ぼんくら(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747523

作品紹介・あらすじ

「俺、ここでいったい何をやっているんだろう」。江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に店子が次々と姿を消すと、差配人の佐吉は蒼白な顔をした。親思いの娘・お露、煮売屋の未亡人・お徳ら個性的な住人たちを脅えさせる怪事件。同心の平四郎と甥の美少年・弓之助が、事件の裏に潜む陰謀に迫る「宮部ワールド」の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻の謎を回収して謎が解明。
    事件は表沙汰にしないで終わることに。

    最後は、死んだと思ってて実は生きていたことがわかったあの人が、名前を伏せて登場。あらーそんな感じの人だったのね。

  • ◯ ただ、響きのあるいい声だった。坊主になってもよかったろう。(241p)

    ★平四郎の甥の弓之助が登場。鋭く謎に迫る様子はまるでコナン君だ。他にも、会話を丸ごと記憶してしまうおでこ、平四郎の手下で「うへえ」が口癖の小平次、頼りになる岡っ引きの政五郎、個性的なキャラが沢山出てきて楽しい。

  • 登場する人物がそれぞれ魅力的でした。最後に登場した葵さんは思っていた人と違って驚きました。

  • 上巻を読んでから時間が経ってしまっていたため、再度上巻を読んでからこちらを読みました。2冊とも面白くてすらすら読んでしまいました。
    登場人物がみんなどこか憎めなく愛着がわく人たちばかりなので、平四郎が、みんなが穏便に生きられるようにうまくのらりくらりしてくれるのが、読んでいて心地いいです。
    謎が謎のまま終わらず、ちゃんと答え合わせがあるのも、読了後すっきりして良かったし、面白かったです。

  • 時代小説。上巻の続きと締めの一章。
    長屋から人がいなくなることの顛末がわかった。なんだかやるせない結末。
    茂七が名前だけ登場しており、ちょっと嬉しい。
    子供達が優秀すぎる。

  • おでこ便利すぎないか

  • このシリーズ読破したい

  • まったく縁のない大店の揉め事に振り回される鉄瓶長屋で慎ましく暮らす人々たち・・・。 ミステリーというと、犯人を突き止めるまで何もかもがカチッとしているけれど、ズボラを自称する主人公の同心の采配がとっても緩やかで心地いい。ミステリックな中にタップリと人情話が盛り込まれ、優しい気持ちにで読み進むめる時代小説でした。(o^^o)v

  • 湊屋の女主人おふじは、17年も前に彼女の前から姿を消したきり、ずっと消息の知れない葵という女を、今での当時そのままのみずみずしい気分で憎んでいるらしい。

    葵はどんな女で、どこにいるのか。どうして、鉄瓶長屋の店子たちは、みんな次々と家移りしていってしまうのか。そこには誰かの意図が働いているのか。

    上巻から引き続いての「長い影」で解き明かされる真実とは…。

  • 「宮部みゆき」の長編時代小説『ぼんくら』を読みました。

    『震える岩 霊験お初捕物控』、『天狗風 霊験お初捕物控【二】』、『あやし』に続き、「宮部みゆき」作品です。

    -----story-------------
    〈上〉
    時代ミステリーの傑作遂に待望の文庫化!

    「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」――江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の「太助」が殺された。
    その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。
    いったい、この長屋には何が起きているのか。
    ぼんくらな同心「平四郎」が動き始めた。
    著者渾身の長編時代ミステリー。

    〈下〉
    謎が謎呼ぶ楽しさ満載「宮部ワールド」へ!

    「俺、ここでいったい何をやっているんだろう」。
    江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に店子が次々と姿を消すと、差配人の「佐吉」は蒼白な顔をした。
    親思いの娘「お露」、煮売屋の未亡人「お徳」ら個性的な住人たちを脅えさせる怪事件。
    同心の「平四郎」と甥の美少年「弓之助」が、事件の裏に潜む陰謀に迫る「宮部ワールド」の傑作。
    -----------------------

    「講談社」発行の月刊小説誌『小説現代』の1996年(平成8年)3月号から2000年(平成12年)1月号まで計18回掲載された作品を加筆・訂正したうえで刊行されたぼんくら同心「井筒平四朗」シリーズの第1作、、、

    時代小説なんですが、内容は完全にミステリですね… 愉しく読めました。

     ■殺し屋
     ■博打うち
     ■通い番頭
     ■ひさぐ女
     ■拝む男
     ■長い影
     ■幽霊
     ■解説 北上次郎

    長屋からひとりずつ人が消えていく… 江戸・深川北町の鉄瓶長屋で八百屋を営む「八百富」の跡取り「太助」が殺された、、、

    妹の「お露」は殺し屋の存在を仄めかす… その殺し屋の狙いは己にあると言い残し、差配の「久兵衛」は出奔してしまう。

    次の差配としてやって来たのは、まだ27歳で差配としては若い「佐吉」という植木職人だった… その後も、桶職人の「権吉」が博打に狂って娘の「お律」が売られそうになり、小間物屋の番頭の子「長助」が紛れ込んできたり、水茶屋で働く「おくめ」が引っ越してきたり、豆腐屋の「八助」が発端となり新興宗教?(壺信心)が広まったりと、次々と鉄瓶長屋で騒ぎ巻き起こり、それらを契機に店子たちが次々と店移りをしていく、、、

    鉄瓶長屋は、櫛の歯が欠けたようになってしまうが、同心「井筒平四郎」は、その蔭に鉄瓶長屋の地主で築地で俵物を扱う問屋を営んでいる「湊屋総右衛門」が関わっているのではないか… 何らかの意図があり瓶長屋から店子を追い出そうとしいるんじゃないかと疑い、甥っ子の「弓之助」とともに探索を始める。

    そこには、17年前に起きたとされる「湊屋」にまつわる陰謀があった… 奉行所きっての怠けもの同心「井筒平四郎」、超美形少年の「弓之助」のほか、神出鬼没の隠密同心「黒豆」、「回向院の茂七」の手下「政五郎」、驚異の人間テレコ「おでこ」等が鉄瓶長屋に隠された秘密を暴く為に奮闘する。

    いやぁ、面白かったですねぇ… ミステリとしての展開も良いのですが、個性豊かなキャラクタ設定が楽しくて、物語の中に入り込んでしまいました、、、

    怠け者で面倒が苦手… 家督を継ぎたくないばかりに、父の隠し子を捜して押し付けようとしたり、岡っ引きは大嫌いと、同心らしさの微塵もない四十路半ばの「井筒平四郎」、

    妻の次姉の子で、美形なことこの上ないばかりか、大層頭も切れ、文武に稀なる才を持つが、唯一の欠点は、12歳になってもおねしょが治らないこと… という「弓之助」、

    特にこの二人には、思い切り感情移入しながら読んじゃいました。

    煮売屋の未亡人で長屋のまとめ役でもある「お徳」も好きですねー 

    エンディングもむっちゃ良かった… 面白かったー

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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