とらえどころのない中国人のとらえかた――現代北京生活事情 (講談社+α新書)
- 講談社 (2007年1月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062724180
作品紹介・あらすじ
56の民族が共存する万華鏡国家を読み解く。なぜ、中国への好悪は両極端になるのか!?住んでみて初めてわかった彼らの素顔と本音。
感想・レビュー・書評
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中国人について知りたくて読書。
北京での4年間過ごしたという著者の日中比較論。非常にバランスよく、現代中国の両面が書かれている良書。大連に住む人間からしてもなるほどと納得する箇所が多い。日本人から見て中国の驚嘆する残念な現実をよく伝えながらも愛情ある表現で書かれている。
中国は、劇的に変化し続けている国。ある人は文革ですべての文化文明は一度崩壊し、文革後に現代中国が始まったと主張する人もいる。そうすると建国37年くらいの歴史となる。しかしながら、あながちこの主張も現実離れはしていないと思われる。
中国とひとくくりにすることも難しいこの巨大な多民族国家は、多く問題を抱えながらも今後、世界での影響力を増すことは間違いない。日本人は、先に先進国となった先輩として、冷静に現実をしっかりと見て対応してく必要があるのではないだろうか。
中国に対する薄甘い幻想を捨て去り、現実をしっかりと知り、学びことは日本や関わるすべての日本人にとって重要なことだと思う。
かつて近代日本が作り出した和製漢字、例えば「経済」「哲学」「宗教」などの言葉が中国に逆輸入されたように、和様の礼儀も同じ儒教文化圏の美徳として輸出できたら、日本も長年お世話になった中国文化に多少恩返しができるのではなないだろうか。(p159)
皮肉を込めた的確な指摘。
読書時間:約1時間20分
本書は知人からいただいています。有り難うございます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中国でのリアルな経験エピソード。中国に興味がある人にぜひオススメしたい本です。
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・2/23 読了.今週日曜日に衝動買いして読んでたけど、この手の本はすぐ買ってしまう.なかなか日本人で中国に生活した人を知らないので、面白く読ませてもらった.日本でではなく中国で友達ができるとしたらどのような関係になるのか、なかなか興味がある話題だ.
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捉える
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中国には今まで5度行ったが(仕事で4度、プライヴェイトで1度)、最も長期でも、わずか2週間だった。この本の著者は3年余りも、北京およびその周辺で過ごした。それは中国古典学の勉強のためであり、またその間には、企業の日本語クラスで日本語を教えていた。中国と日本とは距離的にも、歴史的、文化的にも関わりが深い。しかし、現代の中国社会を見ると、異質さもまた目立つ。著者は中国での体験を踏まえ、時には困惑しながらも筆を進めて行く。そして、究極的には相互の理解を目指しており、そのまなざしは短絡的ではなく、しかも暖かい。
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数年間北京に滞在した著者の中国見聞録。詳しくは<a href="http://d.hatena.ne.jp/rockfield/20070310/1173508236">こっち</a>に書いてあります。