悪意 (講談社文庫)

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著者 : 東野圭吾
  • 講談社 (2001年1月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062730174

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悪意 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 人気作家、日高邦彦が仕事場で殺された。第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼馴染である野々口修。
    野々口のかつての同僚である加賀は、犯人の語らない動機を探る――。

    構成の見事さに舌を巻き、何度も東野さんの仕掛けた罠にひっかかっり、そしてたどり着いたラスト…。

    “『彼が恐ろしいと思ったのは、暴力そのものではなく、自分を嫌う者たちが発する負のエネルギーだった。彼は今まで、世の中にこれほどの悪意が存在するとは、想像もしていなかったのだ。』”

    作中作、『禁猟地』の一節が端的に物語る。
    シンプルすぎるタイトルの「悪意」。白い表紙に「悪意」から不気味ににじみ出る暗黒色。
    読了後、これ以上のタイトル、表紙はないだろうと思った。
    ただ圧倒されるだけのすさまじい悪意…。
    最近悪意のある報道について考えていた。
    そういう報道を見聞きするのは日常茶飯事、報道で事実は歪められるものだと次第に気づきつつあるけれど、それでも悪意は人の心を確実にむしばむ。
    でも、今の世の中に蔓延する大きな悪意も、そもそもは一個人の中の悪意に端を発するのだ。
    これほどの悪意を、なぜ人は他人に向けることができるのか。
    しばらく悶々と悩んでしまった。

    “いじめられる側としては、あまりの理不尽さに、ただ途方にくれるしかないのだ。”

    人気作家である東野さんには、理不尽に向けられる悪意を身をもって感じたことがあるだろうし、悪意によって人間性、作品が貶められることの無念さがわかりすぎるほどわかるのだろうなぁ。
    でも、こんな理不尽なことがあっていいのだろうか…。
    読むのに精神力が必要。でも本当にすごい作品だった。

  • 加賀恭一郎シリーズの4作目です。

    この「悪意」はこれまでと大きく違います。
    早々に犯人が分かってしまいます。「あれ?」と思うとそこから「動機」に対する執拗な推理が始まり、面白くて一気に読んでしまいました。

    「悪意」と言うタイトルがどう言う意味を持ってくるのかは読んでのお楽しみですが、何となくこの「悪意」が表すよう静かに、暗く、鬱々とした雰囲気が本文中に漂っている感じがします。

     今回でやっと、加賀が教員を辞め警察になった経緯が明らかになります。ここへきてやっと、しかもこの「悪意」で明らかにするとは・・・設定が合い過ぎていて恐ろしい。

     私的には、結末も東野さんの読者に対する「悪意」が感じられ、驚かされました。

    今の所、加賀恭一郎シリーズでコレが一番面白かった!!

  • 刺し違える、と言う言葉をフッと思った。

    いくら殺したいほど憎い人がいても、
    『殺人』のリスクって大きいよなぁ~

    いずれ自分だって、裁かれる。
    時に同じく『死』をもって償わねばならない場合だってある。

    それなのに、何故?
    人は人に『悪意』を持つのだろう?

    自らの命を犠牲にしてまで、
    地獄へ引きずり落としてやりたい!と思う程の『殺意』はどこから沸いてくるのだろう?

    物語では犯人はすぐに捕まった。

    だが、
    犯人はその『動機』を決して語ろうとはせず、
    黙々と、どこまで真実なのか釈然としない手記を書き綴るだけ。

    「私が殺しました。
     事件はそれで解決でしょう?
     ならば、それでいいじゃないですか。」

    捕えたはずの犯人ではあるが、
    何一つ、解決はされていないかの様なジレンマ。

    犯人の手記、関係者の証言、刑事の推理…

    バラバラなピースは細かな水蒸気となって、深い霧の様にますます視界を悪くしていくばかり。

    とにかく晴れた霧の向こう側が見たくて、やみくもに読み進めて、一気に読み終えてしまった。

    読後。。。

    最初から暗示をかけられていた自分に気付きいて愕然。

    東野ワールドおそるべし!

