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- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062774284
感想・レビュー・書評
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【3】「とちり蕎麦」「縁」「翔ぶ梅」の流れも良く、今回も面白かった。段々と女形・濱次の隠れた才能に目を留める人も増えてきて、本人も少しは芸に真剣に向き合う気になったのかな?本当に開花するのが楽しみです。そして森田座の大部屋役者の面々の賑やかさがたまりません。なんだかオネエが、わいわいやってる様でw。ところで作者が女性とは、ここで初めて知ってビックリでした^^;
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シリーズ3作目だが、初出が「現代小説」の掌編や、「KENZAN!」の中編を集めた「文庫オリジナル」なんだそうだが、せっかく腕を上げてきた3作目は単行本で読みたかった。
森田座の名題下がひしめく大部屋の女形濱次が、騒動に巻き込まれて周りをやきもきさせながら、己は飄々としていて読者の心を惹きつける。
立役者紀十郎がとちり蕎麦を配ったことから、濱次の奥役(付け人)が勝手な憶測で余計なことをするものの、幸せな気分の結末になる「とちり蕎麦」。
中村座からの替え玉役としての引き抜きに、情報戦よろしく内情を探り当てるが、若い仲間を助けるために中村座に乗り込むはめになる「縁(よすが)」
「飛ぶ梅」は濱次が出ないで、若き日の師匠と兄弟子が活躍するのでスピンオフのようになっている。