鎮火報 Fire’s Out (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759755

感想・レビュー・書評

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  • 新人消防士の成長。
    違法滞在外国人の話など中々シビアな事件も。

  • 成長って悩む事から始まりますよね。
    自分なりの答えを見つけるため、
    生きる主人公がとても清々しかったです。

  • 単純に たちもりめぐみ って名前への興味だけで読み始める  物語の始めの方は主人公が酒気帯び運転? おじさんには面映ゆい文体かな

  • 読み出した時ははずしたかな、と思ったけど読み終わった今続きがあると知り読みたいなと思っている。鎮火報という言葉さえ知らなかったし、消防ものってめずらしいよね。警察ものは山ほどあるのに。

    「人の命は間違いなくその人のもんだよ。だから、生きる権利もあるし、逆に死ぬ権利があってもおかしかない。だけど、どんな奴にだって、どうしても生きていて欲しい、一緒に苦労も恥も分かち合うから生きていて欲しいと望む人がどこかにきっといるんだよ」
    わたしにもいるのかなー。

  • 消防士にしては破天荒な主人公だけれど、現実的な社会を反映させつつ、しっかり読める消防小説になっていました。続編も読んでいきたいと思います。

  • 小説には珍しい消防小説。

    若い消防士が成長していく物語だが、まじめな熱血な青年というわけでもなく、今時の若者が主役。しかし心の奥には熱い正義感と信念を持っていて、人情味もあるというキャラクター。

    ストーリーを通じて、「死」という者の考え方について考えさせられた。

    前半は少しダラダラとしていたが、最後は上手くまとまっていたかなと思う

  • 「熱い消防馬鹿なんか真っ平御免」と言い放つ、二十歳の新米消防士・大山雄大。だが、外国人アパートを狙う連続放火事件の消火にあたったことを境に少しずつ変化が起こる。真相に迫るうちに気づかされるのは、選んだ道の正義と誇り、そして消防士だった亡き父の思い。

  • 警察小説はたくさんあるけど消防の小説は初めて読んだ。
    現場へ向かう時はウーウーウーのサイレン、無事に鎮火したらチンチンチーンと鎮火報を鳴らすとか、サイレンにも種類や意味があるなんて知らなかったー。
    長かったけどストーリーも読みごたえ十分で大満足。
    雄大、裕二、守、仁藤、etc・・・、登場人物もなかなか一筋縄では行かない人達ばかりで今後の展開が楽しみ。
    警官は~シリーズともリンクがあったのは嬉しいサプライズでした。(☆∀☆)

  • 少し長いかなと思いました。
    雄大の口調は独特なので、一人称小説でこの長さだと、合わない人には辛いかも。
    でも、消防署や署員についても知らない事が多いので興味深く、面白かったです。

  • 鎮火報は、一人の新米消防士を中心に、消防の仕事を実に細かく、深く描いた作品です。
    この作品で、消防士の方々の仕事の詳細や、喜び、苦労、苦悩など、ぱっと見仕事を見ただけじゃ到底分かり得ない本当に様々な事を知る事が出来ます。
    しかし、消防士という仕事を知る、という面だけではなく、小説としても、本当に面白いと思える作品でした。
    日明恩さんの作品は、ギフト、警官は微笑うに続き三冊目でしたが、私はこの作品が一番好きです。
    主人公の大山雄大は、ある事からちょっと捻ねた考え方をする、仕事に情熱の欠片もないと自分で思ってる、ちょっと屈折した新米消防士。
    そんな彼が、様々な事件、人との関わりを通して自分の本当の想い、消防士としての自分を知っていく、青春ミステリです。
    この作品、主人公雄大を筆頭に、彼の周りに集まっている消防士仲間や、友人達などのキャラクターが本当にいい味を出してます。
    作中に込められた内容は重めのものが多いです。
    生きる事、死ぬ事、死ぬ権利とは、重く、心が暗く沈み込みそうになるそれらの問題を、雄大が、真っ直ぐに受け止め、立ち向かってくれる事で、読者も一緒に立ち向かう気持ちになる、そんな作品でした。
    しかし警察官に至っては、キャラクターも、作中の存在自体ももうボロクソ。
    あれ、日明さんって警察小説だしてた人だよね¨と思わず確認しちゃう程に。
    それゆえに、警察と消防の微妙な関係性が分かり易く表現されています。
    消防に興味のある方はもちろん、あんまり知らないという方にも、是非一度読んで頂きたい作品です。

    以下ネタばれあります。
    大丈夫な方のみ下へ¨


    この小説、お話し自体も面白かったですが、やっぱり何よりキャラクターが本当に私のツボ。
    心の中でも、たまに言葉に出してでも毒吐きまくって、仕事馬鹿ヤダヤダと言いながら、人一倍頑張って、ハタとそんな自分に気付き、俺には関係ねぇ、と言い訳しちゃう雄大はもう目茶苦茶可愛い。むしろ愛しい。
    親友裕二は手放しでいい男、消防士、やめようかな、の雄大の言葉に、辞めたきゃ、辞めりゃいい。お前が俺のダチって事には、変わりはない。この言葉、本当に相手の事を想ってじゃないと簡単には言えない。雄大を丸ごと受け止める彼の短くも熱い言葉の数々に、そのたび胸キュンでした。
    守はとにかくミステリアス、中年男の乙女な仕草や発言がツボでした。雄大が危ない目に遭うのも、いなくなるのも嫌だから。このセリフの可愛さったるや。中年乙女最高。
    仁籐も大好きです。苦しみ、半分雄大に背負ってもらって、目も鼻も真っ赤にした人間らしい彼を見れた時が一番嬉しかった。雄大がピーマン人参納豆が嫌いだって、オヤジさんに電話越しにどんな顔して話したのか、想像すると心がホカホカしてきます。
    読み終えて、切ない思いも残りながらも、キャラクターの優しさに心がじんわり心が暖かくなる、そんな作品でした。
    次作品で、彼らがどんな風に描かれているのか、ドキドキ、今からものすごい楽しみです。

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