麦の海に沈む果実 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739276

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!異国かと思わせるような雰囲気。ファンタジーの空気もある。
    閉鎖的なんだけれど、読んでいて不快にはならない。これだけキャラクター立ってると面白い。ほどよい緊張感のミステリー要素もあって、読書の醍醐味を感じる満足感。

  • 【僕にとって、恩田陸は放浪好きな話の面白い叔父さん】

    瀬尾まいこはおせっかい焼きの従姉妹のお姉さん。小川洋子は、病室で静かに僕を待つお婆さん。そんなふうに思う。誰一人欠かしたくない、僕の世界に必要な人達。※誤解された方がいらっしゃったので、僕の中でのイメージです。放浪好きなのは、いつも駄目な叔父さんと決まっているのです。

    やらしくない伝説と秘密と殺人。なぜ、答えのわかっているパズルゲームが面白いのかって?美しいからに決まっている。形も色もルールも式も答えも美しいからだ。

    とても、よかった。

    • hi_popopoさん
      恩田陸は女性ですよ〜
      麦の海、とても、よいですよね。
      恩田陸は女性ですよ〜
      麦の海、とても、よいですよね。
      2015/11/29
  • 登場人物の一人になりたい、とここまで強く思った話は今まであっただろうか。どうすれば日常から抜け出せるのかと日々画策する私としては、この学園に行きたくてしかたがない。といっても、こな濃すぎるメンツに囲まれてしまえば私の出番など全くないだろうが。

  • 世間から隔離された、北の地に存在する特殊で不思議な学校。
    そこに転入した少女を主人公に学校にまつわる伝説や、殺人事件の謎が明らかになってゆくファンタジー要素を含むミステリーといったところでしょうか。

    読み初めは、独特の世界観と文体に慣れるのに苦労しました。
    学校を取り囲む広大な湿原の描写が多く、子供が主役でありながら、全体的に暗い雰囲気が漂います。
    慣れてくると個性豊かな子供たちの素性や推理に引き込まれテンポよく読み進めることができます。
    最初に感じた胡散臭さがちょっと抜けたような気もします。

    ところが、結末が個人的には不満。
    全体的な評価は高いようですが相性が悪いのか、私の嗜好には合いませんでした。
    これと言ったメッセージ性もなく、結果的には自分勝手で残酷な理由で殺人が起きていた、しかも子供が集う学校という場所で。
    期待していただけに、残念でした。

  • 結末は謎なところもあったけど世界観が好きで読んでて楽しかったあ

  • 不思議な不思議なストーリーだった。いい意味で裏切られた〜

  • 「薔薇のなかの蛇」を借りられたけど、シリーズものっぽいからと読まずにその前の「黄昏の百合の骨」を読み、あれっ、これも続編かと、百合読後に本書を読んだ。あぁ、もったいなかった。当たり前だけど、スゴくネタバレされていた。皆さん、順番には気をつけましょう。個人的にはぼんやりしてる中学生の理瀬より、高校生の理瀬の方が良かったです。
    理瀬シリーズ、他の方のホームページによると、
    『三月は深き紅の淵を』1997年
    『麦の海に沈む果実』2000年★
    『黒と茶の幻想(上・下)』2001年
    『黄昏の百合の骨』2004年★
    「睡蓮」短編/『図書室の海』 所収2002年
    「水晶の夜、 翡翠の朝」短編/『殺人鬼の放課後 ミステリ・アンソロジー2』(2002年) 『朝日のようにさわやかに』(2007年)、『青に捧げる悪夢』(2013年) 所収
    「麦の海に浮かぶ檻」短編/『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』(2017年) 所収
    『薔薇のなかの蛇』2021年★
    ★が理瀬主役

  • 恩田陸に黒い紅茶飲まされた。

  • 恩田陸さんはどうしてこんなに人間の感情を上手く表現できるのだろうか。閉ざされた空間、不気味で不思議な出来事が起こる中で様々な感情が交差していく。
    この物語にすごく引き込まれていった。

    「三月は深き紅の淵を」は今作では学園の歴史を記すものとして代々受け継がれていくというかんじだったかな。

    ただ、個人的には終わり方が…
    黒っぽい紅茶が出てきたあたりで、やめてくれーと思ってしまった。。
    伏線回収、読んだ後のそういうことだったかあという感覚はさすが恩田陸さんというところ。

  • 心象表現の繊細さが恩田陸の好きなところ。この本ではミステリーは謎のままでいてひきこまれるものの、広げに広げた伏線は後半の数ページで淡々と回収され、やはり恩田陸は日常系ミステリーがいいなあと思いました。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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