- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062639880
感想・レビュー・書評
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チートな主人公よりも死線ギリギリで策を凝らしながら勝ち進む主人公のほうが肩入れできるというのを再認識しました。
奇人変人シリーズのなかにあって技も精神も青臭い城太郎が七人衆を一人一人倒していく過程もいいけど、果心居士に拉致されてから松永を斬るまでの間にどういう過程をたどったのかも気になる。篝火を死なせた遠因が果心居士にあるんだからなおさら気になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全然知らなかったがこの本ってかなり昔の本なんだねぇ。なのにこんなに読みやすく書いてあるなんてこの作者すごかったんじゃないかと思ってしまった。
今回の中心人物の一人が松永弾正。名前はなんとなく聞いたことある大名だったけど、小説なんで話半分にしてもなかなかあくどい人だったんすね。弾正が好きになった主家の奥さんに横恋慕しただけじゃなくて、我が物にしちゃおう!、とか考えちゃうところからスタート。考えてたところを、妖術使いの弟子達が手助けしてさぁ大変、という話。
まぁ、毎度毎度よくもまぁ設定を思いつくなぁと感心しますわ。はい。 -
構成や流れが良く、頭の中で映像化すると
漫画みたいで退屈せず楽しめた。奇怪な忍術など斬新だった。
忍術は魔法のようなもので、詳しく物理的な理由が
無かったのが残念だったけど、まあいっか。
最後の主人公の復讐像がちょっとフンワリしてた。 -
忍者同士のバトルを盛り上げる「能力」の演出。
敵の下劣さを鮮明にする卑猥な行い。
主人公の葛藤に同情せざるを得なくする悲劇の設定。
面白くないわけがないじゃないか。
山田風太郎は偉大です。 -
忍者がかっこいい作品
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一人で多勢に挑むという設定で目先を変える。しかも主人公、そんなに強くない。入れ替りトリックなど、ミステリテイストあり。ラストの処理など見事。
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忍法帖はたまに読みたくなる。これは去年読んだ。
「伊賀忍法帖」は首がすげかわってしまうんですよ。おどろおどろしいです。何でもありなんです。忍法帖って。 -
一気に読めるスピード感とエロチズムに溢れた情景描写と構成。気軽に読めて、しかも、また読んでも愉しめます!ムズムズしちゃう場面がいっぱいですね。
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二人のそっくりな女…からさらにもう一人の女が加わる事によって、状況が思わぬほうへと転がっていく様がおもしろい。
漁火と篝火の二人で出来上がった、美しく聡明で豪胆で淫乱な女が壮絶でした。
若く荒削りな主人公が、自分よりずっと上手の相手に挑む復讐劇も楽しいです。
歴史的事実との辻褄合わせがいつもうまくて、最初に出てきた予知能力が最後の結末にこういった形で関わってきたのが意外でした。
だれもかれもがかっこよかったです。 -
自らの邪恋を成就させるために根来忍法僧の力を借り、美女狩りを行い始めた戦国初期の奸雄、松永弾正。
伊賀忍者・笛吹城太郎の妻である篝火はその犠牲になってしまう。一命を取り留めた城太郎は七人の忍法僧達への復讐を決意するが、彼の前に篝火の面影を残す魔女と聖女が現れる―。
相変わらずの面白さです。
私的には忍法帖シリーズの中で上位に入ると思います。
同シリーズには珍しく戦国初期を背景としています。
淫石とか、根来忍法僧たちの忍術とか、物理法則を無視しつつも妙な説得力を持ってきます。山田風太郎節とでもいうのでしょうか。さすがです。
若干ややこしく感じましたが、ただの二元的な対立ではないところが、最後まで緊張感を持たせているのではないでしょうか。
お勧めです。