- Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062735292
感想・レビュー・書評
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平安京遷都の少し前からの陸奥。
戦国時代よりまぁまぁ遡る。
ので、違うのかも知れないが戦国武将のお話を読んでいる時にはない応援する気持ちが湧き上がった。
遠い遠い昔のお話だし、勿論そんな綺麗なお話ではなかったのだろうけれどそうあったと信じたい。
歴史は浪漫とよく聞いたが、ホントにそうだと思える作品の一つ。
どういう風にドラマ化されたのか全く覚えていない。
再見しようっと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久々の再読。初読時はすごく熱くなったのを覚えてるけど、今回はいかにもな英雄譚なところが少し飽きてしまった。ただ東北に数年暮らした後なので、土地勘ができてより楽しめたし、蝦夷vs中央という構図はこの後も延々と続いて現在に至るのがより納得できた。「炎立つ」「天を衝く」を読むのが楽しみ。
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東北の地を巡る蝦夷のプライドをかけた戦いも大団円を迎えます。坂上田村麻呂の登場で、状況が大きく変わり物語は一気に終焉に向かって進みます。登場する男たちが本当にかっこいい!ドラマにもなっているようで、見てみたいです。
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古代、東北地方に根をはる人々 蝦夷(エミシ)。
朝廷からは、存在を軽んじられ獣として扱われていた。
そんな扱いに謀反を起こした鮮麻呂。それをキッカケに蝦夷が立ち上がる。
20年に及ぶ朝廷との戦を率いたのは若き英雄 阿弖流為(アテルイ)。
若き仲間達と共に策を講じて朝廷の大軍に立ち向かって行く。
朝廷軍の若き将軍として後半から登場する坂上田村麻呂。その出会いと関わりが阿弖流為の生き様を決めることになる。
上巻を読むのに時間がかかってしまった。正直退屈。
下巻に入ってからは多少テンポも良くなり2017.12.02無事読了。
平安時代の英雄の話なので、どうしてもこうなっちゃうのかなー。阿弖流為は失敗しないし、必ず戦に勝つ。
最期は、蝦夷の未来のために命を捨てるわけだが、こんなにカッコいいと物語としては、一本調子でつまらないかな。阿弖流為はウルトラマンとか仮面ライダー並みの強さで朝廷軍はほんとに間抜けなショッカー。人数ばかり多くて馬鹿ばっかり。(笑)
途中でもうやめよっかなと何度も思ったが、読了して感想がかけて本当に良かった。ホッ -
故郷を舞台とした物語でありながらきちんと知らなかった事を後悔している。と言っても、阿弖流為については記録にはほとんど残っていないようなので、本当の所はわからない。
獣と蔑まれても誇りを貫く蝦夷の姿が美しい。坂上田村麻呂と阿弖流為の敵味方を超えた信頼関係も、読んでいて嬉しいものがある。
この作品で描かれている、政治権力・多数派から少数派・自分達とは異なるものに対する無知と侮蔑は、時代や場所が変わっても存在し続けているものだと思う。公民権運動やプライド・パレードなども連想した。千年経って技術や政治システムが進歩しても、人間そのものは千年前から大して変わっていないんだろう。例外なく人は死んで、経験も記憶も、文献としては残せても実感が失われてしまうからかな。
同じ人として認められない限り頭を垂れないと言った阿弖流為に共感する人が、世界中にまだたくさんいるはず。 -
坂田村田麻呂の蝦夷征討の話。主人公は 蝦夷・ 阿弖流為。
「炎立つ」に負けず、心熱くなる話であった。蝦夷贔屓の著者によると、史実がこうなるのかと感心しながら読むが、引き込まれ蝦夷の心意気に熱くなる。
「4千人が呼応しての戦となれば、命令が下まで届くことこそ大事。それには馴れ合いこそが大敵と心得ねばならない。もし自分の兵を他の兵と同じに扱えるか?いや、過酷な状況に追いやって無駄に死なせることになるだろう。出身地関係無く、兵を混ぜ、将も感情に流されず、指揮する事が必要。」のくだりは現在のマネジメントにも繋がると感じ、多くの人間を部下にもつ人の考え方を垣間見れた。
【参考】
文の菅原道真と武の坂上田村麻呂は文武のシンボル的存在とされた。 -
登録を忘れていたので改めて。上巻を読んでから少し時間が空いたけど、結構キャラがたっていることもあって、人物関係の把握とかは問題なし。更に歴史上の超有名人が積極的に絡んできたこともあり、上巻以上に魅力的な内容になっていました。最後まで優勢に抗いぬいたアテルイ軍団が素敵過ぎるけど、幹部連中の見事な散り方に感動。この時代、こんなにも心惹かれる戦いが繰り広げられていたんですね。実に面白かったです。本作者の東北関連作品が解説で紹介されていたけど、是非とも読んでみたくなりました。
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当時は未開の地の蛮族として扱われていた蝦夷の英雄が現代まで名前が残っているってすごい。自らを犠牲にする阿弖流為の策で戦を終わらせたのかはわからないけど、よほど人望のある人だったのだろう。高橋さんの書く男性はみんな体育会系でオトコマエですが、女性はいつもきちんと書かれていないのがちょっと残念。
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22年間無敗を通しながら、最後に投降という形で幕を閉じたのは、蝦夷の未来を守るために周到に練られた阿弖流為の戦略だったのか。その気持ちは田村麻呂には届いたが、朝廷や都の民には届かなかった。っというより理解されなかったというべきか。断末魔の阿弖流為の言葉が今も目に焼き付いて離れない。「俺たちはなにも望んでおらぬ。ただそなたらとおなじ心を持つ者だと示したかっただけだ。蝦夷は獣にあらず。鬼でもない。子や親を愛し、花や風に喜ぶ…」そう。阿弖流為はただ、蝦夷という地を正しく理解してほしかっただけだった。
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読んで良かった。非常に良かった。本当に良かった。さて、「炎立つ」を買いに行かねば。ふむ。
ぜんぜん関係ないけど「天を衝く」を読んでから安美錦関を応援している。「炎立つ」買いに行かねば。