- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062770798
作品紹介・あらすじ
5年前の惨事-播磨崎中学校銃乱射事件。奇跡の英雄・永嶋丈は、いまや国会議員として権力を手中にしていた。謎めいた検索ワードは、あの事件の真相を探れと仄めかしているのか?追手はすぐそこまで…大きなシステムに覆われた社会で、幸せを掴むには-問いかけと愉しさの詰まった傑作エンターテイメント。
感想・レビュー・書評
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よく伊坂ワールドという表現を目にするけど、なんとなく腑に落ちていたところがあり、でも具体的にどういうものか考えたこともなかった。
作品には、ところどころ凄惨な拷問シーンがあっても、なぜかユーモアで重くなってないところもそういうことなのか。
徴兵制度があり国家権力の情報操作により事件が改ざん捏造されたりしている少し未来の日本が舞台になっています。主人公の渡辺拓海の妻である佳代子がとてもユニークで怖くて不思議な存在で、最後まで得体が知れない。なんといっても夫の浮気を疑って夫を拷問する使者を送り込んでくるなんて、突拍子もない出だしがすごいというか面白い。終盤の妻の活躍シーンは見もの(読みもの)だね。
魔王と繋がってたのを、後から気づいた。
あらあら。 -
伊坂幸太郎 著
モダンタイムス(下)読了。
(上)での張り巡らせられた伏線の回収に期待が膨らみつつ、読みましたが…何だろう?この感覚?
府に落ちないというのではなく、府に落ちる感覚にガッカリするような…。勧善懲悪の世界なんて、やはり理想なのか…小説の中だけでも、それを求めてた自分が現実に戻されたような気分
主人公の渡辺の友達、作家の井坂好太郎が亡くなるシーンは結構、名言を吐きつつ、なかなか死なず、最後の頼みを聞いてくれと残した遺書には[馬鹿が見る」と書かれてた辺りは笑ってしまったが、真相に近づくのでは?と思った永嶋丈との闘いの場面は、結構長くて、伊坂さんの作品で少し、ダレてしまったのは初めてかも…。
[アリは賢くないが、コロニーは賢い。]
仕事が次々に引き継がれ、作業は細分化される。
効率が図られ、最終的には「良心」や「罪悪感」は
「昔そんなものがあったんですよね」と憂える人間すらいなくなるほど綺麗さっぱりと、消える。
「そういうことになっている」と言う言葉には、主人公の渡辺同様、抗いたくなる気持ちが沸沸と湧いてくるが…解決にならない事も事実に落胆してしまう。この作品は「魔王」の完璧なる続編だと思った。『魔王』読んだ時も、消化出来ないモヤモヤした思いが残ったような気がする この社会の仕組みに対する問題提起した作品だ。
答えを小説に求めてはいけないような…
何だか、見えない大きな渦に巻かれて、ストンとそこから落ちてきたような気分だ、、
「考えろ、考えろ」 結局、自分で自分なりの答えの中に生きてゆかなくっちゃならないならないって事だよね。
自分なりの答えがあるとしたら、作中で引用されてた 「ライムライト」のチャップリンの台詞
「人生を楽しむには、勇気と想像力とちょっぴりのお金があればいい」って感じかな。
「勇気はあるか?」って言葉におされて、読み続けた作品 私には、この言葉に反応してしまう妙な思い出が深く心に残っているからだ。その私個人的なエピソードは置いておくことにして…。
勇気って突拍子もない行動に出る事じゃない!冷静な判断のもとに起こす行動のことだって思い知らされた過去の思い出とともに、有り得ないような超能力があってもなくても、人は、色んな経験や人の触れ合いを通して、感じ生きてゆく生き物 謎めいた妻の佳代子も結局、そう、悪い奴じゃなかった(少し残念でもあり、ホッとしたような気分(笑)) -
下巻まで読了。事前知識0で手を出してわたしは後悔したのですが、これは魔王の直後か、魔王をおさらいしてから読んだほうがいいやつです!!
ゴールデンスランバーの疾走感と比べるとちょっぴり長かった。 -
上下巻とも楽しく読みました!
思いの外、後半一気に真相に辿り着きましたが、あたしにとっての1番の謎は奥様...そこは知る事が出来ませんでした。気になる〜
あたしの「勇気」も無くさないように誰か預かってくれないかしら?(笑)
次、「魔王」読んでみます。
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面白かった
魔王の50年後の世界だそうで、魔王に出てきた犬養元首相、じゃんけん無敗の安藤潤也のエピソードも出てきます。
主人公渡辺拓海は安藤と血縁関係があることが後程判明
全体のストーリ展開がゴールデンスランパーに似てるなと思ったら、双子のような関係とのこと
そういった意味では、ゴールデンスランパー、魔王、本作と自分好みのストーリ展開でした。
いよいよ下巻です
播磨崎中学校の銃乱射事件の真相は何か?
