- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062750073
感想・レビュー・書評
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井上夢人、真骨頂。「クラインの壺」や「ダレカガナカニイル」などシックス・センス的なストーリーは流石、うまいですね。ちょっと勿体ないのが犯人との対決があっさりとしていて、犯人キャラも中途半端な感が否めないこと。ところどころに犯人との対決へと向けた伏線らしきものがあるのだけれど、生かし切れず。主人公の特異性と同じくらい、犯人の異常性を際だたせてもよかったと思う。
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昼間に自分のバンドの曲が入った、完成したCDを聞かせようと訪れた結婚してた姉の家。呼んだのだが、誰も出ない。玄関は、鍵がかかって無く扉を開けると奥からうめき声が・・。うめき声を追って二階の寝室に行くと姉が全裸でベットに縛られてた。助けようとしたのだが、突然後ろから殴られ意識を失う・・。
意識が戻ったのは、病院の病室。聞いてみると脳内に大量の出血をしていて、血を抜く手術をしたと言う。意識を取り戻すのに一ヵ月。そして、目の前の光景が変わってた。匂いが見えるのだ。匂いは、クラゲのように漂っていて美しい光景に魅了される。
姉は、あの後血を抜かれ殺された。バンドの仲間も行方不明だと言う。
自分に起こった事に戸惑いながら、犬以上の嗅覚を使い姉の死・仲間の行方不明の事件を追い求める・・。自分の嗅覚を調べながら、事件の真相にせまる。彼が辿り着いた真相とは・・。
井上夢人が送る、不思議な世界です。このミステリーが凄い(2001年)第4位の作品です。これは、面白いですねもし、読んでなければ、読むのもいいかもです井上夢人の世界に浸かってみませんか?
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2005年4月6日読了
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犯人についての記述がほとんど無かったのが印象的です。犯行の動機や心理などが全く描かれておらず、犯人はただの犯人で、それ以上でも以下でもない、といった感じ。謎を解く場面も一応あることにはあるのですが、主人公のミノルは物理的な手がかりではなく、匂いだけを頼りに犯人を追う。たったそれだけなのに、ここまで面白く読ませるのはさすがですね。ミノルが自分の嗅覚に徐々に馴染んで行く様子も読んでいて楽しかったです。
ラストも爽やかで心地良かったです。ミノルとマミには幸せになって欲しいです。もちろん、これから生まれて来る子供にも。
そして上下巻を読み終えて一番に思ったことは、美しい物語だな、ということ。ミノルが見ている“匂いの世界”が本当にとても美しい。私も一度で良いから見てみたいです。 -
200705
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新規購入ではなく、積読状態だったもの。
2011/12/3~12/4
下巻は畳み掛けるような展開で一気に読ませる。ただ、メインストーリーに集中するのは良いのだか、脇役達の登場場面があまりにも少なくなってしまい、どうなったのか気になってしまった。が、そんなことは置いておいて名作である。解説で映像化されたと書いてあったが、不覚にも知らなかった。是非見てみたいなあ。 -
下巻だよ〜(^。^)
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臭いが見えたらどうなるか?そんな世界を井上夢人が描きます。ストーリー展開、臭いが視覚化していく描写、全てが有機的に絡み合い、素晴らしい物語世界を紡ぎ出しています。お奨め!
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テレビ局や警察と連携して徐々に犯人を追い詰めていく主人公。
最後の犯人の抵抗にどう対処するのか。。
下巻はサスペンス色が強くなっています。 -
わんちゃんの鼻のお話(下)。