- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748919
感想・レビュー・書評
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『蒼穹の昴』シリーズは清末からの東北を中心とした中国近現代史の歴史小説シリーズである。時系列的には以下のように並ぶ。
第一部『蒼穹の昴』戊戌の変法・戊戌の政変
第二部『珍妃の井戸』北清事変
第三部『中原の虹』辛亥革命
第四部『マンチュリアン・リポート』張作霖爆殺事件
第五部『天子蒙塵』満州国建国
第六部『兵諫』西安事件
『蒼穹の昴』シリーズは奇数部と偶数部では趣きが大きく異なる。奇数部は人間ドラマが濃い。視点人物の今の経験が描写される現在進行形の物語である。清朝の過去の出来事も挿入され、清朝全体の歴史ドラマの要素もある。これに対して偶数部は一つの歴史的事件を終わった後から真相に迫る。歴史ミステリーの要素が強い。奇数部は大作であるが、偶数部は単行本一冊である。
このため、『蒼穹の昴』の物語の雰囲気に感動して続編として『珍妃の井戸』を期待すると違和感を抱く向きもあるだろう。『珍妃の井戸』はスピンオフ、外伝的である。キャラクターや物語のつながりとしては『中原の虹』が『蒼穹の昴』の直接の続編と言ってよい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「蒼穹の昴 1」浅田次郎著、講談社文庫、2004.10.15
378p ¥620 C0193 (2022.04.05読了)(2010.09.20購入)(2006.12.10/5刷)
【目次】
第一章 科挙登第
第二章 乾隆の玉
☆関連図書(既読)
「鉄道員」浅田次郎著、集英社、1997.04.30
「壬生義士伝(上)」浅田次郎著、文春文庫、2002.09.10
「壬生義士伝(下)」浅田次郎著、文春文庫、2002.09.10
(「BOOK」データベースより)amazon
汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろうー中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつべストセラー大作。 -
4.1/5751
(蒼穹の昴シリーズ:「蒼穹の昴」(全四巻)→「珍妃の井戸」→「中原の虹」(全四巻)→「マンチュリアン・リポート」→「天子蒙塵」(全四巻)→「兵諫」)
内容(「BOOK」データベースより)
『汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう―中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつべストセラー大作。』
冒頭
『大清国光緒十二年・西暦一八八六年 冬
梁家屯の貧しき寡婦の倅、李春雪よ。
畑もなく鍬もなく、舟もなく綱もなく、街道に凍てたる牛馬の糞を拾いて生計となす、卑しきやつがれ、小李よ。
聞かずとも良い。知りたくば耳をそばだてよ。
媼の声は病に衰え、汝の耳は瘡に被われておる。』
『蒼穹の昴(そうきゅうのすばる)』
著者:浅田次郎
出版社 : 講談社
文庫 : 384ページ
テレビドラマ化(2010年) -
面白かった。感想は4巻で
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(1〜4含む)
文庫で4巻とそこそこのボリュームだが苦もなく最後まで読み進められた。
情景や風俗が細かく表現されており、頭の中でイメージがしやすい。
ほぼ実在の登場人物と史実どおりの時代背景に、違和感なくフィクション要素が溶け込んでいると思う。
始めは主人公格の人物視点で分かりやすかったが、後半になると出番が少なくなり、その分視点があちこちに散らばっており収集がつかなくなってるように感じた。 -
宦官として成り上がる春児、科挙試験を受ける文秀が主人公。
清国の終わり、洋務運動を中心として、光緒帝、西太后、袁世凱、諸外国のやりとりを描く。
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麻酔無しで己の肉体の健康な一部を自分で切り離す壮絶
貧さの中で家族の為に、宮廷の宦官として生きる事を選んだ李春雲(リイチュンユン)
時代は最後の皇帝、光緒帝(こうしょてい) /愛新覚羅・載湉(ツァイテン) を頂き、西太后が実権を握る動乱の世
西太后に引き立てられる事で出世してゆく彼だが
暗い後宮の裏側の駆け引きと人の情、長編作品ゆえの深さ是非オススメ -
たまたま購入してた世界史の図説とYouTubeの歴史動画で知識を補填しながらの最終巻まで一気読み。十二国記や彩雲国などの過去の読書歴も役に立ったかな。
一気に読ませる面白さはあったけれど、十二国記シリーズのすごさを改めて実感。 -
ページ数多いけどサクッと読めちゃう。読んでるとすんなり風景が見える。映画やドラマっぽさがある。気になる続き。