- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062757331
作品紹介・あらすじ
携帯のワンクリック詐欺に遭った役者志望の男が、チャイニーズマフィアの名を騙り、悪徳業者に逆襲を謀る。そのマフィアのボスは、歌舞伎町の覇権を巡り別組織と暗闘を繰り広げていた。そして歌舞伎町での連続放火事件に出動したST-絡まる謎に"沈黙の男"黒崎が動く!「色シリーズ」、堂々のラスト。
感想・レビュー・書評
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役者志望の男がワンクリック詐欺に遭うところから始まった。今でこそ、スマホで怪しいサイトでポチッと押す人は殆どいないだろうし、たとえ間違ってポチッてもお金を振り込む事はないだろう。でもワンクリック詐欺が始まった頃は、情報もなく、慌ててしまう人は多々いたのだろう。今は別のカタチで詐欺が横行している。マニラの監獄から詐欺をはたらいているニュースを聞くと、COVID19とワクチンとのイタチごっこのように思えてしまう。
今回は黒崎の出番だが、舞台は歌舞伎町、相手はチャイニーズマフィア、いずれもシリーズの中で既出だ。寡黙な黒崎の活躍が中心であるが、やはりゴレンジャー全員の力が後押しするのは、単純な構成だが、スルメイカのような味を感じてきた。
詐欺が発端となり、放火事件、そして放火殺人と繋がっていく。動機は想像通り、チャンスと方法はアンダーソン曲在によるらしい。翠の説明を聞いても、ちんぷんかんぷんだったが、なんとなくわかった。犯人が想像通りだと面白くないなぁと思いつつ、読み終わった。いつも以上に無口な黒崎の行動は最後まで読んでも理解不能であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ST色シリーズでは「赤の調査ファイル」に次ぎ出来栄えだと思います。黒崎を中心に据えた作品としては「黒いモスクワ」につづく2作目ということになりますね。
STが追う謎の失火事件と並行して、茂太や一平たちが振り込め詐欺師に一泡吹かせようとする企みが進行しますが、なにせ彼らが素人だけに「ほんとうにうまく行くのだろうか、殺されたりしないだろうか」と、読んでるほうがハラハラドキドキさせられます。また彼らの素人っぷりが物語にある種のコミカルさをもたらしており、読みやすさに一役買っていると思います。
失火事件のほうはといえば、極めてST向きの事案であり、希少な科学的事象によるものであることが判明します。タネ明かしの中心は翠でしたが、失火の原因を探るにあたり黒崎の嗅覚によって、考えうる原因のいくつかを除外することができたという点では、STのチームプレイということができるでしょう。このあたりのノリは色シリーズにおけるお約束ですね、必ずしも”主役”の人物だけが謎を解明するわけではないという、いわば「5人揃ってST」を体現しているともいえます。
そして茂太や一平たちの企てと失火事件のつながりは思いもよらないかたちで訪れ、そこには何もかもを見通していた黒崎も絡んでいてという展開で、その慧眼には恐れ入りました。寡黙だけど先を見通す力を兼ね疎なているって、なんだか素敵です。失火事件の黒幕の用心棒と黒崎の対峙も見ものでしたね。黒崎のスゴさを目の当たりにする決着のつき方で、改めて黒崎の武闘家としての実力が際立つ一冊だったと思います。 -
メンバーのチームワークもよかった
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シリーズ第八作。色シリーズのラスト第五弾。主人公は黒崎勇治。潜入捜査みたいだけど、そもそも黒崎は警察官じゃないから、いいのか。しかし、こんなに無口で大丈夫なんだろうか?
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茂太と詐欺グループとの話と、中国マフィアの話…最後にピタッと重なって事件解決!犯人もちゃんと逮捕出来たし。すーっとした終わりだった。
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ST色シリーズの最終刊。
このシリーズは、赤城のファンが多いんだけど、やっぱり黒崎は渋くて、素敵♪ -
ST色シリーズ最終巻、黒崎がメイン。歌舞伎町の連続不審火に中国マフィア、ワンクリック詐欺がどう絡むのかと思ったらしくお見事な帰結。黒崎さんにまんまと利用されて誘き出された中国マフィア、頭良すぎて油断した?