13階段 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.07
  • (1961)
  • (2180)
  • (1298)
  • (90)
  • (23)
本棚登録 : 14284
感想 : 1605
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748384

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 死刑制度の在り方について考えさせられた。 
    一気に読みました!

  • 「一律の法制度で裁きを行うには、人間の心は多様過ぎるという事実」自分は絶対応報刑思想なので、だだの絞首刑よりも死刑囚が被害者にした事を、
    死刑囚に行いまた、その行為を死刑囚が1番精神的苦痛を感じる身内に行わせるべきで、これぐらいすれば抑止力にもなると思っていたからこそ、この一文が響いた
    死刑の次に重い無期懲役が所詮18年で仮釈放なのに驚いた、自分が無知過ぎて情けない
    ミステリーで1番好きな作品になった
    終盤のドキドキ感が凄い
    でも三上側の場面が自分の知識、想像力が乏しいせいで鮮明に風景を浮かばせる事が出来なかった
    野暮だけど、最後長文の手紙をアクリル越しに読んでる南郷を老眼とか大丈夫なんかな?とか、手紙結構長くね?とか、杉浦は読み上げるの断られて、南郷が黙読してる沈黙の間、どんな顔で過ごしてんやろとか想像したら笑ってしまった

  • 犯行時刻の記憶がない死刑囚の冤罪を晴らすために奮闘する刑務官と仮出所した若い男性らの物語。唯一のカギとなるのは、死刑囚がどこかの階段を上がっていった記憶のみ。
    一気読みしたー!設定の面白さもあるが、刑務官や仮出所した方がどんな制限を受けて生活しているのかなど、豆知識も与えてくれる。
    まさか速度違反一つで刑務所逆戻りもあり得るとは、厳しい世界。
    話の中で、真犯人が主役の仮出所した男性ではないか?とも思われる展開などもあり、ヒヤヒヤしながら読めた。

  • ★3.5
    仮出所したばかりの27歳の純一とそれを見守る刑務官の南郷。
    この2人がタッグを組み、冤罪と思われる処刑間近の死刑囚を救う。

    果たして、執行までに間に合うのか?本当に冤罪なのか?事件の真実はいかに…

    てな感じです。
    そうそう、題名にもなっている『13階段』
    日本の死刑制度史上において、『13階段』の死刑台は作られたことないそうな。
    …では、この題名の意味は?と、ここもネタバレになるので( ̄b ̄) シーッ

    もう最後の方はスピード感がすごい。で、頭が混乱した〜^^;
    面白かったです!
    高野和明さん、リピします!

  • めちゃくちゃよかった。
    ジェノサイドが最高で、そのまま引き込まれて読み始めた。
    文章好きだ~~解説の宮部みゆきが平明にして重厚と評していたが正にその通り。好きだ。
    構成も緻密で、関連する書籍を大量に浴びた上で書かれていることを、衒学的にならずともわからせてくる感じがたまらない。好きだ!!!!
    罪を犯した人間がどのように生きるかについて。自分自身深く悔いていることがあり、全てが変わってしまう前に時を戻せないという諦観を磨いて生きてきたから、三上純一に感情移入してカタルシスを得た。彼と同じ年齢である今、読めて本当によかった。
    ジェノサイドもそうだったが、風呂敷広げてきっちり畳んでくるの最高。ラストの追い込みからの解放があまりにも心地よくて、もう既に記憶を消してもう一度読みたい。脳が喜んでいる。老後に期待している。

  • 死刑制度について考えさせられた。

    • 龍之介さん
      死刑制度について考えさせられた。
      死刑制度について考えさせられた。
      2024/01/11
  • ある服役囚が仮釈放で出てきて、ひょんなとから別の死刑囚が冤罪かもしれないと知り、元刑務官と一緒にその証拠をつきすすめていく話し。
    ラストはどうなるのか、真犯人は誰なのか?
    少しずつ真相に近づく模様がなんとも面白く、一気読みでした。

  • 2024/01/09-01/17

  • 久々に本を読みました。
    この本を読むまで、死刑執行人の仕事についてあまり考えることがなく、ただボタンを押すだけ、くらいに思っていましたし、これを読まなかったら今もそう思っていたはずです。
    でも死刑執行について事細かに描写されていたからこそ感情移入できて、こちらまで重苦しい気持ちになりました。
    現実でも法務大臣は書類にサインするのすら後回しにするのに。
    実際に死刑囚を手にかける執行人の苦しみはいかほどのものなのか、考えたこともありませんでした。
    「死刑囚は死刑になるような行為をして死刑にされているのに、自分たち死刑執行人がそいつらのせいで人を殺す苦痛を味わなければならない」…うろ覚えですがこの文章が印象的です。その視点はなかった。
    やっぱり本は新しい価値観を植え付けてくれるのでいいですね。今年はいっぱい本を読むぞ!

  • 大和の図書館で適当に借りた小説。
    犯行時の記憶を失った死刑囚、樹原の冤罪を晴らすため、刑務官の南郷と殺人罪で仮釈放となった前科持ちの青年、三上が協力して事件の謎を追う。
    推理物はあまり好かないけども、死刑制度に対する考えるきっかけになってよかった。内容自体も面白く、仲のいいコンビは読んでいてほぐれるが、罪の意識と断罪には後味が悪かった。
    三上の殺人に対する賠償金が、過去に殺した(勝手に死んだ)光村を経由して、弁護士から彼らの報奨金として支払われていたのは笑える。
    それにしても、三上の最後の手紙は見事だった。三上への同情と、佐村への怒りが増すとともに、三上の後悔とが何とも言えぬ塩梅で提示され、多くの読者が答えの用意されていない問題に直面させられたと思う。
    佐村は死んで当然であり、三上と南郷は無罪であるべきだと俺は考える。
    刑務所の在り方とは一体何なのか、ここについてはとても考えさせられる。
    被害者の溜飲を下げるための報復としての在り方と、罪を犯した犯罪者の社会復帰の為の更正としての在り方とが、昔から議論されているとの事。しかし、釈放された者の半数近くが再犯を犯すという事から、これは如何なものかと思う。
    釈放された後の、真の意味での社会復帰の難しさも語られており、物語が面白いというだけでなく、社会的な話としても参考になった。
    ホテルのオーナーである安藤という事件の真犯人も、保護司から強請られてた為に、その社会や周囲の目からの被害者であるとも言える。
    また、佐村の父親も子を殺された逆恨みから、司直の手で三上を殺そうとするが、ハイテク機械にまつわる伏線が、証拠ねつ造につながっているのは見事だった。
    佐村親子は救いがたい罪人であるからして、人の下す刑では物足りなく思う。そうなると、復讐としての宗教の在り方も、一つ人間が生きていく上ですがるべきものとしてあるように思える。
    三上が仏像の造形に関する本を読んでいる所は、意味ありげで笑った。
    また、刑務官と検察官の死刑執行に対する罪の意識というものが、携わることのない自分には理解できず、もの悲しく思え、そんなに重くとらえる必要はないのでは?と感じてしまう。

全1605件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高野和明の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×