- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062705783
感想・レビュー・書評
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メトロポリタン美術館にある贋作のゴッホの自画像と真作を入れ替えて欲しいとの依頼を受けた怪盗グリフィンは、国際謀略に巻き込まれていくのだった。
「かつて子どもだったあなたと 少年少女のための」と銘打たれたミステリーランドの1冊です。このシリーズどう読んでもマニア向けだろというのもありますが、今作は紛れもなく少年少女に読んで欲しい1冊ですね。これを法月綸太郎が書いているというのが驚きだったりするのですが。騙し騙され二転三転する、怪盗ものスパイものコンゲームの面白さが詰まっています。しかも実に軽やか。本当に法月綸太郎なのかと思うほどに。(いやまあ、だってねえ?)ドキドキワクワクの冒険小説ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっとユーモラスなハードボイルド。二転、三転の面白さ。
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ジュブナイル小説のミステリーランドといえど、甘くみてはいけない!
かなり面白かった
子供から大人まで楽しめる・・というか子供にはもったいない。
まるで、シャレた映画をみているようだった。
ハリウッドで映画化できるんじゃない?
子供騙しのようなタイトルに挿絵、登場人物の名前もふざけている。
バチアタリーノ・パストラミ・コフキーモ・・・なんだそりゃ
それでも、なめちゃいけない
本格的でお洒落なミステリです -
「まったく同じ形のものが二つある。片方が本物で、もう片方が偽物」
トリックのテーマはこれなのですが、出だしの美術館から次の話まですべてこのそっくりな二つのものに関するトリック、入れ替え、入れ替えられ、確認され、印をつけられ、だましだまされ・・・・・・ワンテーマでここまで引っ張られるのは大変面白いです。「このミス」に選ばれるのもわかります。
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架空の登場人物たちの名前は、いかにも子供向けといった感じですが、そんなことが気にならなくなるくらい、面白かったです。
騙し騙されの攻防が読んでいてワクワクします。“あるべきものを、あるべき場所に”というグリフィンの信条、いかにも“義賊”という感じだけれど、そこがまた素敵ですね。やっぱり怪盗たるもの、こうでなくっちゃ。また是非、怪盗グリフィンの活躍を見てみたいです。なので、続編を希望します!
ところでピーナッツについての数々の逸話、あれは全てフィクションなのかな?中でも“夫婦円満のおまじない”が、すごく素敵だなぁと思ったんですけれど…気になります。 -
講談社ミステリーランド第9回配本。ニューヨークに住む怪盗グリフィン。「あるべきものを、あるべき場所に」を信条とする彼の元に、メトロポリタン美術館のゴッホの自画像を盗んで欲しいという依頼が舞い込む。信条に反する依頼を断るグリフィンだったが、その絵は贋作だと聞かれされて…というのが第1部。第 2部の舞台はいっきにカリブ海。ボコノン共和国のパストラミ将軍が保管している「人形」を奪うというミッションだが、人形とは実は『呪いの土偶』で…。
陰謀、陰謀、また陰謀。怪盗の冒険活劇はスリリングで、小さな逆転から大きなどんでん返しまで、一冊で何度もひっくり返される。楽しいなぁ。子供向けのシリーズですが、真作と贋作の目まぐるしい逆転劇は大人もついてくるのがやっとのロジック。子供のころからこんな「英才教育」を受けたらミステリが楽しくてしょうがないだろうなぁと羨ましい。
ちょっとハードボイルドで洒落もので憎めない怪盗グリフィン。可愛い挿絵の効果も上々。法月綸太郎が生み出したこのジュブナイルは、後期クイーン問題で悩める姿など微塵もない、わくわくする快作に仕上がっております。英題を"The Caribbean Ring Finger"にしているのがまた心憎い。