オルファクトグラム(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750073

感想・レビュー・書評

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  • 嗅覚だけの世界というものをしっかり描けている作品。それを推理と恋愛とで味付けして読み応えある小説になってる。

  • (上下あわせての感想)
    単純に面白かった。異常な嗅覚を持つ主人公が姉の殺害、友人の失踪から犯人を追い詰めていく。この本の面白いのは、特殊能力に頼るだけで解決するのではなく、特異体質の主人公が苦悩しながら普通の人々にその能力を理解させ調和して生きていこうとするところ。

  • ハラハラドキドキ面白かった。
    最後の会話に心が暖まった。

  • 8月-10。3.5点。
    嗅覚が発達した主人公、犯人を嗅覚で追い詰める。
    行方不明のバンドメンバーと、犯人がつながる。
    主人公の体に異変が。
    読みやすいが、ラストが惜しい。尻すぼみかな。
    でもまま面白かった。

  • ストーリはワリとサラッとしてるけど、匂いの視覚化にハマッて一気読み。犯人の動機とか異常性が何故だかイマイチだったけど、匂いをたどって追い詰めていくとこはドキドキした。
    ミノルとマミの関係が良いね◎

  • 上巻に比べるとテンポアップされて読みやすくなったけれど
    やはり『策に溺れる』感ぬぐえず。
    嗅覚の描写にばかり熱心で
    人物描写や背景がほったらかし。
    動機はまだしも特異な殺害方法に対する説明も無しってのはいかがなものか・・。

    【図書館・初読・5/31読了】

  • 本筋を伝えるのに不可欠ではない描写や説明も多く、面白いことは面白いんだけど…、とほんの少しの退屈も感じていた特に上巻だが、下巻に入る頃から印象は一変。
    劇的に動き出すストーリーが決して興醒めさせるようなものではなく、素直に読者の興奮を誘い、ドキドキ感を煽る。
    ひょっとすると、荒唐無稽でナンセンスなマンガに終わりかねない危うい設定でもあると思うが、そこらへんは井上夢人氏のことだから、心配するだけ無駄だった、ということかな。
    ただ、やっぱりちょっと全体的には拡散しすぎていて、冗長な部分もあることは否めない作品。

  • 姉を殺害した犯人に襲撃された後遺症から、イヌ並みの嗅覚をもつことになった主人公。嗅覚を頼りに犯人を見つけ出そうというお話。匂いの視覚化って設定は非常におもしろい。ただ、ちょっと間延び感が否めないような。どうせ長くなるんなら、犯人像もきっちりとさせてミステリーとして書き上げてほしかった。

  • 究極の徹夜本。
    特に後半の展開の速さは凄いね~

  • 厚さを感じさせない面白さである。
    『funny』では無く『interesting』な面白さである。
    殺人犯に頭部を殴打され、昏睡から目覚めてみるとイヌ並の嗅覚を獲得していた主人公・片桐。今作は類稀な嗅覚を持つに至った彼が、その能力を生かして姉を殺した殺人鬼を追い詰めるミステリィなのである。

    匂いが「見える」程の嗅覚である。
    「パンの匂いが分かる」のではなく「パンを構成する匂いを解読出来る」のである。
    まるで宝石の様な輝きを見せる嗅覚の世界の描写は本当に美しい。私も風を見てみたいものである。

    ミステリィとしてはかなり変則的である。
    常人を超えた能力を持つ主人公だから作法あれこれを論じても仕方が無いだろう。しかしながら、本の中の「ルール」の説得力が格別である。
    『嗅覚探偵』に何が出来て、何が出来ないのかを分かりやすい比喩とともにスラリと解説してくれる。ルールが明確だからこそ、ミステリィとしては一見ありふれた設定の事件を一気に読ませる勢いを生むのである。


    また、登場人物が非常に魅力的。
    片桐とその彼女マミの関係性がかなり好きなのである。青春の終わりの素敵な恋愛なのである。
    片桐と世界を共有する事が出来なかくなってしまったマミが最後に漏らす一言が、どこか破滅的な印象漂う物語に爽やかな救いを齎してくれた様に私は感じたのである。

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著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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