13階段 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.07
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本棚登録 : 14284
感想 : 1605
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748384

感想・レビュー・書評

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  • 面白くてあっという間に読み終わりました。
    死刑制度について考えさせられるとともに話自体もかなり面白く最後の方のスピード感はドキドキしました。
    舞台となっている場所が知っている場所だったので主人公は今どの辺にいるのか、ということも鮮明にイメージできてより物語に入り込むことができました。

  • 寝る前に残り150ページ位を一気読み。
    めちゃくちゃ面白かった!

    死刑制度反対派の気持ちは分からないと思っていたけど、この本を読んで色々考えさせられた。
    死刑囚の日常は自分がその立場になったらと思うと怖かった。

    でも報復感情は被害者側からすれば目を背けられないし、相手が屑の場合は死刑制度は致し方ないかなと思う。

  • 本作は一貫して死刑制度の賛否を述べない姿勢を取りながらも、その構造や心情について丁寧に描かれたものだったため、読み手にその賛否を考えさせるような、強い力を持つ小説だったと感じる。

    第二の死刑執行人の話で、神は贖罪の意志を持った人間を許す、救いを求める人に手を差し伸べるものであるために割を食う人間が救われないというのも、何だか可笑しな話だなと思った。より強く、その救いを求める者が救われるのも宗教らしいと言えるけど、それが私だったら、と思うともどかしさを感じた。

  • 面白くて一気読みしてしまった。
    死刑制度に疑問を持つ刑務官と、過去に殺人を犯してしまった青年がタッグを組んで、無実の死刑囚を救い出すため獅子奮闘する話。

    登場人物が多く、その度にこの人が真犯人かもしれない、いややはりこちらかも。と疑念を抱きながら、自分も推理しながら読み進める。自分の推理が合っているか、答え合わせがしたくてたまらなくなり、他のジャンルよりも一気に読んでしまう。
    数学が好きな私は、問題を解いている気持ちになるし、何より答えがあるものが好きなんだと思う。
    だからミステリーはやめられない。
    まあ、推理が合っていることなんてないし、いつも意外な人が犯人なんだけれども。笑

    また、この小説はミステリーだけでなく、
    死刑制度についても考えさせられるいい小説だった。
    人が人を裁く時、犯した罪の重さで刑期を課すことはできても、人の心の中まで伺い知ることはできない。
    特に、改悛の情があるかで死刑か否かの分岐点になるが、死刑を避けるために口ではいくらでも言える、祈ることもできる。
    でも被害者に対して罪の意識が本当にあるかは測ることができない。
    人の心の内を知ることは誰にもできないのだ。
    三上にしても、多くの犯罪者を見てきた南郷は心から反省していて更生できると考えていたが、最後の手紙でそうではないと判明する。(被害者が屑なので私としては三上のことを支持したいが)

    佐村の父も、怒りを抑えて冷静に三上に接しているのかと思いきや、内心は憎しみでいっぱいで自分が犯罪者になってまで三上の人生を終わらせようとしていたり。
    人の本音は最後自分が追い詰められてしか分からない。
    だからこそ、南郷が手をかけた160番3人殺しているが間違いなく改悛し、最後の時まで罪を認めている。
    もちろん殺人を犯しているが、160番が死刑になるなら他にも裁かれるべき犯罪者がいるのではないかと思わざるをえない。

    人が人を裁くことの難しさを考えさせられるいい小説だった。

  • もうちょい解説欲すい、

  • くそおもろい

  • 壁の中の実情が丁寧に描かれていてその点も興味深かったです。罪を犯す心情、罪に向き合う心情、それに相俟ったミステリーの進展、とても面白かったです。

  • ジェノサイドを読んでめちゃくちゃ面白かったのでこの本を借りてみたら、その本はお前は前に読んでるって主人に言われて愕然。確かに読み始めてすぐに気づいた(題名ではまるでピンとこなかったw)。

    テーマは重いし、死刑執行の様子がじっとりと嫌な汗をかく描写で緊張感ハンパなく。10年前の犯行を警察以外の人間が掘り下げていく様子や、冤罪だったら真犯人は一体誰なん?が最後の最後まで想像を裏切る感じで一気読みでした。

    読む人の心掴んだら離さないわね、高野さん。

  • ここ十数年、すっかり本は電子書籍で読む習慣がついてしまい
    紙の本を購入する機会が減ってしまいました。
    こちらは電子書籍化されていない本です
    前々からずっと読みたかったけど
    長年タイミングを逃してしていた小説でしたが
    ようやく読むことができました

    これ、、、デビュー作ですか!?
    すごい質量と迫力で
    読み始めたら止まらなくなってしまい
    夜更かしして一気に読んでしまいました
    最後のクライマックスは瞬きも惜しいほど
    ハラハラドキドキしながら読みました
    こんな感覚になったのは、上橋菜穂子さんの獣の奏者以来です
    素敵な読書体験をさせてもらいました
    次に本屋さんに寄ったら
    著者の代表作ジェノサイドを購入します

  • 第47回江戸川乱歩賞受賞作
    デビュー作とは思えない濃さ
    宮部みゆきさんも大絶賛

    刑務官と傷害致死の前科者が
    記憶を失った死刑囚の冤罪をはらす。
    お互いによるカタルシス浄化と
    時を超えたサスペンスの交差が
    見事に終着した素晴らしい作品

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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