当時の真相をしる現在の国会議員、永嶋丈に直撃します
そして、永嶋から語られる事件の真相
なぜ、検索すると不幸な目に合うのか...
で、終わりと思いきや、そこで、さらに迫る危機、拷問
ここで、佳代子登場で、めちゃくちゃすごい働き、ばったばったと敵を倒しちゃう
佳代子って何者?(笑)
んで、そこからさらに明かされることの真相
という展開です。
すべては国家のというシステムに帰着します。
全体のストーリとしては納得ですが、浮気相手の女って結局どうなったの?(笑)
ということで、面白かったです。
魔王を読んでから読みましょう!
魔王、モダンタイムス、ゴールデンスランパーは好みです! -
下巻の後半からようやく、急に面白くなった。
『そういうことになっている』という考え方に共感した。ナチスのアイヒマンの例えも興味深かった。
でも、ちょっと長かったー。
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2021/08/31
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2021/08/31
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注! ネタバレ設定にしてませんけど、もしかしたら内容に触れているかもしれません(^^ゞ
上巻もそうだけど、下巻も、とにかく登場人物たちの減らず口が楽しい!w
今ってさ。お決まりのギャグはあっても、こういう風に減らず口叩く人って少ないんだよね。
「あー言えば上祐」(←古っ!w)じゃないけど、思わず、「あー、うるせぇ」って笑っちゃうw、こういう口の減らないバカが普通にいたら、世の中もっと楽しいだろうになぁー。
今はさ。猫も杓子も、「今は生き辛い」って思いやってばかりだから、かえって世の中がギスギスしているんだって、いい加減気づこうよ(^^)/
さて。上巻に引き続き下巻も、登場人物たちはなかなか示唆に富んだことを言う。
“今の世の中に独裁者なんていない。『その人が消滅したら、物事が解決する』と言い切れるような、そういった個人はどこにもいないんだ”
“どの悪人も、結局はなにかの一部でしかないんだって”
それはそうだろう。
人というのは、所詮は何か(システム)を構成する一部でしかないからこそ、人類は持続出来ているわけだもん。
前に『あひる』という小説を読んだ時、解説者が“人が代替可能”なことに嫌悪感を示していたけど、代わりがいるからこそ、人類は続いているわけだw
ていうか、後半で、ヒトラーみたいなのはちょっと特別みたく書いてあったけど。
自分は、ヒトラーだって、所詮は時代のシステムの一部で。ヒトラーがいなかったとしても、その代わりはいくらでもいたんだと思う。
というか、あの時、ドイツに住む誰もの中にヒトラーになれる要素があったからこそ、人々はヒトラーを支持したんじゃない?
ただ。
個人的には、戦争は為政者が起こすものではなく、一般大衆の無責任さが起こすもので。
為政者は一般大衆の無責任さがつくる、時代というシステムの一部にすぎないと思うのだが。
でも、今年のロシアが始めたウクライナとの戦争を見ていると、例外もあるんだなーと驚いた。
あの戦争に関しては、おそらく『その人が消滅したら、物事が解決する(少なくとも戦争は終わる)』可能性が高い。
そう考えると、この『モダンタイムス』という小説に書いてあることは、今では過去を踏まえたことになってしまっていて。
今という時代は、もはや作家の創造性や想像力を超えてしまった…、ということなのかもしれない。
というか、人の想像なんて、たかが知れたもので。現実というものは、常に人の想像の先を行っているということなのだろう。
もっとも、後半、永嶋丈がこんなことを言っている。
“動物というのは絶えず進化の可能性を探している。突然変異の試行錯誤を繰り返している。国家や組織も一緒だ。見えない触手を無数に伸ばして、『変化のきっかけ』や『生き残る確率が増す道』を探している”
“たとえばヒトラー、たとえばスターリン、たとえばムッソリーニ、ルーズベルト。彼らは何らかの目的を、思惑を抱えていて、そのぶつかり合いやすれ違いが、世界大戦を継続させ、終結させた”
それに対して、大石倉之介が“戦争のせいで、科学や工業が破壊されることもありすよ”と言うと。
“それでいいんだ。破壊されれば、また、動き出す。動物や国家にとって、一番、回避すべきことは停滞だ。変化がなく、動きのない状態は、死に近い”
もちろん、“変化がなく、動きのない状態は、死に近い”というそれで戦争を肯定してしまうのば暴論だ。
