- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748384
感想・レビュー・書評
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江戸川乱歩賞受賞作の名の通り素晴らしいミステリー小説で面白かった。またそのエンターテイメント性と同時に刑法の運用的な問題点や刑罰、特に死刑の在り方などかなり考えされられるものがあった。死刑制度を採っている少ない国の一つとして日本があり議論があることは知っていたが、実際に死刑囚に刑を下す人たちの目線で考えることはしなかったので新鮮な視点が得られたと思う。大学で刑法は得意ではなかったが学んでいたのでそのおかげで読みやすかった面もあったのかと思ったので、馴染みがない人にとっては勿論ストーリーは面白いのだが重いものがあるので読みにくいという意見もあるかもしれないと感じた。
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重たいテーマだったが、引き込まれて一気読み。面白かった!審査員満場一致の江戸川乱歩賞と書いてたが納得。
ズシンと来る読み応えなのに、流れるように読んでしまう。これがデビュー作だと聞いてびっくり。脱帽! -
※
第47回江戸川乱歩賞受賞作
映画化もされた有名な一冊。
名前はずっとずっと前から知ってましたが、
死刑に関係する重い話というイメージと
深刻な内容に違いないという先入観が大き過ぎて
なかなか手が出せなかった本でしたが、
『踏切の幽霊』を読んだことをきっかけに
思い切って手に取りました。
人が人を殺め、人が人を裁くという
物凄く難しくて重いテーマ。
被害者遺族、加害者家族、そして死刑に関わる
人たちの尽きることない葛藤が描かれた
とてもとても深く考えさせられる話。
刑罰というルールを作ったが故に、
誰かが法という名のもとに人の命を奪う。
死刑を宣告された人の恐怖や刑の決定と執行に
関わる人たちの感情の揺れ、階段を一段ずつ
上がって行くかのようにじわじわと迫ってくる
緊迫感と臨場感がすごかった。
犯人がわかったかに思えた瞬間に
たちまちひっくり返される軽快さも、
どこまで奥深いのか検討がつかない先の
読めなさも、見えた瞬間に納得させられる
華麗さも、どれもが楽しめました。
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死刑制度の在り方について考えさせられた。
一気に読みました! -
面白かった。
死刑制度をテーマにした小説ですが、読み始めると続きが気になってどんどん読んでしまいます。
手にとって良かったと思える作品です。オススメ! -
真犯人の名前がページをめくった冒頭に表示された時は驚いたんだけども、またまたまたで、その後の展開も面白い。
これだと、よく分からないと思うんだけど、とにかく「面白い!」です。過去一かも知れない。 -
凄い!
第五章 の最後の一文からもぅ読む手が止まらなかった、二転三転する真犯人像。
そして……
中盤が落ち着いた文章なのに、後半に向け 徐々に人間味が溢れて行く展開に心 打たれました。
三上の過去(補導)(友里)の件もしっかり回収して、更に重厚感の増す締めくくり。
そりゃ 様々な所で評価が高い訳ですょ! っと納得の1冊 でした。 -
最初から胸ザワザワ重苦しい。そのザワつきを落着させたい、先が気になる、読み止まれない!
死刑囚:樹原亮は、刑執行の死神がやってくる時間に毎日怯える。
死刑制度、法は平等か、本当の改心と更生とは⁈
死刑執行のタイムリミットまで冤罪を晴らすことはできるのか⁈
凶悪犯罪の被害者が多いほど執行まで時間が稼げる、無期懲役と終身刑の違い、死刑囚は刑務所には入らない、など知らなかったことも学べた。
中盤からの展開が特に凄い!こんな重厚なエンターテイメント作品がデビューとは!
江戸川乱歩受賞作、解説:宮部みゆき氏。 -
犯行時刻の記憶を失った死刑囚 樹原亮。その冤罪を晴らすべく、元刑務官の南郷と仮釈放中の三上が調査を開始する。手がかりは「階段」の記憶のみ。二人は、無実の男を救うことはできるのか。
「死刑」「報復」「贖罪」といった重いテーマを、元刑務官と傷害致死を犯し、仮釈放中の二人のコンビが、死刑囚の冤罪を晴らすということを通して描かれる。
徐々にハイスピードで駆け出していく展開には、気が抜けない。そして読む手が止まらない。最終盤の展開には、頭が追いつかなくなるほど、振り回されました(良い意味)
また、本作のテーマとして、我が国の死刑制度について疑問を投げかけている。殺人を法によって禁じている社会で、法の下に人を殺す死刑制度。この矛盾に対して、非常に考えさせられる作品でもある。みなさんもこの機会に手に取ってみてくださいね。