文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (984ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062649612

感想・レビュー・書評

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  • 古本屋にて分冊文庫版の上巻を買ったが、‪中が見つからず結局こちらを購入し、読了。

    合間の榎木津さんに、相変わらずニッコリしてしまう。朱美が民江なのではと疑ってはいたが、流石に真相には辿り着けず……。木場さんの結論を急く気持ちがとてもわかったけど、京極堂のあの感じがやっぱり好きだなぁと思いましたね。

  • 再読
    要約すると、ありがたいしゃれこうべを愚かな人間が奪い合い勘違いをし幾多の命が失われた。人間の業の深さたるや。信仰心を持っていても救われないこともあるのだと思いました。朱美は最後まで美しかった。

  • 姑獲鳥 魍魎に続いて10年振りくらいの再読。

    前二作より読み終わるまで期間が長かった。
    蘊蓄が難しいんだもの。
    初めて読んだ時はだいぶすっ飛ばしたのか、理解力がそこまでなかったのか。狂骨は前二作以上に内容を覚えてなかった……(笑)
    それだけ今回再読して噛み砕いて読んだら面白かったですが。
    それにしても毎度の事ながら風呂敷広げすぎて「いやいや収集つかないだろ」ってネタを一気にぎゅっと束ねる展開がすごい。
    できればラストの事件解決の時に「※○○ページ」みたいにその場面や伏線を読み直せる注釈欲しい(笑)

  • 前二作は映画→原作の順で入ったので、本当の意味でのシリーズ初体験は本書になるのかもしれない。某登場人物の正体は大凡予想がつくが、そこに至る迄こうも複雑なプロットを経ようとは全く予想もつかなんだ。前作より物語のスケール感は落ち、代わりにミステリー要素は増したものの、それにより冗長さが際立ってしまった印象も。こうなると次作の頁数にゃ心根が怯むってもんです。従来の宗教的要素に加え、精神分析学も大きく絡む本書、狂信的になればなる程【信じる者は救われる】が、果たして其の信仰の頂に自我は欠片でも残存するのだろうか…?

  • このシリーズ全般で一番いいと思うのは、二次大戦終戦直後、という舞台をきっちり描写し、フルに活用している所。特にこの話は、この年代でなければ成り立たない、この年代を舞台にしているからこそ、という、カッチリ感が好き

  • 約20年ぶりの再読。内容は全く覚えてなかった。複数の事件が一つに収束していくのが気持ちいい。宇多川朱美は民江じゃないかという疑いはずっと持っていたし、伊佐間と話すときの朱美と教会での朱美の口調の違いに違和感を持っていたのに、朱美が二人いるとは思いもよらなかった。気持ちよく騙された。

  • 神道・仏教とか日本の民俗学的な知識が豊富な京極夏彦かと思っていたら、今回フロイトやキリスト教の話まで出てきて、
    この人どんだけ知識広いんだ!?と驚いた笑笑

  • ラストは一気に読みました。最初、いつになったら関口くんたちは出てくるの?200P超えたけど?と不安になってしまった。ちゃんと出てきてほっとしました。今回はバラバラだった事件が髑髏によって繋がっていくというお話で、一つの髑髏があらゆる人たちの人生を狂わせたり、夢を大願を託してたり、そういうのを秋彦が、骨を組み立てて肉付けしてってるって感じが最高でした。あと、降旗くんを連れてきた木場ちゃんに対して秋彦が「関口くん人見知り激しいから知らない人いたら泣いちゃうでしょ」って言うシーンに笑いました。秋彦、関口くんのこと赤ちゃんか何かだと思ってるレベル。とにかく今作も面白かったです。次は鉄鼠!

  • 最後の方に憑き物が落とされていくところの爽快感が、本とは思えないほど良かった。
    百鬼夜行シリーズで一番好き

  • 骨と夢をめぐる人々の執着を背景に、戦時中の兵役忌避者殺害と8年後の鎌倉・逗子で起こる事件の顛末を描く物語です。

    物語の展開はほとんど無く、問題と解答、その背景を埋める因果と蘊蓄のみという極端な構成でした。

    今回は妖怪の知識だけでなく、心理学や歴史、古典世界にまで手を広げているため、一層スケールが大きいものでした。

    このシリーズ読み続ける読者は当然蘊蓄を楽しめる人間だと思いますので、そういう意味では充実した作品だったと言えます。

    犠牲を厭わない、倫理や社会性を踏み越えた願望の恐ろしさを見せつけられると普通が一番と思ってしまいますが、そう思っている人間の自我まで不安定にさせるのが、このシリーズの一筋縄ではいかないところだと改めて認識させられました。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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