でも、それは、今の日本の状況を上手く言い表しているし。
また、今の日本人の総論へのアンチテーゼになっているように思う。
“何かを捕らえるためには穴に入らなくちゃならない。怖いから穴に入らないでいよう、なんて言ってもな。いずれ、穴から、成長した虎が飛び出してきて、自分を食っちまうんだよ。恐怖が今来るか、明日来るか、その差でしかない”
”昔は良かった、とかよく言うけど、昔も良くはねえんだよ。いつだって、現代ってのは良くなくて、だから、俺たちは自分の生きている時と向き合わなきゃいけねえんだ”
なんかは、著者という人が、意外と硬派で、しかも堅実な考えの持ち主なんだと感心させられた。
そう、だからさ。猫も杓子も言ってる、「今は生き辛い」っていうあれ、もういい加減やめよーよ(^^ゞ
著者が言うように、生き辛いのはいつの時代も同じで。生き辛くない時代なんてないんだからさw
同じようなことは、永嶋丈も言っている。
“個人にとって重要なのは、真実を知ることではない。満足することだ”と(^^ゞ
ただ、“個人にとって重要なのは満足すること”で、“人間は小さな目的のために生きている”んだとしたら、「人は社会というシステムの一部にすぎない」を受け入れる(悟る?)ということになる。
それは、最後の章になるちょっと前、“君は俺にそんな特別な力があるって”と言う主人公に対して、例の妻である佳代子が言う。
“それはそういうんじゃなくって、普通に特別な力だって。たとえばさ、妻を幸せにする、とかいう力よ”に直結する(爆)
いや。それでいいんだろう。
たぶん。
ていうか、そういう「普通に特別な人の営み」が続くからこそ、国家(というか時代?)も変化や進化を求めて、生き残る道を探すことが出来るんだろう。
すごく面白かった、この小説だが、イマイチ評価の人も多いのは、やっぱり、上記のように著者が主張しすぎているように感じるっていうのがあるんだろう。
確かに、思い返してみるとこの小説って、ストーリーの中で登場人物が語っているというより、登場人物が語りたいことをストーリーでつなげた…、みたいなところがある(^^ゞ
ただ、自分はストーリーは間違いなく面白いんだけど、それ以上に著者の主張が面白かった、というのがある(^^ゞ
ていうか、ここに出てくる著者の主張の中には、今の日本で普通に支持されている考え方に大きく反するのもあるから、拒否感をもった人も多いのかもしれない。
ただ、今の日本の常識的な考え方こそが、今の日本の停滞(というか沈下?w)の根本なのかもしれないわけだ。
「押してもだめなら引いてみな」じゃないけど、試しに今の日本の正論にケツまくってみるのもアリなのかも(爆)
最後に。
①“人間は放っておけば、自分のために生きるようになっている。(中略)個人の欲求を維持することに必死になる。それではうまくいかなくなる”
②だから、“国家は時に、暴力的な、もしくは無慈悲なシナリオを起動させて、国民に自分の存在を示す”
③そして、“システムは定期的に、人間の個人的な営みを、国家のために捧げるように、調整を行うんだ
もしかしたら。
2022年7月に起きたことは②の段階なのかな?と、最近なんだか薄ら寒い(・_・;) -
下巻。
テンポが自分には遅く感じられ、少し読み辛かった。もっとサクサク進む方が好みではある。
システムエンジニアの主人公が、ある言葉を検索すると不可解な事件に見舞われることに気付き、真相を暴くまで。
何も考えずにただ「仕事だから」という理由で行動していると、知らぬうちに大きなシステムの歯車として悪事に加担していることがあるという話。どちらにせよ自分で考えて行動することが大事という教訓。
作中の井坂氏(確か)が言っていた「人生は要約できない、要約される時に省かれることこそが人生だから」というような言葉が印象に残った。 -
伊坂幸太郎さんが書く悪の組織をベースにしたストーリーはやっぱりおもしろい。すごく好き。殺し屋とか拷問専門の者とか、すごく救いがない世界のように感じた次にコミカルなシーンが現れて、そうかと思うと「なるほど」と思う学びもあって、読んでるこちらの表情が文章に合わせてコロコロ変わっていく感覚。あとがきに『ゴールデンスランバー』と二卵性双生児って書かれてたからそっちも読みたい。
こんばんは。
いいね!有難うございます。
きょうは、寒いです、風邪などひかないように。
やま
こんばんは。
いいね!有難うございます。
きょうは、寒いです、風邪などひかないように。
やま
夜になるにつれ、ぐんと冷えてきました。
やまさんも風邪などに気をつけてくださいね。
夜になるにつれ、ぐんと冷えてきました。
やまさんも風邪などに気をつけてくださいね。