- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748384
感想・レビュー・書評
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文句なしの最高傑作!
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2023.10.15 図書館
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「ジェノサイド」を読んで、
他の作品も読みたいと思っていました。
一気読みでした。
刑務官の南郷は、
犯行時刻の記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすべく、
刑期を終えて出所した三上と共に調査を始める。
手掛かりは死刑囚の記憶に残っている、
「階段」のみ。
死刑執行までの時間は残りわずか。
事件の真相にたどり着けるのか。
平日に読んだのは失敗でした、
通勤、昼休み、帰宅後で一気読みでした。苦笑
途中、死刑執行シーンが出てくるのですが、
読みやすい文体のため、想像が易く、
死刑囚に刑を執行するのも人間なんですよね。
当たり前のことに改めて、怖い気持ちになりました。
死刑と私刑。
目の前で大切な人を失ったとき、
相手に対して報復の気持ちと憎悪を抱かずにいられるか。
執行者は、ただの業務として遂行できるのか。
最後は信じて掴んだものが、
実は思っていたものと違うんじゃないかという
迷子になったような不安な気持ちになりました。
これがデビュー作なんて
本当にすごいです。 -
死刑制度について、よく考えた。死刑は必要だと思うが、それを行うのが人間というのはつらいなと思った。完全な犯罪者でも殺すのはトラウマになるかのか。最後まで展開が変わり続けて面白かった
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死刑制度という重いテーマですが、ミステリー要素も強くグイグイ読めました。
何度かひっくり返る真相に最後まで気が抜けません。 -
事件中の記憶がない死刑囚の無実を
仮釈放中の若者と刑務所の刑務官という
不思議なコンビが調査する話し。
若者の過去や、死刑囚の協力者の謎など
からみあうストーリーが面白い。
あと、死刑執行というタイムリミットもよい
一気読みできるミステリー。おすすめです。
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第47回江戸川乱歩賞作品!
最初は登場人物達の立場や環境が自分の知らない事だらけで、あまりのめりこめなかったのですが、話の展開がスリリングで、後半は食い入って読んでしまいました!
ミステリー小説として面白いけど、かなり考えさせられるものがあるというか、あまり意識したくなかった部分を突きつけられたような感じがあります。
2001年だそうなので、22年前の作品。
今読んでも、古さを感じない物語でした。
先のわからないヒヤヒヤするミステリー展開の中で、主題として提示される社会問題。
タイトルからも分かる通り、犯罪と司法について。
死刑制度の賛否、その仕組みの正当さへの問い、犯罪者の社会復帰の難しさ、服役している中で犯罪者と関わりを持つ職業の人の心情、被害者やその遺族の苦悩など…
きっと本当は、今読めば古い話だと言えるような社会になってた方がいいんだろうけど。
人類始まって以来、今までもこれからも多分
怒りや暴力、復讐みたいな負の連鎖って無くなることはないんでしょうね。