酔いがさめたら、うちに帰ろう。 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766883

感想・レビュー・書評

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  • 映画版を見てから読みました。

    映画の、あの軽やかなタッチそのままの文章。
    その描写の中で積み重なっていく現実の重みに、
    最後にはとても切なくなりました。

    お酒に飲まれるほど飲めないことが幸せなのか。
    お酒に飲まれるほどひどい現実を知らないことが幸せなのか。
    ともあれ、今自分が幸せであることを感じさせられました。

  • アルコール依存症で、ぼろぼろの著者の闘病記です。軽い文章で読みやすいですが、闘病の中身はなかなか壮絶です。ただ、最後のところはあえて書かなかったのかな。

  •  深刻な話の内容のはずなのに、軽く楽しく(?)読めてしまった。
    きっと作者の人柄のせいなのだろう。

    読み終えて、ほんわかと優しくなれる 
    かなりイイ感じの読後感だった。

  • 鴨志田 穣氏の著書です。
    この本の文末に「この物語はフィクションです」とありますが、鴨志田穣氏の実体験に基く点が多々あり、自伝的なものだと解釈します。8割は実話ではないかと。

    著者の本は全て所有しておりますがとても考えさせられる内容でした。

  • <アルコール依存症で離婚。10回の吐血。再飲酒。ついにアルコール病棟に入院することになった、元戦場カメラマンの「僕」。そこで出会った個性的な面々との生活が、僕を変えた。うちに帰りたい―。依存症を克服し、愛する元妻、子供たちとの時間を取り戻したが、そこには悲しい現実が…。笑って泣ける私小説。>自分で自分のことをここまで自然に書けるってすごいことだと思う。正直で素直で純粋な人だったんだろうなとしみじみ思った。

  • サイバラのダンナさんであり、戦場カメラマンであった「カモちゃん」の、壮絶アル中闘病私小説。「毎日かあさん」の4巻までに載っていたエピソードは、実際はこんな状況だったのだなぁ〜と再認識できました。この本でも、サイバラ作品でも、このあたりのことはサラ〜っと描かれていましたが、現実はホント壮絶だったのだろうなぁ・・・。サイバラのだいぶ以前の作品では、カモちゃんのいろいろな武勇伝(?)が紹介されていましたが、この本では病気のせいでとても弱ってしまっている様子ばかりで、なんだかサビシイものがありました。しかし、よくぞアル中を克服しました。これってスゴイことなのだ。ホントにエライ!いやはや、酒はほどほどにしないと。ほんとほんと。酒好きは、いつあっちの世界に転んでも不思議ではない。他人事じゃないですわー。

  • 2018.9.26-167

  •  鴨志田氏が亡くなっているからこそ、しんみりと冷静に読める。しかし、彼がいまも生き続けたら何を書いたのだろうか。それは、冷静に読めることでも無いかもしれないし、なんというか、いろいろと考えてしまうけれど、それでも読んでみたかったなぁ。
     中島らも氏もそうだけれど、アルコール依存症というのは、死に至る病であると思う。

  • Amazon、¥304.

  • 自分自身、相当な酒飲みと思っていましたが、これを読むとまだまだ大丈夫なんじゃないかと妙な自信を抱いてしまう、そんな一冊。

    アルコールに由来する様々な病的症状はおぞましいほど深刻なのに、妙にそれを感じさせない明るさが全編を包んでいるから不思議。

    とはいえ、家族が心配するのをよそ目についつい飲んじゃう主人公には、少々苛立ちを覚えることも。

    同じ酒飲みからすると、どうせ飲むなら他人に迷惑をかけるなよ、と思ってしまうので。

    だけど後半、余命を知った後にようやく自身の過去を振り返る姿を見ると、何となく私自身の行く末を見たような気がして共感。それ故か、最後はなんかホロっと来てしまいました。

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