新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756853

感想・レビュー・書評

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  • 篤姫が姑として苦悩や嫉妬する姿には人間らしくて好感を持てました。ただの聖人君子よりも人として魅力を感じました。滝山も幾島もやっぱり素敵で、どろどろとした女の世界で登りつめる人とは、強く広くなくてはならないんだなぁ~と改めて思いました。

  • ・皇女というのは古来、縁組に恵まれぬ運命で、江戸時代の後水尾天皇から光格天皇に至るまで、女帝を除く十代の天皇の皇女は全部で72人、そのうちめでたく結婚されたひとは11人にしか過ぎず、あとは大抵尼僧となって門跡寺院を相続されるのが慣わしだったという。
    ・官軍における江戸城総攻撃直前に、万が一総攻撃となった際に篤姫を始めとする大奥3千人の女中たちを、どこへ移すかの指示を表方の責任者へ仰いだが、混乱の最中確認できず、ようやく得た命令は、「宮と三院の方々は紅葉山へご参集を」という、まるで砲撃に身をさらすに等しい場所の指定で、大奥女中責任者はそれを受けた途端、危うく気絶するほどに腹を立てたという話。
    ・天璋院篤姫は稀な例だが、歴代御台所について書かれたものが徳川家には一般にはない。
    ・第16代徳川家達の娘の話。天璋院篤姫のお話として、「うちの家訓は代々家茂が毒殺されたということを後々子々孫々まで伝えよ」大変堅く言い伝えたという。

  • 9784062756853 414p 2008・8・1 22刷

  • 大河ドラマ篤姫のあらすじや人物相関などをネットで調べてから読んだら、断然面白くなってきた。幕末の世を生きた篤姫、戦国の世を生きた江。続けて読むと、自分も強く、自分らしく生きなきゃと感じる。本当は和宮の半生の方が興味があるんだけど…

  • 【FIGARO japon】
    08 12/20号
    P.44〜45掲載
    大河ドラマ・篤姫 関連著書が中心。紹介著書の中の1冊

  • 大河ドラマの印象が強かったので、篤姫は外の情勢に詳しく、政治的な判断を何か下していたのかと思っていた。

    でも恐らくその実態は、この小説で描かれているように外の情報が入ってくる事も少なく、彼女の徳川での活動のほとんどは大奥内でのいざこざに終始したのだろうと思った。

    そういう意味では、正直がっかりした感はある。

    しかしながら、作者の「日本の歴史から女性が無視されてきた」という最後のコメントから伺えるように、当時の女性が公の場で影響力を持つ事は非常に難しかったのだろう。だとするなら、大奥の長になることが、この時代に女性としての最高の出世であると思うし、そこを統率し続けた篤姫はやっぱりそれに値する女性だったのだと思った。

    「於一は男に生まれたらよかった」と、自分も思わずにはいられなかったけど。

    明治になってから、色々といざこざのあった和宮と篤姫がわかりあうところは、何か心がほっこりしてとてもいい。
    時代に翻弄され続けて、奇しくも幕末に徳川大奥で出逢った二人の女性。
    互いに立場あってすれ違いが大きかった分、振り返っみると二人にしかわからないこともたくさんあるのだろうと思った。

  • 薩摩藩藩主島津家の分家の娘だった(のちの)篤姫が、藩主斉彬の養女として徳川13代将軍に嫁ぐ。
    将軍家定は虚弱で、2度の結婚でも跡継ぎに恵まれず、篤姫は3度目の結婚だった。
    斉彬からは、家定の後継が徳川慶喜になるよううまく計らうよう密命を受けていた篤姫だったが、・・。

    薩摩の田舎でのびのびと育った少女時代。
    思わぬ運命で将軍正室となり、13代将軍家定の死後、14代となった家茂を支え、皇女和宮の姑としての立場、徳川の瓦解を見届け、江戸城明け渡してもなお徳川の誇りを失わなかった姿。

    う~ん、本当にすごい人だ。
    ただ、強い人かと思っていたが、ものすごい葛藤の中で自分を決して見失うまいと必死になる姿に共感できた。
    篤姫が男だったら、徳川の最後ももっと違っていたかもしれないと思う。

    幕末、実家の薩摩と徳川は敵味方になってしまったとき、
    薩摩から「実家に戻れ」と言われて「それなら自害する」と言い切る篤姫。
    嫁いだら、もう嫁ぎ先の人間なんだからってことなんだけど、
    それはきっと篤姫の「意地」だったんだと思う。

    斉彬の野望のために、「騙されて」男性としての能力のない家定に嫁がされ、和宮が降嫁する際は、「いたら立場上邪魔」とばかりに実家に戻されそうになったり、
    散々なはずの人生なんだけど、決してそうはさせないと、徳川の御台所として、また将軍の母として、最後まで誇り高く生きぬいたのだ。

    下巻の大半が、篤姫と和宮の「嫁姑」の争いで、ちょっとうんざりしてしまったが、徳川は瓦解し、立場を離れて二人が会うようになってからは本当に仲が良かったと書いてあってほっとした。
    嫁と姑という「立場」が二人の関係をおかしくするんだと思う。
    世間でも「嫁」と「姑」でなかったら、仲良く付き合える人たちはいっぱいいるものね。いつの時代もかわらないものだ。

  • 昔(といっても、おじいちゃん世代くらいまでそうなのかな)のひとって、本当に精神年齢高いよね。
    寿命がそもそも短くて、若いころからいろいろ背負う(背負うべく幼少期から教育される)からかな。
    ときどき、自分が恥ずかしくなるくらい!
    夫を亡くし、10歳年下の養子とその妻を、大奥を統べる者として迎え、ふたりをしっかり支えていく覚悟をきめたー、、そのとき篤姫25歳!
    わたしそのとき、かきのたね食べながら寝転がって本を読んでた!

  • 下巻も引き続き何が幸せなのか、ちょっと考えてしまいました。仕方ないのだろうけど特に後半は駆け足で、和宮様との交流部分がもっと欲しかった。

  • 下巻になると面白い。

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著者プロフィール

1926年高知県生まれ。『櫂』で太宰治賞、『寒椿』で女流文学賞、『一絃の琴』で直木賞、『序の舞』で吉川英治文学賞受賞。おもな著作に『陽暉楼』『錦』など。2014年没。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮尾登美子の作品

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