13階段 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748384

感想・レビュー・書評

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  • 文句なしの最高傑作!

  • 誤って人を殺してしまい刑務所に入っていた三上純一。模範囚だったため仮釈放されるが、
    刑務官だった南郷から、「事件当時の記憶を失ってしまった死刑囚の冤罪を晴らす」為にタッグを組んで捜査をしていく話。

    最初純一は、南郷に言えない過去があるし、事件当時同じ街にいたし、その当時腕に怪我を負ってたことが後に分かるし、血液型も犯人と一緒だし、純一が犯人なのかなと思わされていたので、証拠品から純一の指紋が出てきた時には、やっぱりそうか!と思う気持ちと、でもなぜ???って気持ちとで混乱した。

    本当の殺人犯と、純一を殺そうと画策していた佐村父と、最後の追い上げにはとてもびっくりしたし、
    最後の純一の独白には更に驚かされた。

    刑務所や死刑執行の状況など、見たことがないのに、実際に自分が見たのではないかと錯覚するほど細かく描写されており、とても処女作とは思えない素晴らしい作品だった。

  • 2023.10.15 図書館

  • 「ジェノサイド」を読んで、
    他の作品も読みたいと思っていました。
    一気読みでした。

    刑務官の南郷は、
    犯行時刻の記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすべく、
    刑期を終えて出所した三上と共に調査を始める。
    手掛かりは死刑囚の記憶に残っている、
    「階段」のみ。
    死刑執行までの時間は残りわずか。
    事件の真相にたどり着けるのか。

    平日に読んだのは失敗でした、
    通勤、昼休み、帰宅後で一気読みでした。苦笑

    途中、死刑執行シーンが出てくるのですが、
    読みやすい文体のため、想像が易く、
    死刑囚に刑を執行するのも人間なんですよね。
    当たり前のことに改めて、怖い気持ちになりました。

    死刑と私刑。
    目の前で大切な人を失ったとき、
    相手に対して報復の気持ちと憎悪を抱かずにいられるか。

    執行者は、ただの業務として遂行できるのか。

    最後は信じて掴んだものが、
    実は思っていたものと違うんじゃないかという
    迷子になったような不安な気持ちになりました。

    これがデビュー作なんて
    本当にすごいです。

  • 死刑制度について、よく考えた。死刑は必要だと思うが、それを行うのが人間というのはつらいなと思った。完全な犯罪者でも殺すのはトラウマになるかのか。最後まで展開が変わり続けて面白かった

  • 死刑制度という重いテーマですが、ミステリー要素も強くグイグイ読めました。
    何度かひっくり返る真相に最後まで気が抜けません。

  • 事件中の記憶がない死刑囚の無実を
    仮釈放中の若者と刑務所の刑務官という
    不思議なコンビが調査する話し。
    若者の過去や、死刑囚の協力者の謎など
    からみあうストーリーが面白い。
    あと、死刑執行というタイムリミットもよい
    一気読みできるミステリー。おすすめです。

  • デビュー作とは思えないほどの完成度の小説を生み出す作者というのが世の中には稀にいる。
    まさに作者はその1人。
    デビュー作なのに読み進める度に「手堅い」という感想が強くなる。
    死刑制度という重いテーマを扱っているにも関わらず、文章は極めて冷静であり、複数の登場人物の各持論を展開することで人の命や罪に対して、決して説教的ではなく複雑で多面的な物語が構成されている。
    ミステリー作品やミステリー要素を含む作品は、改めて最初から読み直したときに初読の際には気にも留めなかった重要な描写があることに気づけるかどうか、というのが重要だと思っているがこの作品はその要素を十分に満たしていた。

    作中の一番大きなミスリードは読んでいて「流石にこれはミスリードだな!」と気づきはしたものの二転三転する展開は緊迫感があり、点と点が線に繋がるあの感覚が得られていい作品と巡り会えたと思った。オススメ。

  • 第47回江戸川乱歩賞作品!

    最初は登場人物達の立場や環境が自分の知らない事だらけで、あまりのめりこめなかったのですが、話の展開がスリリングで、後半は食い入って読んでしまいました!
    ミステリー小説として面白いけど、かなり考えさせられるものがあるというか、あまり意識したくなかった部分を突きつけられたような感じがあります。

    2001年だそうなので、22年前の作品。
    今読んでも、古さを感じない物語でした。
    先のわからないヒヤヒヤするミステリー展開の中で、主題として提示される社会問題。
    タイトルからも分かる通り、犯罪と司法について。
    死刑制度の賛否、その仕組みの正当さへの問い、犯罪者の社会復帰の難しさ、服役している中で犯罪者と関わりを持つ職業の人の心情、被害者やその遺族の苦悩など…
    きっと本当は、今読めば古い話だと言えるような社会になってた方がいいんだろうけど。

    人類始まって以来、今までもこれからも多分
    怒りや暴力、復讐みたいな負の連鎖って無くなることはないんでしょうね。

  • どんな理由と感情があろうと、結局結果論でしか見てもらわれへんねんなあ

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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