影法師 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 7610
感想 : 897
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772839

感想・レビュー・書評

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  • 時代小説はちょっと苦手なのですが、いろいろなジャンルの小説を書いている百田尚樹さんの作品は流石でした。
    時代背景や男の友情など、どんどん物語に引き込まれ、涙なしでは読めない良い作品でした。

  • 百田文学の時代小説
    藩筆頭家老の成り上がりストーリーかと思いきや主人公は彦四郎です。読み終わった後にタイトルに納得がいきます。

    構成も現在からの回想という非常にニクい書き方しています。

    紆余曲折波瀾万丈はあるものの読んでて嫌な気持ちになりません。

    20年前の事件の種明かしは強引かとも思ったけど、武士道とは仁義とはを教えてくれます。
    終章の切ない約束を守る愛の仁義
    愛する人と友と国を思う気持ちは素晴らしいです。

  • ふたりの男の生き様のすごさを感じるとともに、昔の時代の不条理さに憤りを感じた本。

    小説とはいえ、昔の史実をある程度反映させていると思うので、そうした昔の時代を思うと、昔はなんて厳格でそして不条理なんだろうと思う。
    と同時に、二人の男の覚悟と生き方に胸が熱くなった。

    読み終えたあと、影法師というタイトルの意味がわかった気がした。この本のほんとうの主人公は、主人公の親友だったと思う。

  • 時代物で読みにくいかなと最初は思ったけど、すらすら読めた。百田さんの作品の中でも1番好きかもしれない。

    今の時代もそうだが己の出世、保身、世間体を守るために悪事を働く人が多い世の中で、主人公の友である彦四郎の生き方は到底真似できるものではないと思った。自分が見込んだ男に自らの人生を顧みず己の人生をかける潔さとそれをやり抜く賢さ、とても心が揺さぶられるところは多い。主人公の勘一も必ず必要だと考えた干拓をやり遂げる精神力、友の事を思える器の大きさを持っており、ただただ偉いだけのどこかのお役人さんとは違う。
    これぞ男の生き様!とは思わないが、正しいと思ったことを推し進められるように強く、そして正しいことを言っている人を後ろから支えてあげられるように賢く、生きていきたいものです。

    それと見慣れない言葉がたくさん出てくるので勉強にもなってとても良い。

  • 一言で言うと百田尚紀さんらしい傑作の部類に入る本。

    最初から最後まで引き込まれてしまう言葉の使い方と歴史小説という舞台がうまく混じりあっている。過去の記憶と現在の自分を行き来し話しのあらすじを語るというスタイルで、その手法が感情移入をより確実なものにしている。
    また、百田尚紀さんの最初から伏線をはり最後の方を物凄い盛り上げるという方法がとても目立っている作品。

    読書家には必読の一冊である。

  • 主人公は下級武士から、筆頭家老にまで出世した。
    本人の才能・努力もあったが、その陰には親友の一生を棒に振るくらいの
    凄まじい助けが人知れず行われていたので、とは読み始めてすぐわかる。

    親友のために「影法師で」人生を終える。
    自分が犠牲になるのは男の美学とでも言うように。
    男が男に惚れて、頑固なまでに自分を捨てるように尽くす。

    百田さん、なかなか読ませる筆力でおもしろくて一気に読まさせられたが
    「う~ん、これが男の美学?・・・バカげていないか?」
    と、十パひとからげに言うのもなんだけど(女のわたしだからか)
    「なんだかなあ、無駄な人生じゃないか」と思ってしまう。

    男の美学にはわからないところが多い。

  • あまりにも哀しい。

    彦四郎の、死の便りから始まる冒頭。
    理不尽な世に揉まれながらも、勘一と彦次郎の絆は濁りのなく健やかで、真っ直ぐなものだった。

    彦四郎は、信念を貫いた、強く、素晴らしい人間であり、正に、一本気の通った真の侍だった。
    側から見たらその生き様は尊いのかもしれない。

    でも、彦四郎の能力、人間性を十分知る程、何故、という想いの方が、よほど強い。
    勘一に託す、償う、としても、そこまで自己を犠牲にする生き方には、私は憤りと哀しさを感じてしまう。
    (彦四郎 人間が出来過ぎなのでは、、と展開にほんの少しだけ白けた瞬間もあったけど。それ以上に、哀しい)

    男同士の熱く固い友情の物語といえば確かにその通りだと思うけども、私はこの話を美談には感じられない、、

    後半は心が震えた。決して感動ではない。けれど、心を揺り動かす力を持った話だった。
    最後は彰蔵、いや、“勘一”と共に、涙が止まらなかった。

  • 彦四郎…。タイトルが影法師だけに少し地味ですが結局ウルっときました。刎頸の友に感涙です

  • 刎頸の交わりか…。ここまで自分を滅することができるような友に出会えたことがあるかなぁ…。
    彦四郎の視点から語らせたら、また違った面白味のある話になっただろうと夢想…。

  • 武士道。生き方、死に方。
    志の為に生きることは心を動かされる。
    学ばずとも理解できることは自分も日本人の資質があるのか、それともただ歳をとっただけなのか。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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