13階段 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.07
  • (1960)
  • (2178)
  • (1298)
  • (90)
  • (23)
本棚登録 : 14266
感想 : 1604
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748384

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 刑務所内部の手続き、流れや、死刑制度に関してなど、普通では知り得ないことの描写、説明が興味を引かれて退屈しない。

    ただ、小説のメインの物語自体が、今一つ私には面白く感じなかったかな…。
    序章の始まりは、すごく良かったのですが。

    そもそも、南郷と三上が、なぜ樹原の冤罪を晴らそうと強く思えるのか理解できず納得感がないので、2人の捜査自体にあまり入り込めない。
    なので、どちらにも感情移入ができなかった気がする。
    ただ、小説としては、とても読みやすかった。

    終章での、結末もちょっとそれはないのでは?
    と感じてしまった。
    13階段での事件の詳細も、ちょっと曖昧なままだったような。状況が理解できなかった。

    マイナスな感想を述べてしまい申し訳ないが、個人的に、もっと本格的な推理小説が好きなので、本作のような、社会派的な小説?が合わなかったようだ。

  • 後半にかけて面白くなっていった!文章が淡白で最初は何だかなーって思ってたけどこれはこれでいいのかな。最初に出てきた何気ないところが全て伏線だった。

  • 凄い!

    第五章 の最後の一文からもぅ読む手が止まらなかった、二転三転する真犯人像。
    そして……
    中盤が落ち着いた文章なのに、後半に向け 徐々に人間味が溢れて行く展開に心 打たれました。

    三上の過去(補導)(友里)の件もしっかり回収して、更に重厚感の増す締めくくり。

    そりゃ 様々な所で評価が高い訳ですょ! っと納得の1冊 でした。

  • 死刑について考えさせられる作品
    内容については、すごく好きなものでした。
    樹原かわいそうだなと感じた。

  • 一人の法学部生として読んだが、実務的な問題点(霞が関や刑務所など)は、新鮮で面白いと思った。ジャーナリズムとしての物語は非常に優れていると思う。
    その一方でコアとなる死刑についての法律的視点は薄いかなと感じた。
    刑法を制裁と更生という2つの側面から語るのは、死刑の是非について考える上で避けては通れないものなのでそこは良かったと思う。
    ただ、ふわりとした死刑に伴う問題点を出しただけで、もう一歩核心へと踏み込むものが欲しかったと思うのは私が法学部生だからかもしれない。
    ミステリー小説としての純粋な評価としては低め。個人的にはもっとストンと納得させるものが良かったと感じた。
    ミステリー小説としては星2、社会派小説としては星4、総合的に見て星3というのが私の評価。

    高野和明さんの『ジェノサイド』を読んで腰を抜かすほど面白かったが、今作は個人的には1つか2つくらい落ちるかなと思った。

  • 自分は書き出しが面白い小説は良い小説だと思っている節がある為、書き出しの「死神は、午前九時にやって来る」から一気に物語に引き込まれた。

    本筋の事件と直接の関係はないが、四章の「過去」があることで、物語や南郷のキャラクターに深みを持たせていのが良かった。実際どのように死刑が執行されているか、想像したこともなかったから、刑務官目線のあまりの壮絶な経験に言葉を失った。

    そして五章の最後の一文から、事件の概要が徐々に明らかになっていく様が凄まじくて、「どうなってしまうんだ」とドキドキしながら、そして想像を超える展開に「ちょっと待ってくれよ」と思いながらもページをめくってしまうのは、あまりにも楽しい読書体験だった。

    また、この小説は登場人物たちも妙に生き生きとしていて、言葉では多く語られていないのに、一人ひとりの人間性とか生き様が伝わってきて、とても魅力的だった。自分がそれぞれの立場だったらどう行動しただろうとも考えた。

    好きなシーンは沢山あるけど、個人的には「私だけだ大学に行ったもので」「弟への借りを返しに」が好きだった。

  • 有名な作品なので、読んでみました。
    途中や後半、苦手な描写があってキツかったですが、でも一気に読んでしまいました。
    面白かったです!

  • 死刑や冤罪といったテーマに興味があって読み始めました。思った通り重い内容ではあったけれど、テンポよく展開していくストーリー、臨場感、ほぼ一気読みの面白さでした。
    死刑執行を目前に控えた死刑囚の冤罪を晴らすため手を組み立ち上がった2人、傷害致死の前科を背負った青年・純一と刑務官・南郷。お互い立場は全然違うけれど、最高のバディでした…
    2人の捜査によって浮かび上がってくる容疑者たちが次々と怪しくみえてきて自分自身も推理にのめり込んでいきました。
    個人的に1番好きな登場人物は中森検事です。

  • 江戸川乱歩賞を受賞した作品が全体的に好みだと気付いて(遅すぎる)ちょこちょこ読んでいっております。
    原作者の高野さんは脚本家としてもご活躍なされていたそうで、非常に納得しました。
    キャラクターの動かし方、個性の付け方、話の構成が非常にお上手!!

    死刑制度に関する法の正義とは、真実とは、を全体的に通して問いかける作品ですので映画の『デッドマンズウォーキング』等を思い出しますが、ミステリー、エンタメとしても楽しめました。

    主人公の南郷と2年の刑期を終えて出所して来た純一君のバディ感がほっこりさせてくれるので、重たいテーマにも関わらずするすると読ませてくれます。

    終盤に訪れる怒涛の展開に、えぇ?!えぇ?!なんで?!と頭の中でずっと叫びながら迎えたラスト。
    純一の告白とそれに対する南郷の一言に、あぁー…。と天を仰ぎました(久々のお家芸)

    この時の乱歩賞は呉さんの『道徳の時間』と違って満場一致でこちらの作品に決まったそうです。
    まあ、分かるなあ…。
    でも私は『道徳の時間』最高だと思いますよ(繰り返しますがステマではありません)

    高野さんの2作目の『グレイヴディッカー』がより好みそうなので読みたいです。
    こうしてまた読みたい本がどんどんと…精神と時の部屋はどこにありますか?

  • 終盤の展開が圧倒的でした。
    『そういうことか』とつい唸ってしまった。

全1604件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高野和明の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×