13階段 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.07
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本棚登録 : 14193
感想 : 1601
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748384

作品紹介・あらすじ

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 面白い〜!
    凄い読み易くてあっという間に読了。
    後書きを読むとやはり脚本家もされている方で、脚本家の作品は異常に読みやすい説が立証されつつある。
    でも脚本家の中でも小説としての面白さには当然レベルがあって、高野和明さんはかなり実力が高い人だと感じた!!素人が上から何言ってんだって感じでごめんだけど!!
    端々にユーモアを散りばめて南郷と純一のバディとしての結束を強め、読者に感情移入させていくのは流石!


    (文庫版p196より)
    神にすがるのは卑怯な気がした。
    すべては人間がやったことなのだ。幼女二名に対する残虐な犯行も、それを犯した者への処刑も。罪と罰は、すべて人間の手で行なわれた。人間がやったことに対しては、人間自身が答を出すべきではないのか。


    人が人を罰して良いのか、ましてやその罰が死だと取り返しがつかないがどうだろうかと思っていたけど、上記を読んで確かになと思った。
    最後はもうお前か〜〜という感じで、小道具が伏線として活きてるのが面白かった!

  • 重いテーマなのに読みやすく、ミステリとしても傑作。様々な伏線がきれい回収されて、清々しい読了感。

  • え、これがデビュー作!?
    天才にも程があるでしょ...。
    ここ最近で読んだ推理小説の中でダントツで面白かったです。冤罪をかけられた1人の男性のために、刑事と元受刑者が手を取り合って解決していく物語。
     
    オノとハンコの指紋鑑定で純一が出てきた時のショックさ。でも「やっぱりなぁ」って。
    もしかして、南郷と一緒に真犯人を探していく中で南郷のことをあざ笑ってたクズだったのかなぁって。ガックシ...とまでなったのに、まさか純一の指紋がカモフラージュのために悪用されていただけなんて。純一がこのまま逮捕されて終わっちゃうのか...?と思いきや、本当にギリギリのところで真犯人登場。もう精神が追い付かない...!真犯人も意外すぎるし、純一の過去も苦しすぎる。というか、主要人物全員過去が重い。背負ってるものが重すぎる...。夜に読むもんじゃないです。
    こんなに二転三転する面白い小説に出会えて超満足。なんでもっと早く出会ってなかったんだろう。

    この「13階段」は、死刑制度や冤罪について結構考えさせられる作品でした。個人的な考えですが、死刑制度は無くさなくていいと思います。報復精神を持つ人間がほとんどだと思うから...。ただ、脆弱で怠慢な法制度については見直すべきだと思ってます。罪を裁くというのは、難しいですね...。また、死刑執行も誰かが絶対にやらないとというのも...心苦しいというか、悩ましいというか。
    もちろん、極悪人は処刑されるべきだと思ってます。...が、違法じゃないってだけで、刑務官も実質人を殺してるってことになるんですもんね。相手がどんな人であれ、人の命を奪うなんて行為、誰もしたくないはず。でも誰かがやらないといけない...。でも多くの国民は死刑を求めてる。キツイ問題だなぁと思います。
     
    死刑は廃止すべきなんて、大切な人を殺された経験もない人が言えたもんじゃないですよね。死刑って国が遺族の代わりに殺戮者を殺す制度、非道徳的だなんて言うけれど、でも実際自分にとって大切な人が殺されたときにおんなじこと言えるかな。きっと私だったら報復精神で死刑を求めてしまうんだと思います...。だから、私は死刑制度賛成派。ただ冤罪は怖いですし、無実な人が死刑になる事件だけは絶対に起きてほしくないなぁと思います。
     
    南郷さん、サウスウィンドベーカリーの夢諦めないでほしいなぁ...。
     
    【好きな箇所】
    法律は正しいのですか。本当に平等なのですか。地位のある人もない人も頭のいい人も良くない人も、金のある人もない人も、悪い人間は犯した罪に見合うように、正しく裁かれているのですか。自分が佐村恭介を殺した行為は、罪なのでしょうか。そんなことも分らない自分は、救いようのない極悪人なのでしょうか。

  • 久々に読む手が止まらなかったー!面白かった!
    死刑制度のあり方とか殺意について深く考えさせられる社会派ミステリーとしてももちろん、どんでん返し小説としてもものすごく楽しめた。途中の展開にはものすごくハラハラさせられた…!
    結末も……ハッピーエンドとも言えるし、そうでもないとも言えて(メリバ?)、いい意味で苦しい終わり方。これは人に勧めたい作品。
    高野和明さん初読みだったけど、他の作品も面白いのかな?機会があったら他の作品も読みたい!

  • めっちゃおもしろかった!!
    今まで読んできたミステリー小説の中でも
    トップレベルでよかった!さすが受賞作品。
    ページめくるたびに続きが気になって
    一日で読みました。

    話が良すぎて、逆に、ハラハラする場面など、
    もっと文増やしていいよ?!ってなってました。笑

  • 死刑に触れるので重みはあるが、それだけではなくミステリーとしても良かった。最後まで分からない。

  • 2024/03/24

  • 4.4
    物語としての完成度が高いだけでなく、死刑制度について深く考えさせられる作品だった。

  • 冤罪事件。99.9%の有罪率やけどつまり0.1%も冤罪があるってことだよね。
    人を殺すこと。悪いことだけど、心を奪われたら命を奪われることと同じくらい辛いことだと思う。
    殺人罪があるなら心を殺されてことにももっと罪を償う法律があってもいいと思う。

  • 刑務官 南郷
    殺人で2年懲役し、仮出獄の青年 三上純一

    死刑囚の冤罪を晴らすために匿名の依頼人から頼まれて捜査が始まる。
    純一の記憶が曖昧なところがずっと最後に絡んでくると思ってはいたけど、、、結末が予想を超えてきて本当に楽しく読めた。

    南郷のエピソードから、死刑執行人は人を殺してしまったという感覚になるなど知らない見地がたくさんあった。

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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