- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062771665
感想・レビュー・書評
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ふわふわときゅんとする、感じが好きです。
ゆうちゃんはすてき男子。こんな人いたら甘え過ぎてしまいそう。
不安定な人ってすごくいるけど、ただ甘えてるんじゃなくって、心が弱いんじゃなくって、難しいところにいるんだと思う。
きいちゃんのように、何かのタイミングで気づいたり変われたりするといいな、って思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゆうちゃんときいちゃんの幸せな生活。幸せな生活がなぜか悲しいのはそれがいつか終わるから。
それにしてもピョートル大帝はその後どうなったのでしょう。 -
反則だ、と思う。説明したくないな、と思う。ただ一つ言えるのは、わたしはきいちゃんではないのに、どうしようもない気持ちになったということ。
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歌人の著者。
小説は初めて読んだ。
雰囲気がすごく好き。
なんだろ、色で言ったら、薄い水色か緑色な
さやさや~とした感じの文章がとてもここちよかった。
登場人物がみんなどこか不思議だけど優しくて、好きです
引用。
「仕方のないことって、どうしてこう、人生にまとわりついてくるんだろう、とため息をつきそうになった。」
「あたしとゆうちゃんも、の続きは『ジャムみたいだね』だった。
でも、そう言ったとたん、今のできごとが全部ジャムみたいにかたまって、
思い出にかわってしまいそうでこわくなったのだ。だから、言わなかった。
あたしとゆうちゃんの時間は、小さな炎で煮続けていくんだ。
ずっとずっと、どんなに小さな炎でも、かまわないから。」
「あたしの中に、『加減のわかる装置』のようなものがあればいいのに。
いろいろなことの加減ができる装置。とくに心の加減の。」
「おれは、男のストーカーなんかじゃなくて、この世でたった一人の、
ずっとそばにいてくれる女の子が欲しいんだよ」
「ゆうちゃんがあたし一人のものじゃないってこと、分かってる。
よく分かってる。でも、今はここにいてほしい」
「ゆうちゃん、好き。大好き。ゆうちゃんも、あたしのこと、ずっと好きでいてね。ウソでもいいから」 -
登場人物の頼りなさも優しさも強さも、ひとつひとつの台詞も、全部まるごと大事にしたくなる。ここまで感覚的に読める小説もなかなかない。ふわっとしていながらもしっかりと着地するような、不思議な言葉の魅力がある。ひとりの目線から見る世界がふたり、その周りへと広がっていく過程がとても心地よく、儚くも何かが残る物語。
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こんなのには年を取りすぎてしまった。
主人公中学生にしたらいいんじゃないか。
精神年齢は小学生。 -
ちょっとワケありな家族と離れ、美容師をしている恋人の部屋に居候している女子大生が主人公です。彼女は少しばかり心のバランスを崩していて、大学も休学中。何をするでもなく、ただただ日々をやり過ごしています。そんな彼女が眠れない夜は、恋人がお話を聴かせてくれます。それは、子供の頃の友人の話であったり、むかし近所に住んでいた人の話であったり、アルバイトをしていた頃の同僚の話であったりです。著者は歌人でもありますから、言葉の使い方がとても巧みです。どれも取り留めのないお話のようですが、なんだか妙に心に引っ掛かります。
ときには、なんだかおかしな人と関わりを持ったりしながら、少しずつ前に歩み始める主人公なのですが、得てしてこの世に命を繋ぎとめるもととなっているのは、取るに足りない日常的なことなのかもしれませんネ。