童貞 (講談社文庫 さ 56-2)

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  • 講談社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (146ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062636889

感想・レビュー・書評

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  • 当時の「凶悪極まる女系社会」の怖ろしい習慣とか、そこの出身である「シャのシィのユウ」がいかにそこから負け出て、いろいろあったはてに田舎をぼこぼこにし、そして川そのものをこますか、といふナニは大変面白い。
     古代の支那みたいな国では、パオンは出るよな。

  • 不思議な物語です。150ページほどの掌編。一気に読ませてくれます。
    巻末の作者蛇足に寄れば、この作品は夏王朝の成立の秘話ということになります。いかにもそれらしい、伝奇性に富んだ作品でした。
    欲を言うなら、もう少し書き込んで欲しかったかな。なんか飄々として。もっともそれが酒見さんの持ち味なんでしょうが。

  • 酒見さんの本が読みたい!
    きっと面白いにちがいない!!
    と思ったけど
    面白いというか一気読みはできたけど
    面白くはなかったかなぁ

    まぁタイトルからして(笑)
    深いんだろうけど深く読めなかったので
    とりあえず
    なんか
    アチャーってはなしだった(なんだそりゃ)

  • (1998.07.05読了)(1998.01.15購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    女たちに支配されたその邑で河の神の気紛れな犯濫を治めるため治水事業に立ち上がった男がいた。生贅にされることを拒み女たちに逆らってこの難事業に挑むが失敗し処刑される。この光景を心にとどめ女たちへの復讐を決意した少年がいた。男にとって女とは何か。古代史の世界に男の生きる姿とロマンを描く。

  • 【英雄たるシャのシィのグンは女に殺された】

    多分読んでいない人にとってはなんのこっちゃいってな感じでしょうが。
    私は何故かこの一節にはじめて読んだ時ドーンと来てしまった。

    女によって支配された邑では河の氾濫を治めるために生贄として毎年数人の男と牛羊が沈められる。
    その生贄を拒み川の治水事業に立ちあがった男がいた。

    しかし失敗し処刑される。

    その光景を心に刻み込み密かに女に復讐しようと決意した少年がいた・・・。



    主人公は少年で「英雄たるシャのシィのグン」は冒頭で処刑される。
    読み始めからいきなりセンセーショナルなのだ。

    酒見さんの本はどれも冒頭が良い。

    普通の小説だと徐々に物語に入り込むけれど
    酒見さんは兎に角いきなりグッと掴まれるから離れなれない。
    だから止められないし止めないし何度も読んでしまう訳です。

    最後の最後で解る人には解る仕掛けがあってそれでまた何度も読んでしまう。

    最初も良くて終わりもよい。

    気づけば私は酒見フリークです。

  • 古代中国。まだ文字もない時代。
    その邑は女が支配階級となり、男は従属し、大河の洪水を治めるために、毎年いけにえとして捧げられていた。
    その邑に生まれた男子シャのシィのユウの物語。

    読後にドラゴンクエストⅢのエンディング・メッセージが頭に浮かんだ。
    「そして、でんせつが、はじまった!」

  • 『後宮小説』酒見賢一の短編小説。150頁未満。

    女たちに支配された小さなむらで、一人の少年の成長を世界の創造的視野から描いた良作。

    やっぱりこの人は力があるなぁ〜。近年減少傾向にある“ものがたり”としての小説が楽しめる感じ。
    挿絵あります。さっくり読めます。

    安かったですが新品で買えば良かったと反省します。ごめんなさい。

  • 女性に支配された邑に生きるシャのシィのユウの話。
    最後の最後にシャのシィのユウについて漢字があてられていてやられたと思いました。
    まさか、あの人の話とはね。

  • 女性社会、女性上位の古代の邑。女性に逆らっては男性が生きていけない社会。
    その中で一人戦って破れたシャのシィのグン。
    その人に憧れ、その人を継ぐべくして戦いを挑むシャのシィのユウ。
    女系社会で「父親」の概念がない社会から、夫婦一対の社会が始まる。
    そんなお話です。
    この作者は、文章が大変お上手で、無理に難しく書かないので大変読み易く、とても面白いので「後宮小説」以来のファンです。
    勿論この本も面白く、タイトルを見て一瞬怯んだものの、無事読み終わりました。
    別にいやらしい小説ではありませんので。念のため。
    タイトルの意味を書くと小説の面白みが薄れるかもしれないので、敢えてここでは書きませんが、面白いことだけは確かですので、興味がある方は是非どうぞ。
    この作家は中国ものを書く作家で、そちらの興味がある方も是非。

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