死角 オーバールック (講談社文庫)

  • 講談社
3.54
  • (8)
  • (36)
  • (34)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 241
感想 : 40
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768504

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 10月26日読了。図書館。

  • ☆☆☆☆★

  • ハリー・ボッシュシリーズの中でもかなり趣きの変わった一編。元々新聞紙の日曜版に連載されていたということで、テレビドラマの『24 TWENTY FOUR』のような感じの構成である。その分、これまでのような重厚さを感じられず、面白いのだけれど物足りなさも残る。

    放射性物質強盗事件を追い掛けるボッシュとFBIとの駆け引きは、いつもながらの我流を崩さない突っ張り合いで繰り広げられる。前作でボッシュから離れたレイチェルの再登場が嬉しく、捜査と共に彼らの関係も興味深く映る。

  •  ボッシュ・シリーズなのだが上下巻に分かれるわけでもなく、一冊だなんて珍しいなと思ったら、ニューズウィークのウィークリーマガジンに字数制限で連載された、いわゆる書き下ろしではないものだそうである。それでも改訂を重ね、ラストシーンは4版とも異なるなどの諸事情は訳者解説に詳しい。

     国内では雑誌連載の作品が主流であり、書き下ろしはやや貴重な傾向があるのだが、海外では作家たちは十分に時間をかけて一作一作に集中した執筆活動を続けているのだろうと思うと、ちと羨ましくなる。

     されマガジン連載用だからというわけではなかろうが、本作品は、いつものボッシュ・シリーズには見られないスケールで、テロが題材とされている。無論テロとなればロス市警などはお呼びでなくなるばかりか、捜査の現場からの締め出しを食らいかけるところ、ボッシュはエコー・パーク事件の活躍が実って未解決事件班から市警殺人課に復帰したばかり、その上若いキューバ系アメリカ人のパートナーの未熟かつナイーブな態度を持て余し、そのくせFBIのレイチェル・ウォリングとの捜査及び恋愛における丁々発止の賭け引きなど、その心情的な部分は多分に忙しくめまぐるしい。

     捜査プロセスの緻密な駆け引きはいつもながらだが、そこに現場を自分のものにするために先んじて動いてゆくボッシュのベテラン捜査官ぶり(あるいは一匹狼ぶりというべきか)もスリリングで楽しい。

     雑誌連載時にはなかったという犯人側のミスディレクション部分を見抜くボッシュの慧眼ぶりや、考えに考え抜かれた事件の底深さ、トリック、複雑な人間模様など、いつもながらのコナリー・ワールドは、いつもより短いながらも全開といえる。

     事件は発生から解決まで12時間くらいなので、スピーディな展開であり、いつものようなじっくりこってり系というのではなく、リズムとテンポのいい娯楽性豊かな佳品に仕上がっている。

  • 国際的なテロリストを扱う刑事ミステリーは、
    一歩間違うと、風呂敷を広げすぎてリアリティを失うきらいがあるが、
    その点、この本はうまくまとめてある。

    解説によると、字数制限があったとのことだが、
    そのせいか、このシリーズにしては、
    ちょっとストーリーが急転直下すぎるかな。

  • 洋書のミステリーではマイクル・コナリーさんの書かれたものを多く読むのですが、今回も主人公のボッシュの事件解決にかける情熱を大いに感じられる一冊でした。パートナーとの人間関係や、刑事である彼とFBIとの事件解決に互いの持ちネタのやりとりが面白かったです。

  • この作者の作品にしてはあっさりした作り。というのもオリジナルはニューヨーク・タイムズ・マガジンへの連載で、1回3000字、15回程度というかなり厳しい制限のもとで書かれている。翻訳はそれに大幅に加筆したペーパーバック版を元にしているが、それでも他のボッシュ刑事の登場する作品にと比べると、シンプルな作りだ。ボッシュ刑事が、頑迷でスマートフォンなどの新しいテクノロジに付いて行けない年寄り的な書き方をされていたのも、今後の展開がちょっと気になるところである。

  • 男気ある刑事ボッシュの推理カッコイイ。最期のスピーディな展開に伏線の活かし方が毎回うまい。

  • このシリーズは全て読んでいるが、今回はやっつけ仕事の感が否めない。

  • ううむ、これは物足りなさを感じるぞ

全40件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2023年 『正義の弧(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

マイクル・コナリーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×