深紅 (講談社文庫)

著者 : 野沢尚

• 講談社 (2003年12月10日発売)

感想・レビュー・書評

[ultraman719さんの感想 · 2022年9月11日]

前半の殺戮シーンは壮絶やけど、本来は、その後の話がメインなんやろな。

家族が殺人事件に巻き込まれ、１人残った娘さんを中心とした話…
しかも、被害者側だけでなく、加害者側にも１人…

両者立場が正反対かもしれけど、本人らには何の罪もない…
とはいえ、精神的には、かなりの痛手を被って…
事件は、小学生の頃、時は流れ、多少の復帰はしたものの…

生きてていいの？殺されて当然…
色んな葛藤があって、徐々に、両者が近づいていく…まぁ、被害者側が近づいていくんやけど。

これは、酷い…死刑宣告されても、自身の中は納得出来んものがある…それは、被害者側の娘も、加害者側の娘も…

絶対、連帯保証人にはならんとこ！
人を騙すとかもダメ！
後先考えんと、こんな事するから…
自分の子供が、こんな風な生き方になってしまったらと思うと…(T . T)

[プッチさんの感想 · 2022年11月23日]

両親と弟2人を殺害されて生き残った長女は心の中に暗い闇を持ちながら生きていかざるを得ない。その彼女が加害者の娘を探し出した時に沸き起こる気持ちは復讐の気持ちなのか。ただ憎悪にまみれるだけでない、迷いや戸惑いはあるだろうという感じが見えながらのストーリー展開はスリリングで面白かった。ちょっと加害者側には甘いかなという感じも小説としてはよかったかもしれない。

[りょうさんの感想 · 2022年10月22日]

殺人事件の被害者家族と加害者家族の交錯する人生。
結末がどうなるのかを考察しながら､最後まで楽しく読めました。

[かずきのさんの感想 · 2023年5月2日]

惨殺事件の被害者の家族として一人残された奏子の苦しみ、痛み、悲しみ、憎しみが、本当に辛かった。加害者の一人残された未歩と出会ってしまった奏子の負の感情がどこまで落ちていってしまうのか、胸が苦しくなりながら先を急いで読んだ

[ノリモノさんの感想 · 2021年7月12日]

前半部分の筆力には圧倒されました。
被害者と加害者の娘同士が繋がる部分を読んでいると憎しみとは様々に形を変えて住み着くんだなと感じた。
やはり人は生きてく上で憎しみや嫉妬などの感情を捨てることは出来なく上手く付き合っていくしかないなと考えさせてくれました。

[mayuさんの感想 · 2021年6月9日]

被害者の娘、加害者の娘、
それぞれの苦悩や、思いが
スーッと心に入ってくる作品。

[ポストイットさんの感想 · 2018年11月21日]

面白かった。いや、面白いと言っていいのだろうか。被害者と加害者の娘、と言う立場での感情の吐露が複雑だがしっかりと捉えていて、読んでいくつれ苦しくなったのは自分だけだろうか。結局、解決（？）には至ってないものの、 殺害事件という事実は拭いきれるものでもないのでこの終わり方は妥当だと思った。大人でもそうだが、特に子供の時に受けた衝撃はその後の人生において計り知れないくらい影響するものだと、この本を読んでも、現行の事件を見ても感じられずにはいられなかった。

[さちろーさんの感想 · 2013年4月23日]

初の野沢尚。
吉川英治文学新人賞受賞作品。

脚本家らしい小説。
すぐにドラマが作れそう(映画化済み?)

8年前、両親と2人の弟を惨殺された奏子。自身は、修学旅行中で一人生き残った。
その後、叔母の家で成長し、大学生になった時、加害者にも自分と同い年の娘がいると知り、正体を隠して彼女に近付く…。

奏子と加害者の娘(未歩)が心を通わせていく過程が、まるでドラマを見てるかの様に映像化する。
奏子の恋人の拓巳が好青年で良い♪

十字架を背負った奏子と未歩。
もう会う事のない2人。
それでも、きっと生き抜いて行けるだろう。

[まいきーさんの感想 · 2020年10月14日]

修学旅行中に家族を惨殺され、一人残された少女の心情の描写や、犯人が犯行に至る動機を述懐する描写が巧みで、双方の気持ちがわかる分、序盤から胸が苦しくなります。

12年後、少女は犯人に自分と同い年の娘がいることを知り、自身の正体を隠して、犯人の娘に近づき・・・

憎悪と血の連鎖は断ち切れるのか？という重たいテーマを扱った読み応えのある作品でした。

[ておさんの感想 · 2020年3月24日]

すごく印象的なストーリー
心情描写が多くて読みにくく感じたけどだんだん慣れる