魔界転生(下) 山田風太郎忍法帖(7) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (542ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645430

感想・レビュー・書評

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  • 伝奇界最上のエンターテインメント!
    収束のさせ方も素晴らしい!

    転生衆の悪逆非道っぷり、
    十兵衛の強さと飄々としている感じ、3女子の健気な愛らしさ。
    そして呆気無く(でも勇敢に)果てていく柳生衆。
    どのバトルも見応えがある。

    主人公側の良さは良いとして、
    悪側の悪辣っぷりはほんと見応えがある。
    最近、ダークヒーロー的な悪役が多くて、
    すっきりした勧善懲悪ものってあんまり見ないから、
    ここまでやってもらうと非常にスッキリ感があります。

    悪役の描き方って難しいけど、
    W主人公のつもりで書くんじゃないなら、
    文字通り屑でいいんですよ!

  • これぞ時代ものエンターテイメントです。
    戦闘シーンの展開が早く目まぐるしく過ぎていくので、『えっ今何が起こったの?』という事がしばしばあり(笑)、読み返したりしながら読み終えました。
    ラストが割りとあっけなかったです。面白かっただけにもう少し余韻に浸りたかった気もします。

  • 命尽きるまさにその時、生への強い執着を持ちながら愛する女と交われば、同じ姿でもう一度この世に生まれることができる……「忍法魔界転生」!!

    この恐るべき忍法によって転生したのは天草四郎時貞、荒木又右衛門、宮本武蔵、田宮坊太郎、宝蔵院胤舜、柳生如雲斎利厳、柳生但馬守宗矩の7人。
    この転生衆の背後でさらに森宗意軒、紀州大納言徳川頼宜が天下を狙って蠢いています。

    そしてその強敵達に立ち向かうは、柳生十兵衛三厳!!

    それぞれが主人公になれるほどの大物達を、こんなに寄せ集めて戦わせちゃうのがすごい。
    時代が違うけれどあの人とあの人が戦ったら…とか、あの人たちが手を組んだら…とかいう想像を実現してくれました。
    いくら登場人物達がすごくても、それを活かしきったおもしろい小説になるかどうかが心配ですが、そこは流石、山田風太郎です。

    上巻は7人の転生するまでの物語が主軸。
    肉体と技だけでなく、心までも鍛えぬく忍耐の人生を送ってきた7人が、敵の巧みな誘惑によって生と性への欲望を爆発させる死に際が壮絶。
    生前が賢者であっただけに、転生後の欲に忠実な堕落した姿は恐ろしくも悲しいです。

    下巻から十兵衛と7人の戦いが本格化しますが、どの戦いも大盛り上がりなので、1ページ1ページ、1文字1文字に興奮しっぱなしでした。
    常にピンチで常にぎりぎりの死闘。
    そして、われらが十兵衛がヒーローとしてかっこよく戦っていく爽快さとは別に、柳生十人衆の献身が悲しい。到底適わぬ強大な敵を前に一人ひとり虫けらのように散っていく姿に胸が痛くなります。

    とにかく柳生十兵衛という男が魅力的でした。
    これだけの大騒ぎを起こしながらの最後の収集の仕方も流石です。多くの戦いと死を迎えた後の、寂寥感溢れるラストに満足のため息がこぼれる傑作でした。

  • なんと言っても、決闘シーンが白眉(とくに武蔵との対決は凄いな)。長い話だが、主人公の魅力で引き付ける。

  • あ〜、もう何回読んでも面白い!昨今のネオ時代小説だのニューウェーブだのいくら読んでもこのドキドキ感は無い!…悲しいけど。

  • 再読。いよいよ本格化する転生衆との死闘に大興奮。名だたる剣豪たちに対する柳生十兵衛の知略謀略や、対決の場の濃密な内面描写も見所。
    虚しさすら感じさせるラストの余韻も素晴らしい。

  • 5月21日、5回目読了。

  • 千葉真一と沢田研二の映画を見てるし、柳生十兵衛が登場人物で山田忍法帖では最高傑作との評価もあるらしく、期待して読んだが、確かにそれなりに面白い。「それなりに」とやや引いたのは、最近読んだ「柳生忍法帖」とパターンが似てること、敵味方関係なく人が死にすぎるし、妖美という表現になるんだろうが抵抗を感じる描写も多い。完全に好みの問題でしょうね(笑)

  • 恐ろしかった。それでいて、記憶に残り、数年後、別の本を導いてくれた。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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