- Amazon.co.jp ・本 (1376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062732475
感想・レビュー・書評
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百鬼夜行シリーズ4作目。今回は禅のお話。山奥の謎寺、明慧寺で起こる連続殺人。檻の中で繰り広げられる問答。明らかに嫌がる京極堂と「犯人はいない」と明言する榎木津。果たして檻は壊せるのか……。
姑獲鳥の夏とのつながりがすごい!姑獲鳥好きは必読!!→
今回も私推しキャラ榎木津は元気(笑)あと、前作で好きになった鳥口もまぁまぁ活躍していて嬉しい。
禅の話がとにかく難しく、何度も読み返したりしていたら時間がかかった。宗教難しい。あと漢字も難しい。
殺人のオチはアレだけど、あっちのアレがうわーって感じ(相変わらず感想下手)面白かった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
鉄鼠の檻
200831読了。
今年69冊め今月1冊め
#読了
#鉄鼠の檻
#京極夏彦
分冊で読んだけど、ひと作品としてカウント
再々再々読くらい。
2日で読了。
読む度に面白さ、気付きが深まる。
姑獲鳥や狂骨は酩酊具合が酷くて苦手だけど、魍魎、鉄鼠、絡新婦は読みやすい。
京極は至極真面目な本屋さんでした。
榎さんの活躍は少なめ。
益田くんが目立ちますな。
見事な領解である!
傑作だ。 -
再読。
十数年前に読んだ時は、何だか小難しくってシリーズの中でも余り面白みを感じていなかったと記憶している。
私の理解力が上がったからなのか、再読してみた結果めちゃくちゃ楽しめた。
ボーイズラブならぬボーズラブには衝撃を受けたけれど。
初めからそちらの目線で読んでいけば、また違った楽しみ方が出来るかも。
(私自身は余り興味はないが) -
高校生の時に読んだはずが牛が白くなる話しか覚えてなかった
中禅寺の話に出てくる禅問答がおもしろい 命をかけて座っているのだというのがそこからもわかる -
数えてないけど何回目かの再読。
再読したのは昨年の年末、
インフルエンザにかかって時間を持て余していた時。一人きりの隔離された和室で、
ああ読みたいなー…と思ったのが
この、鉄鼠の檻だった。
インフルエンザで隔離…っていうのがイメージに合致したからかな笑
最近再読した狂骨にも言えるんだけど、
京極堂シリーズの中でもひときわ構成が美しい作品。
あの膨大な文字数の中で、
一貫して美しく堅牢な檻が構築されている。
京極作品はわりとどの作品もそうなんだけど、物語そのものの計算され尽くした構成が凄すぎて毎回ため息がでる。
何度も何度も知っている内容のものを読んでしまうのは、その凄さを何度も体験したいからなんだろうな、と自分では思っている。
以下、内容…、
…うーん、何度読もうが纏められる自信がないな。
箱根の山中で発見された謎の巨刹で、不可解な死体が発見される。
そんでなんやかんやあって、
ラストは、
おおっ、なるほどそういうことか‼︎…
と巨刹の謎が解けます。←やっぱり上手に纏まらなかった笑
長年のあいだ、閉じ込められていた、もしくは自ら閉じこもっていた、僧たちそれぞれの心理とか、動機とか、
…言うなればものすごく説得力のあるファンタジー。
もちろんシリーズの主要キャラクターも健在で、特に関口はたぶんシリーズの中でも1番リラックスしているんじゃないかなと思う。
山歩きは大変そうだけど。
それにしても幻の経蔵、
あったら凄いのにな。
読み終わったら最後、
仏教に否応無しに関心を寄せてしまう作品。
結局公案ってなんなんだ‼︎ -
鉄鼠というのは、宗派の抗争に敗れて死んだ僧侶が恨みのあまり妖怪化したものである。この「妖怪概念」を実現化するために作者は異なる宗派の禅僧たちがともに修行している寺院というあり得ない設定を生み出す。
ありきたりの推理小説のタイトルなら『箱根山僧侶連続殺人事件』である。
『姑獲鳥の夏』で家族も医院もなくした久遠寺嘉親老人は箱根の山奥の旅館、仙石楼でだらだらと過ごしている。同じく逗留している古物商の今川雅澄。今川は戦時中、将棋を指す際に、いくつも勝手なルールを作ってやらせた変な上官の下にいたのだ。あ、榎木津かとすぐわかる。
その仙石楼に、中禅寺敦子とカメラマンがわりのカストリ雑誌記者・鳥口守彦が取材にやって来る。さらに奥にある明慧寺が取材先だが、先に仙石楼入りしていた記者の飯窪季世恵の様子がおかしい。
他方、京極堂こと中禅寺秋彦と「わたし」こと関口巽は箱根のそこからは山ひとつへだてた場所には逗留している。というのも、箱根の開発に伴って、古い書庫が発掘され、古書店を営む京極堂はその蔵書の鑑定と売却を依頼され、両人とも細君を連れて、旅行かたがた箱根入りしたのである。
「わたし」関口が直接見聞きしていない部分は「あとから聞いた話である」と三人称で叙述されている。まず、仙石楼で奇怪な事件が起こる。逗留客たちがちょっと目を離したすきに、仙石楼の庭に座禅を組んだ僧侶の死体が出現するのだ。神奈川県警から警官がやって来る。ここで登場する益田は本作の事件でほとほと刑事が嫌になって、以後、薔薇十字探偵社で榎木津の下僕として登場することになるが、それはあとの話。
警察の不手際に辟易した久遠寺老人は探偵を呼んでしまう。榎木津礼二郎の登場である。榎木津を何とかしなければと関口が呼ばれる。榎木津は雪の積もった中、足跡もなく座禅を組んだ姿勢の僧侶の死体が出現した謎を解くが、彼は依頼されたことしかしない。
取材陣は京極堂も存在を知らなかったという謎の寺、明慧寺にはいるが、そこで第二、第三の殺人事件が起こっていく。そして、飯窪によって語られる15年前の箱根の殺人放火事件の謎。
『オリエント急行殺人事件』のように、密室的な環境下での連続殺人事件。つまり、そういう環境が「檻」。犯人はこの中にいる、ってやつだが、みな坊主。本書がすぐれた禅宗入門ともなっていることは、あとがきの宗教学者のお墨付きであるが、禅の修行にまつわる坊主たちの話は刑事たちにはちんぷんかんぷんで、警察は完全に空回りする。というのも誰が犯人かはともかく、ホワイダニットが本作の肝なのだが、僧侶たちの関係性が警察にはさっぱり見えてこないのだ。京極堂は近くにいるのに動かない。言葉を使って呪う彼の憑き物落としは、言葉を越えたところにある禅には無力だからだという。さあ、どうする。 -
前半を読むのに1ヶ月かかり、残りの後半をたった1晩で読んでしまった!
前半の複雑な人間関係を理解するのにめっちゃ時間がかかり、理解してしまうと、あとはスピード感たっぷりで京極堂の解決待ちです。
プロットも相変わらず冴えていて、真犯人も「そうきたか!」という感じ。
そして、あえていくつかの謎は残して、いつか解決される日がくるかも?
という期待もありました。 -
内容は相変わらず面白い。
特に長台詞の押し問答や掛け合いが好き。
犯人の動機についてピンと来なかったから間違いなく私は普通の人。禅の考えにピンと来なかったから、巻末のあとがきにネタバレと書かれてもどこからどこまでがそうなのかちっともわからなかった。
段々人間の登場人物が少なくってる気がする。
次作はもっと置き去りにされやしないかと不安だ。