい。じつはそこは、「本格推理」という概念の存在しない街だったのだ。この街を作った者の正体は?そして街にかけられた呪いとは何なのか。『名探偵の掟』の主人公が長編で再登場。
感想・レビュー・書評
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最後がとても気になる終わり方。
果たしてこれは著者自身の心情をのせたものなのか、あくまでフィクションとしての作者の終わり方なのか。
名探偵の系譜とはいえ前作とは一味違った内容でどうなっていくのだろうと思いながら読み進めた。 -
何だか、ご自分の若い頃を懐かしがって書いてるのかなって気がしますが、こりゃまた奇想天外なアプローチですなぁ。物語としては当然ながら面白いです。天下一探偵シリーズってことだけど、単独ものとしても充分面白いです。
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単純なメタミステリーとして読むとそこまで惹かれなかったかもしれないが、本格ミステリーの王道である「密室」ものでデビューした著者の本格ミステリーに対する葛藤とそれと同じくらいの愛情を感じ、「『名探偵の掟』に対するアンサーというより、本格ミステリーは時代遅れではないかという思いと、それと同等の本格ミステリーへの懐かしさと愛を書きたかったのではないか。」という感想が浮かんだ。
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前作『名探偵の掟』のような感じを期待して読むとガッカリしてしまう人が多いだろう本書。東野氏の本格への愛が詰まっていて、私のような本格ファンには、頻繁に再読はしないけれどもそっと自分の本棚にしまっておきたい大事な作品。本格から入ったくせにだんだんバカにするようになり、斬新な手法のミステリを求めつつもまた一周回って好きであることを再認識する。この過程が同じ道のりを辿った読者の胸を打つのではないだろうか。
録画しておいた剛くんの金田一のドラマ観なくては。 -
『名探偵の掟』の姉妹編といえる本書。“掟”が短編だったのに対し、本書は長編です。
小説家の“私”がいつの間にか別世界に迷い込み、“探偵・天下一”になっている・・という、『名探偵の掟』とはまた違う世界観でした。
パラレルワールドのような、この世界では“本格推理”という概念が存在せず、そんな街で次々と起こる怪事件に挑む“探偵・天下一”。そしてこの街を作った“クリエイター”とは・・?
という、東野さんならではの軽快な運びでサクサク読めます。
前作はどちらかというと“本格推理”を揶揄するような印象でしたが、本書は“それでも、何だかんだで本格は面白いよね”という感じになっています。
私もクラシックな本格ミステリを愛読しているので、封印しないでほしいです。
ついでながら、ラストの勿忘草のくだりが心憎くてほっこりしました。 -
東野圭吾さん『名探偵の呪縛』
割りと最近読んでいたけれど、流れに従って再読。
「掟」があって「呪縛」がある。順番に沿って読むとより楽しめた。こちらは皮肉をまたも逆手に取った本格推理的小説で、そう来るか、という捻りに納得。
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なんだこれ?っと思った作品。著者が主人公として登場し、過去に自分で作り上げた世界に入り、次々と起こる殺人事件のトリックを解きながらこの世界に封印された本格推理小説を見つけるという話だが、面白いのは本格推理小説を封印したのは作者自身であり、この小説を通して作者の心境の変化が感じられるところである。
また、作者である東野圭吾氏の考え方が垣間見得たようで面白かった。 -
本格推理をこんな大掛かりな仕掛けで批判するか~って思うと同時に、これが成立するくらいの魅力が本格推理にはあるんだなって再認識した作品。
「この街には本格推理がない。新しい話だ」ってなってたけど、こういう書き方、視点がされる話も面白い!