- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748384
感想・レビュー・書評
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「死刑制度」をテーマにしているので、最初から最後まで緊張しながら読み進めました。
とある死刑囚の冤罪を晴らすべく、調査を進める2人。ラスト100ページくらいで一気に話が進むので、そこから一気読み。明かされる真相には驚愕しました。
知らなかった職業や制度などがたくさん出てきて、とても勉強になりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冤罪によって死刑執行をあと数ヶ月でむかえる受刑者を救うために、現役、かつ、元刑務官と服役を終えた青年が活躍するストーリー。面白かったです。
舞台は千葉県の勝浦周辺で、海と山のある風景としてイメージがしやすく、いかにもありそうな山道などが物語の中で多く出てきます。また、刑務所の中の生活や死刑執行の細かな手続きと描写は、日常からは想像のできない内容ですが、本書を通して如何に厳しく一般から離れているかが良くわかります。
エンディングの収まりもしっくりときて、かつ、冤罪の持つ恐ろしさ、官僚事務手続き無機質な感触、人の持つ復讐心等、ミステリーの物語の中に色々と詰まっていて大変楽しめました。 -
凄い...絶賛されている理由が分かった.
2転3転するが、途中で投げられたピースを予想の何段階か上で組み立てられて圧巻!!だった.
凄い...
(Twitterで話題?になってる死刑スイッチについての議論に対して、普通は押せないだろと改めて思えるなどした(これを読み返した時に謎なので消そう)) -
かなり久しぶりに再読。昔読んだ時に非常におもしろかった記憶があったが、やっぱりおもしろかった。
死刑囚や刑務官が登場人物として出てくる話のため、普通に生活していては中々知ることのできない事も知れて興味をそそられる。
人間の色んな感情が交差して物語が作り上げられており、最終的に一気に回収されて気持ちがいい。
ただ、決して明るい話ではなく深く考えさせられる部分もあり、心に重く沈む渾身作。 -
死刑囚の冤罪をはらすべく看守と傷害致死の前科持ちの2人が動く小説。展開の面白さに読み出したら止まらない。殺人が起こす被害者と加害者の家族への影響には想像もつかない。最後南郷はどうなったんだろう、と考えることがいい読後感となった。
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2004年に出版された文庫本ですが、令和に読んでも古くささを感じない骨太な作品でした。
刑務官と前科者のバディが、ある死刑囚の冤罪を証明するために奔走します。死刑制度運用の不完全さを真正面から取り上げたうえでエンターテイメントに昇華させた著者の腕に脱帽。死刑囚舎房や執行場の描写にはその場の空気を感じさせるリアリティがあります。
散りばめられた伏線を回収にかかる終盤の展開の目まぐるしさには思わず手に汗握ります。
文章にとっつきづらいところもなく自然に没入できます。いちばん気に入っているのはやはり最終章の独白でしょうか。すべてが良い方向に決着するわけではなく、かといってこの結末が悪いわけではなく、どう解釈し味わうか…非常に楽しめた作品でした。
巻末に宮部みゆきさんの解説が付いているのもポイントです。 -
おもろいおもろいおもろい
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この小説は「一度社会の規律に背いた者が、再び社会復帰する事の難しさ」や「罪を裁く事の難しさ」であると思います。これらのテーマに沿い、元刑務官と殺人者と弁護士が手を組み、冤罪で死刑判決を受けた人を極刑前に救い出すというストーリーです。設定が難しく感じますが、作者のデビュー作とは思えない筆力で、読み始めるとスラスラ読む事が出来ました。
途中ダレる部分もなく、最初から最後まで非常に面白かったです。 -
基本的に一度読んだ本は読まない。
この本は時間をおいて3度読んだ。
私の読書人生の中で唯一の本