  • ジワジワと、殺人動機を暴いていく…恐るべし 加賀恭一郎!!怒濤の ラストでした。

  • 最後まで読まないと真実は分からない。
    最後まで読んでも本当に理解できたかどうかは分からない。

    東野圭吾さんの作品の中でも重い部類に入ると思います。

  • 東野圭吾作品の中でも傑作の一つ。

    これほど読み終わった後タイトルに納得できる作品も珍しい。

  • タイトルそのものを浮き彫りにしていくような作品でした。
    加賀刑事自身の話も一部語られます。

    作中では1つの事件を扱いますが、序盤で犯人は明らかになってしまいます。

    犯人が捕まってからの方がストーリーのメインですね。
    半落ちから完落ち、そして完璧落ちという流れ、作品の進行には著者の工夫が感じられました。

    個人的な感じ方としては、読後感があまり良くなかったので、評価があがらないですが…
    加賀シリーズは好きです。

  • 面白かった!個人的に「誰が?」よりも「なぜ?」に軸足が置かれたミステリーが好み。本作は正に「なぜ?」の部分に重厚なミステリーが仕掛けられた作品。似たような趣向の作品に「半落ち」があるけれど、本作の方が断然面白かった。ただ、あまりにも動機をこねくり回しすぎなきらいがあったような気が…、最後の方は少しクドく感じた。もう少しシンプルでもよかったかな。

  • 加賀恭一郎シリーズ、最初の話から遡りの4冊目。
    先に発刊された「どちらかが彼女を殺した」が“第4の事件”でこちらが“第3の事件”なのは、加賀が練馬署の刑事だったり捜査一課の刑事だったりすることの整合を取っているからのようね。
    さて、このお話、被害者の友人の手記と加賀の独白が交互に語られる構成で、100頁も行かない内に「解決の章」になって、この後はどうなるんだろうって思わされたが、その後起訴するに足る証拠固めや動機の解明に費やされたお話も本半ばで犯人の「告白の章」となり、100頁を余して“真相”が明らかにされて更に驚かされる。
    そして残された頁を捲りながら、読者は「悪意」というこの本のタイトルの意味するところを考えさせられることになり、裏表紙には『超一流のフー&ホワイダニット』とあるが、確かに真の動機に辿り着いた時、その悍ましさに唸らされる。
    あれだけ犯人が思い描いたように警察が“真相”に辿り着くのかとか、そこで終わらずに加賀のようにその“真相”に疑いを持つ者が出てくるのかと考えると、ちょっとうまく作られ過ぎという感じはするが、一方、ここに来て、加賀が教師を辞めた理由が語られシリーズ物としての体を成して来るとともに、作中の人物の口を通して「人間を描く」ことについて語る作者の心持ちが表されて来たり、第1の事件から遡る面白さも感じた。

  • 2016.12.17読了
    犯人を突き止めるのではなく、序盤で犯人が判明しちゃうっていう今まで読んだことのない展開でわたし的には新しかった!
    終盤では事件の真相が思っていたものと全然違って180°ひっくり返って、犯人の策略にうまく騙された〜って感じだった。
    本当にタイトル通りの純粋な「悪意」がすごく怖くて鳥肌ぞわっぞわ。
    真相に迫っていく加賀刑事もよかった☺︎☺︎

  • そこまでやるかーっていうほど悪意に満ち溢れたストーリー。
    ここまでやる人がいるっという発想が面白かった。

  • どんどん話が覆り、当初予想とは全く違う展開に!加賀さんシリーズ面白くて大好き。ただいつもなんともいえない切ない気持ちになる。

  • 東野圭吾の神髄、ここに。

    加賀恭一郎シリーズ良いな、改めて。

  • 人間の内面を気味の悪い程描く
    殺害動機を追う、いわゆるホワイダニットというテーマを取り上げている。一言で言うと怖い作品だ。不快の意味でなく、恐ろしくインパクトに残るという意味で。しばらく著者の作品は読んでいなかったが、これが著者の真骨頂であったなと思い出させてくれた。

  • うーーん
    読んだけどさ 
    あまり好きになれないな
    なーんでか、って?
    死に逝く者にとって小さいことだよ、いってることが

  • この本を読んでいる時、夫は『ものすごいタイトルの本読んでるなぁ・・・』とちょっと引き気味でしたが~(笑)
    文句なしにおもしろかったです!すっかり東野ワールドの虜かな・・・

  • 加賀恭一郎シリーズ第4弾
    タイトル通りドロドロとした「悪意」を味わっても、錯覚トリックを堪能しても、加賀恭一郎の過去を知る話として読んでも良いんだと思うのだが、初読としては「悪意」の方に思考を取られた感がある。
    人の影の部分を描いているので読了後もスッキリはしないが、加賀恭一郎に影をつけるための大事な作品だよなぁ。

  • 今日は半分だけ読もうとおもいましたが、「あれ?なぜまだ半分なの?」から、一日で読み切ってしまった。

  • 大好きな東野圭吾!加賀恭一郎シリーズで読んだのはこれで2作目かな?面白いとは聞いていたけど、本当に面白かった。読み始めて、入り込むまでにほとんど時間がかからなかった。最初は普通のフーダニット、途中からはホワイダニットに転換。その流れが自分の中で新鮮で興味深かった。おそらく、作者がしかけた全てのトリックに引っかかったと思う...。最後の最後に物語と題名がつながるこの感じが本当に心地よい。これだから東野圭吾作品はやめられない。

