蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 641
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748919

感想・レビュー・書評

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  • 中国で1300年間続いた科挙に挑む青年と、その青年とは幼馴染ながら貧しい家に住む少年とが高名な占い師から輝かしい将来を予言され、清代末期の乱世に翻弄されていく物語。
    科挙がとんでもなく難しい試験だとは知っていたけれど、そのシステムの詳細を本作で知って唖然とした。
    作中にも試験の重圧で正気を失ってしまう人が出て来るけれど、それも当然のように思う。そのくらい破格に過酷な試練。
    ストーリーはまだまだ序章。中国が舞台で、人物や事物の名称が難しいから手を出しかねていたけれど、思い切って読み始めると面白かった。

  • 面白かった
    中国清朝の末期の物語

    どこまでが史実でどこまでがフィクションなのかもわからず読みきりました。
    Wikiで確認すると主人公の二人、春児と文秀は架空の人物なんですね。

    同じ人物なのに複数の名前が出てくるは、人物関係が良くわかんないは、似たような名前で系図を確認するはで結構読み進めるのが大変でしたが、とても面白かったです。
    中学、高校の世界史を思い出しました。
    そう、科挙制度とか宦官とかアヘン戦争、日清戦争、ありましたよね。、その当時の日本は伊藤博文だったのね...
    高校のときはひたすら暗記でしたが、こうして物語になっていると、なるほどいろいろ理解が進みます。

    さて、全4巻からなるストーリは、清朝末期における春児と文秀のサクセスストーリー
    春児は宦官として西太后の側近へ
    文秀は科挙として高級官僚へ
    そして、二人は保守派と改革派として清朝末期の激動の時代にもまれていく。
    中華の維新は成功するのか、二人の運命はどうなるのか?
    といったストーリ展開

    第1巻では春児と文秀の子供時代、
    科挙試験の様子を理解することができます。すごい。おそろべし。
    さらに宦官になる方法。きっちゃうんですね。当然ですけど..
    結果、文秀が見事に科挙試験に合格し、一方春児は宦官へ
    さらには、乾隆帝の時代の龍玉の秘密
    などが語られています。

  • 中国って壮大。
    そんな国を何年にも渡って治めた悪評高い西太后。偉大なんじゃなくて?
    私が知ってる歴史なんて、都合良く隠されて塗り替えられてきたものかもしれない。
    創作だとしても、波乱の中を一心に生きる主人公たちの姿に何度も胸を打たれた。

  • やっぱり浅田次郎はストーリーテラーとして素晴らしい。読み終えてまずはそんな感想が浮かんだ。

    元々苦手な歴史もの、更にはもっと苦手な中国もの。なのにとても楽しめて、どんどん読み進められた。初めは、何が史実に基づいていて何が創作なのかが気になったが、途中からそんな事はどうでもよく、これは浅田次郎が語る西太后と、春児と、文秀の話として引き込まれた。浅田の人物描写が素晴らしい。そして、創作であっても有名な西太后に新たな人物像を与えていて、それがなかなか良い。

    それにしても、カスチョリーネと文秀の手紙は電車の中でありながら、涙が出てしまった。うまいなぁ、浅田。他にもジーンとするシーン多数あり。また、お陰で中国の科挙制度や近代化に向けての時代について知る事ができ、興味も湧いた。

  •  登場人物の多さ、中国人の名前と呼び名、役職と階級。自分にはこの作品が完読できるのだろうか、と不安になった。主要登場人物のしおりと清朝関略係系図が救ってくれた。この二つを照らし合わせながら読み進めると、気が楽になった。さらに、登場人物にフリガナが多く記載されているところも有難い。役職と階級は大枠を把握する程度で充分。肩の力を抜けば、先を読みたくなる躍動感あふれるストーリーだと思う。

    詳細感想は4巻へ

  • 【読了メモ】(140930 21:50) 浅田次郎『蒼穹の昴』(1)/講談社文庫/2004 Oct 15th/これは…!どうして今まで巡り合わなかったんだろう、手に取らなかったのは何故だと、過去を悔やむほどに惹き込まれる。

  •  まさに巻を措く能わず、次が気になる徹夜本です。清朝末期の宮廷を舞台に、貧民出身の宦官李春雲と科挙の第一等及第者の梁文秀のふたりを軸に、激動の時代が実に魅力的に描かれています。西太后=悪女というイメージがガラガラと音を立てて崩れていくのも驚き。「珍妃の井戸」「中原の虹」「マンチュリアンレポート」と続くので、シリーズで読むことをおすすめします。紫禁城、北京、万里の長城、瀋陽など、中国旅行で定番のスポットも、この本を読んでから訪れれば、歴史を身近に感じられてより興趣が深まることうけあいです。

    • reiko510さん
      シリーズで先日「マンチュリアンレポート」まで読み終わりました。壮大な流れの中で、その時代だけでなく「中国」という国を歴史から消さないために、...
      シリーズで先日「マンチュリアンレポート」まで読み終わりました。壮大な流れの中で、その時代だけでなく「中国」という国を歴史から消さないために、という視点は新鮮でした。
      2011/07/01
  • Amazonオーディブルで聴いた。

    面白いんだけど、ワクワクしない。
    なぜワクワクしないかは分からないけど、この時代の行く末に明るいイメージがないからか(詳しくは知らない)。

    科挙について詳しく出てきて、何となく自分の受けた資格試験、というか、それに合格して研修した後の卒業試験みたいなもののことを思い出した。
    レベルは全然違うんだけど(笑)。

    ワクワクしないから続きを聴く意欲が湧かない。
    他のものを聴くか…。

  • 科挙や宦官については具体的なことを知らなかったので、大変興味深かった。科挙に合格することや宦官になることの大変さが細かく描かれて面白かった。これから物語が大きく動き出すと感じた。

  • 清朝末期、科挙に挑む若者。その若者を慕う少年。

    そのあと、日清戦争後まで激動の中国を背景に主人公やその周囲の一団がたどる運命とは。

    科挙や、宦官、宮廷内の暮らしなど精密に描写されていることで圧倒的なリアリティを備えている。(そして長い物語となる)

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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