怪盗グリフィン、絶体絶命 (ミステリーランド)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 291
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062705783

感想・レビュー・書評

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  • メトロポリタン美術館にある贋作のゴッホの自画像と真作を入れ替えて欲しいとの依頼を受けた怪盗グリフィンは、国際謀略に巻き込まれていくのだった。
    「かつて子どもだったあなたと 少年少女のための」と銘打たれたミステリーランドの1冊です。このシリーズどう読んでもマニア向けだろというのもありますが、今作は紛れもなく少年少女に読んで欲しい1冊ですね。これを法月綸太郎が書いているというのが驚きだったりするのですが。騙し騙され二転三転する、怪盗ものスパイものコンゲームの面白さが詰まっています。しかも実に軽やか。本当に法月綸太郎なのかと思うほどに。(いやまあ、だってねえ?)ドキドキワクワクの冒険小説ですね。

  • ちょっとユーモラスなハードボイルド。二転、三転の面白さ。

  • ジュブナイル小説のミステリーランドといえど、甘くみてはいけない!
    かなり面白かった
    子供から大人まで楽しめる・・というか子供にはもったいない。

    まるで、シャレた映画をみているようだった。
    ハリウッドで映画化できるんじゃない?

    子供騙しのようなタイトルに挿絵、登場人物の名前もふざけている。
    バチアタリーノ・パストラミ・コフキーモ・・・なんだそりゃ
    それでも、なめちゃいけない
    本格的でお洒落なミステリです

  • 「まったく同じ形のものが二つある。片方が本物で、もう片方が偽物」

    トリックのテーマはこれなのですが、出だしの美術館から次の話まですべてこのそっくりな二つのものに関するトリック、入れ替え、入れ替えられ、確認され、印をつけられ、だましだまされ・・・・・・ワンテーマでここまで引っ張られるのは大変面白いです。「このミス」に選ばれるのもわかります。

  • 怪盗グリフィンの元に送られた招待状。ゴッホの贋作を書き続けたチャールズ・オドラデクという人物の贋作を収集する富豪の依頼を受けたオストアンデル。ゴッホの贋作を展示しているメトロポリタン美術館からのすり替えを依頼されるグリフィン。贋作すり替え後に仕掛けられた罠。〈カンパニー〉と呼ばれる政府機関からの依頼。ボコノン共和国に侵入し大統領と共に革命に参加したパストミラ将軍が持つ盟約の証である人形の中に埋め込まれたマイクロチップの回収。呪いの人形を信じるボコノン共和国の人間。すり替えられていた人形。ガルバンゾー大統領の元にある人形。

  • 架空の登場人物たちの名前は、いかにも子供向けといった感じですが、そんなことが気にならなくなるくらい、面白かったです。

    騙し騙されの攻防が読んでいてワクワクします。“あるべきものを、あるべき場所に”というグリフィンの信条、いかにも“義賊”という感じだけれど、そこがまた素敵ですね。やっぱり怪盗たるもの、こうでなくっちゃ。また是非、怪盗グリフィンの活躍を見てみたいです。なので、続編を希望します!

    ところでピーナッツについての数々の逸話、あれは全てフィクションなのかな?中でも“夫婦円満のおまじない”が、すごく素敵だなぁと思ったんですけれど…気になります。

  • 講談社ミステリーランド第9回配本。ニューヨークに住む怪盗グリフィン。「あるべきものを、あるべき場所に」を信条とする彼の元に、メトロポリタン美術館のゴッホの自画像を盗んで欲しいという依頼が舞い込む。信条に反する依頼を断るグリフィンだったが、その絵は贋作だと聞かれされて…というのが第1部。第 2部の舞台はいっきにカリブ海。ボコノン共和国のパストラミ将軍が保管している「人形」を奪うというミッションだが、人形とは実は『呪いの土偶』で…。

    陰謀、陰謀、また陰謀。怪盗の冒険活劇はスリリングで、小さな逆転から大きなどんでん返しまで、一冊で何度もひっくり返される。楽しいなぁ。子供向けのシリーズですが、真作と贋作の目まぐるしい逆転劇は大人もついてくるのがやっとのロジック。子供のころからこんな「英才教育」を受けたらミステリが楽しくてしょうがないだろうなぁと羨ましい。

    ちょっとハードボイルドで洒落もので憎めない怪盗グリフィン。可愛い挿絵の効果も上々。法月綸太郎が生み出したこのジュブナイルは、後期クイーン問題で悩める姿など微塵もない、わくわくする快作に仕上がっております。英題を"The Caribbean Ring Finger"にしているのがまた心憎い。

著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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