  • 犯人も動機もあっさり前半で解決してしまう。
    分かった時点でまだ全体の三分の一くらいのページ数だったので、この先どう展開していくの?と読みながら疑問に思ったのだが、そこからがすごい。完全に騙された。
    ただ、実際にこういう事件が起きたとしたら、ここまで調べてくれる刑事はいるだろうか。
    最初に解決したかのように思われた時点で、捜査打ち切りだろうなぁと思った。

    野々口、加賀、そして野々口と日高を知る人々の手記や記録と、目線が章ごとに異なるので、湊かなえの作品を思い出した。
    「赤い指」「新参者」や「麒麟の翼」と、最近の加賀シリーズばかり読んできた自分には、加賀の一人称というのがとても新鮮だった。

  • 登場人物の手記・回想文といった形式で、物語が進行していく。東野圭吾らしく、先の展開が読めない、読み手の思惑を裏切る、とてもおもしろい話だった。
    ただし、あまりにも展開が変わるので、登場人物の本当の姿がわからなくなってしまった。もう一度読みなおしてみたい。

  • 多作でありながら、一定の水準を保ち続けているのは、さすがだと思います。この作品も、動機の謎を主眼に置いたという目新しい視点、二重、三重の叙述トリック、すべてをひっくり返す終章のどんでん返し、といろいろな読みどころが用意されています。
    しかし、読み終わって、あまりすっきりしません。一言でいえば、現実感がないんです。要するに「そこまでするか?」ということです。動機の謎を主眼にするという試みは成功しています。こういうミステリーもいい、と思わせます。叙述トリックもきれいに決まっています。ルールの中で最大限の効果を発揮しています。
    しかし、それらがすべて、最後のどんでん返しを決めるために用意されているように思います。すべてをひっくり返して、曲がりなりにも着地できればそれでいい、そんな風に考えて書かれた作品のように思えます。ですから、本来の動機自体に若干無理があっても、どんでん返しのエネルギーでその無理が目立たなくなっているようです。
    伏線の回収も遺漏なくできているし、傷らしい傷は見当たらないのですが、根本のところで納得できず、私はすっきりしませんでした。

  • 加賀恭一郎シリーズ第4作目。

    前作『どちらかが~』で犯人が全く分からなかったことを反省して、
    注意深く読み始めたつもりだったんだけど、最初の野々口の手記自体に罠があったなんて!
    そして、二転三転しながら本当の真相に近づいていく物語に翻弄されっぱなしで
    自分で推理することを諦めた。
    前作までと比べて、格段に文章が読みやすく感じたこともあって時間を忘れて一気読みした。

    一番総毛だったのは、ラスト1pの野々口の母親の偏見は根拠もないのに
    息子に言い続けていたということ。
    この偏見がなければ、野々口はもっと違う子供時代を過ごせたのではないだろうか。
    この偏見は、悪意のひとつとして野々口に伝わり成長していく。
    秋葉原通り魔事件の加藤の母親を思い出した。

    でも、一ヶ所だけ残念な点がある。
    毒ダンゴの余りが野々口の部屋にあるプランターから発見されたことによって
    猫も野々口が殺したことを気付くというトリックは
    後に「聖女の救済」でも似たようなことがある。
    同じ作者で似たようなトリックは興醒めしてしまう。

    加賀の一人称で語られる章が複数あり、その中で教師を辞めた理由を語る章もあって、
    今後加賀恭一郎シリーズを読む上で大事な本になりそう。

    野々口は俳優の滝藤賢一さんを当てながら読んだ。

    前作「どちらかが彼女を殺した」と比べて筆力が格段に上がっている。
    前作までは、情景が浮かび辛く、カクカクした感じがあったが、
    今作は、文章がなめらかになり読みやすくて情景が浮かびやすくなった。
    今作を発表するまでの間に何があったのか気になる。

  • 父から借りたもの4

    犯人の手記と加賀刑事の記録によって描かれている。
    早い段階で犯人のめぼしがつき、なんと3つ目の章で逮捕。5つ目の章で動機を告白。しかしこの時点で物語はまだ半分!
    違和感を感じた加賀刑事は独自に捜査を続けていく…。そして明らかになる本当の動機。

    怒涛のように加賀恭一郎シリーズを読んでいるけど、同じミステリーでもいろんな表現の仕方があるんだなぁ、と。
    この話はかなり好きです!

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