私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778206

感想・レビュー・書評

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  •  この手の小説は大好物なんですが、いざレビューを書いてみようと思うと、なかなか困る。何を書いてもネタバレになってしまいそうで……。たとえば、映画『パラサイト 半地下の家族』が大ヒット(ホントに面白い映画でした!)していますが、この映画は監督自らが「ネタバレNG」を出すような映画。それに関して、プチ鹿島さんによる『文春オンライン』での記事には「以前からよく思うこと」として、こんなことを書いていました。曰く、「『この映画は面白い』というのが最大のネタバレではないかと……。」ううむ、わかる! 何をもって「ネタバレ」とするかは、とても難しい。よく売り文句で使われる「映像化不可能」というのも、それ自体がネタバレであるように思う。そんなことを考えながら、本書についてはこのように論評したい。「この本は面白い」

     さて、ここからはちょっと「ネタバレ度」を上げたお話を。本書のキモはとにもかくにも「驚きのどんでん返し」――この表現は本書の帯からの引用なので、おそらく、きっと、多分ネタバレではない――である。「驚きのどんでん返し」の待つ短編が5作収録されている。
     それらの作品は、そのテイストも様々なのだが、一方で共通点もあるように思う。いずれの「どんでん返し」も「夢から覚める」という点だ。
     すべての作品が素晴らしい。だって、そこには「夢」があふれているから。
     「恋煩い」では、恋のおまじないに興じる女子高生が描かれる。そのキュンキュンする恋心、冷静になると荒唐無稽なおまじないの数々。そこには「夢」がある。
     「妖精の学校」はそのタイトルからもわかるように、まるでファンタジーだ。これから妖精になるために学ぶ少年たちの姿が描かれる。まさに「夢」の世界である。
     残る3作も、そこには描かれるのは「夢」の数々である。いずれも読んでいて、とても心地よい。
     だが、それらの「夢」が「現実」との交点を迎えるとき、唐突にその「夢」は覚める。そして、読者に残るのは(その夢の心地よさと比例する)後味の悪さだけなのだ。


    【目次】
    恋煩い
    妖精の学校
    嘘つき紳士
    終の童話
    私たちが星座を盗んだ理由

  • タイトルとイラストのみで購入した本になります。

    あらすじにも書いてあるとおりラストの数行で
    反転はしているのかもしれませんが、読み進んでいくうちに予想がたつ。
    予想はたちますが、最後まで読み進められたので問題はなかったかなと思います。

    すべてがファンタジックというわけではなかったかなのかなと。

    個人的には、タイトルにもなっていますが
    「私たちが星座を盗んだ理由」が好きです。

  • 0011
    タイトルと絵に惹かれて買ってみた。
    恋煩いを読んで怖くて他の短編もこのテイストなのかと思ったら最初のだけだった。
    妖精の学校は分からずググった。
    終の童話も最後が分からずググった…。想像力がない…。
    嘘つき紳士と表題作は後味悪い。

  • 非現実系ミステリー
    私には合いませんでした

  • 表紙からほのぼのとした雰囲気を想像して読み始めたので最初の「恋煩い」の不穏な空気にびくびくしました。そして迎えたラストの怖さ。「妖精の学校」はさすがにすぐには分かりませんでしたが、一行の意味するところを調べて理解すると見ていた景色が変わり、雰囲気も一変しました。「終の童話」はずっと心配しながら読んでいましたがああ、やっぱり。でもお話としてはすごく上手い運びだと思いますし、犯人も動機も秀逸。一番の好みもこれですね。5つのラストにそれぞれドキッとする少しずつ色の違う短編。堪能しました。

  • 軽い。
    物足りない。
    気持ちが1mmも揺れ動かなかった。
    残念。

  • これは酷かった。合わなかった。
    ネットで少し漁ったら似たような話が出てきそうなクオリティ。意味がわかると怖い話的な。

    まず1話目を読んで「うわっ、これはハズレ本かもしれない」と思いながらも2話目を読んで「これは本当に終わったかもしれない」と思い、3話目を読み終わった時点でこの本を読むのをやめようと決意できた。癖が全くなく、読みやすいので内容も相まって小学生向けのお話ですね。表紙は可愛かった。

    最後の話が代表作?メイン?らしいですが、そこまでじっくりこの本を味わおうとは思いません。暇すぎて死にそうになったら読もうと思います。

  • 「ラスト一行で全ては覆る!」という私の大好物な設定なので読みました。
    期待せず読んだのならもう少し驚けたのかもしれないけど煽り文句でハードルが上がってる分「え?」と少し拍子抜け。
    なんとなくわかってしまうオチが最後に来ても・・・。
    イニシエーション・ラブのように本当に最後に「え!?」ってなるのかと勝手に期待しちゃってました。
    短編集だし、イヤミス入ってるし、全体的に悪くないんですけどね。
    現代的な物語が3編。
    ファンタジー的な物語が2編。
    特に最初の「恋煩い」と携帯拾った「嘘つき紳士」が面白かったかな。

  • 恋煩い:思い込み・女の恐さ。 妖精の学校:領土問題に対する皮肉か。これ座標を調べたとしても、社会問題に対する関心・知識がないと理解できないのでは。 嘘つき紳士:登場人物全員クズ。でもやっぱり女は恐い。 終の童話:切ない。リドルストーリーが好きだから個人的にお気に入りの話。やっぱり杖かなぁ。 私たちが星座を盗んだ理由:すれ違いの切なさ。最後にもう一度突き落とされる。妹には幸せになってほしい。

  • 短編集。それぞれ面白く読んだが、『恋煩い』と『嘘つき紳士』が個人的にはオススメ。人の怖さを知った気がする。

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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