- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062720038
感想・レビュー・書評
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心理学に携わる人からの質問に答えた企画。
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多くの方と同じく河合隼雄の著書とは古くから付き合いで、河合隼雄が流行った(?)80年代からかれこれ数十年な感じですが、多作だったこともありなかなか読み切れていません。
これは分析やカウンセリングにテーマを絞った対談集。戦いの記録でもあり、問いかけでもあり、河合隼雄らしい内容でよかった。 -
ユング派などなど、何度勉強してもよくわからなかったが、
河合先生がされていることをよんで、ほんの少しはわかった、気がする。
最近話題?のコミットという言葉(この本が出てきたのはそれより相当前だが…)の元の意味もおもしろかった。
子どもの夢は要注意、に関しては、
私自身うまく対処できなかった経験がある。
反省。 -
題名からイメージ、期待していた「人の心を理解するためのテクニック」とは違い、「心理療法家とはこんな仕事だよ」と言った感じの内容で少々拍子抜け。ただ、誰にでも分かりやすく平易な日本語で書こうとされてる事は文章から伝わってくる。
『教師の生徒に対する体罰がときどき問題になりますが、体罰と同じ厳しさ、強さを、体を使わずに、言葉と態度で表現できるようになることがかんじんです。それが父性を鍛えるということです。』p69より引用 -
心理療法家がどのような姿勢で、クライエントと向き合っているのか、さまざまなケースを例に記されている本。
心理学者というものは、全人格で患者と向き合わなければならない仕事だ。医者と同じように、患者の命をも左右する。スキルや知識を得ただけでは成り立たないし、多少の経験では心もとない。かといって経験を積まなければ高みに行けない。
「心理療法家は全体が見えてなければならないのです」とあるけれど、そんなに簡単に見えるものでもないだろう。 -
心の問題集&回答集!!
悩み、傷つく心を知ると、自分も他人も見えてくる!!
人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている「心の専門家」である著者が、「人の心とは何か」に心理療法の現場から答える!!
人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている者が、「心の専門家」である、と私は思っている。そのわからないことをそのままに捨ておかず、つねにそれに立ち向かっていなくてはならないのはもちろんであるが。これに反して素人は「わかった」と単純に思いこみすぎる。というよりは、「わかった」気になることによって、心という怪物と対峙するのを避けるのだと言っていいだろう。この書物はもともと心理療法をいかにするかという問題意識から出てきたのであるが、心理療法に関係のない、心に関心のある一般の方々が読まれても、おもしろいものになっていると思う。治療者とクライエント(相談に来た人)の関係を、そのまま家族や職場の人間関係に移しかえることはできないが、それらを考える上でヒントになることが、相当にあるのではないかと思う。 -
・第一章 私が「人の心」に出会ったとき
・第二章 日本人の心の問題
・第三章 心との対話法
・第四章 心がいま直面していること
・第五章 心の影と闇、そして新しい発見 -
中堅の心理療法家・カウンセラーたちから寄せられた質問に著者が答えるかたちで、心理療法のあり方について論じた本です。
本書を読むと、心理療法家の人たちが心の病を非常に広い文脈でとらえていることがよくわかります。たとえば著者は、長年の妄想が治った患者から、「年来の友人を失った心境」だという感想を聞かされたというエピソードを紹介しています。ここには、ただ妄想を治してしまえばよいというような単純な考え方ではなく、患者を取り巻く社会や患者自身の生き方といった広い文脈のなかで患者の症状を考えようとする姿勢がよく示されているように思います。
心理療法家やカウンセラーと呼ばれる人たちも、そうした患者を取り巻く広い文脈のなかでみずからのなすべきことを見つけ出していかなければならないことはよくわかりましたが、そうした心理療法家の役割が世間から十分に理解されていないことに対する葛藤もあることを教えられました。 -
人の心はどこまでわかるか の答えを期待して読んでは行けません(笑)。
たくさんの臨床家からの質問に著者が答える形式です。
臨床心理の現場以外でも役立つことが多いと思います。 -
タイトルから「人の心はどこまで・・・」なので
この問題を探求する一冊かと思っていた。
しかし、この本は心療内科の先生たちの経験を
語った一冊。
これを読む限り、医師の方が取り込まれてしまいそうだ。
非常に大変な仕事である。